山と道

山と道トレイルログ
10月大雪山1泊2日
弾丸ハイキング

【山と道トレイルログ】

社是としてスタッフには「ハイキングに行くこと」が課され、山休暇制度のある山と道。願ったり叶ったり! と、あちらの山こちらの山、足繁く通うスタッフたち。この『山と道 Trail Log』は、そんな山と道スタッフの日々のハイキングの記録です。

記念すべき第1回目は、代表の夏目彰が神奈川県の鎌倉市から北海道の大雪山までなんと1泊2日の弾丸ツアーでハイキングに行った模様をお伝えします。なんでも、朝いちばんの飛行機で旭川に飛べば、1泊2日でも大雪山の懐に飛び込めるそうですよ。

TRAIL LOG

文/写真:夏目彰

もしかしたら、首都圏から行けるいちばん近くて深い山は北海道の大雪山かもしれません。

半年ぶりにようやく鎌倉の巣篭もり生活から抜け出て、東北の飯豊山地を歩いたときに、山をもっとたくさん歩かないといけないなと強く思った。机上でいくら試作とテストを繰り返しても、開発したい道具の答えにはたどり着けないのだ!

飯豊山地から帰ってきてすぐに10月上旬のスケジュールに山の予定を入れてみたが、台風の接近で本州の山はどこも悪天予報となる。どうしようかと考えてみて、はっと、北海道なら台風は大丈夫だろうと考えた。

羽田の早朝出発で旭川空港に向かい、タクシーに乗り込む。途中の東川のモンベルで立ち寄り、燃料を買いながら山の情報収集。天場で水を汲めるか確認したが、凍結しているだろうとのこと。2日分の水を背負い、そのまま旭岳へと向かう。

タクシーからの大雪山の景色は想像以上の雪山だった。初冠雪と聞いてはいたが、ここまでとは…。去年も同時期に大雪山に入っていたので、なんとなく残雪期、晩秋くらいの軽装備で用意していたのだが、少しまずいかもしれない。特に薄手のインナーグローブだけなのが心配だったので、ロープウェィの駅でミトンを購入。

朝の11時にはこの景色…。早朝首都圏から移動して、この景色を11時に見られる場所はそうそうないだろう(筆者は車に乗らないので、深夜車出発は除外する)。

  • 旭岳頂上 30mくらいしか視界がない。

まずは前面に広がる旭岳に登る。行動着は、上はメリノコーチジャケットに下はメリノ5ポケットパンツのみで挑戦。予報では風速10mの強風にマイナス1度くらいだった。頂上に近づくにつれて風速も高まり、ホワイトアウトになっていく。さすがにトップスの防寒性は限界に達し、テスト中のULオールウェザーコートを羽織る。でも、下半身のメリノ5ポケットパンツはまだ大丈夫。旭岳までは悪天候の中でも登山者は多かったが、旭岳から先はノートレースだった。ホワイトアウトしていたので、GPSで方向を確認して山を降りていく。

雲が流れて、一瞬世界が現れる。僕はこの何も見えないような悪天候の中、雲が流れて美しい世界が現れるその瞬間が大好きだ。無から有へ。これほど壮大で美しい瞬間はあまり無いだろう。

しばし見惚れていると、また雲に閉ざされてホワイトアウトに戻る。でも天気は回復に向かっていることを確信しほっとする。

荒井岳を越えたあたりから晴れ間が増えてきて、風も落ち着いてきた。そして大雪山の景色に包まれた。感無量。これまで鎌倉に引き篭もっていたけど、行動を起こせば、昼過ぎにこんな景色の只中にいられるのだ。

雪は締まっていて、歩きやすかったが、北海岳を越えた辺りから雪を踏み抜くことも多くなる。膝下は雪にまみれている状態だったが、メリノ5ポケットパンツ1枚で快調。正直普段はこんなシチュエーションならウインターハイクパンツを履いてくるので、メリノ5ポケットパンツでこんな雪山を楽しむのははじめての経験だった。「メリノ5ポケットパンツ…、お前の才能を舐めていたよ。ここまで優秀な子だったとは。」雪がついても中まで濡れてくるような感覚も無く、暴風性も良好。ウインターハイクパンツのように透湿防水素材ではないので、雪の中単独で長時間使い続けるには無理があるとは感じるが、予想以上に幅広いシチュエーションに対応できるパンツだと見直した。

雪のラッセルのような状況になってきた中で、まだメリノ5ポケットパンツの性能を試したい気もしたが、濡れすぎた後の怖さもわかるので、テスト中のULオールウェザーパンツを履く。

赤石川は美しく、凍結していなかったのでここで水を汲めば良かったと思うが、危ない危ない。この水源辺りは有毒温泉だったから飲めないだろう。

黒岳石室のテン場は最高の見晴らしだった。

夕食はクスクスにオイルサーディンとつぶ貝のアヒージョを混ぜて、ブラックオリーブをトッピング。味付けに美味しい塩を少し足す。(レモンも持ってくるべきだった)あとチーズにクラッカーにポテトチップス。

誰もいない景色を独り占め。「ここは日本か!」と思う。1泊2日でこの景色は凄い。ウサギの足跡をトレースに進んでいく。

北鎮岳へは、スイッチバックで登った。この方法だと息が切れずに黙々と登っていける。

本来は北鎮岳から比布岳から永山岳を回って旭岳に戻ってくる予定だったが、北鎮岳からの眺めで、ルート途中のナイフリッジの雪のつき方が危険なことを確認。アックスもハードシューズも履いていない、かつチェーンスパイクの軽装備では無理だと諦めて引き返すことにした。次回は完全装備で戻ってき来たい。

戻る途中、中岳温泉の野湯に浸かった。この雪の中でも温泉は湧き出ていて、冷水と暑い源泉が混ざり合い気持ち良い。誰もいないからゆっくりできた。

11時にはロープウェイのある姿見に戻って来ると、観光客でいっぱいだった。メリノ5ポケットパンツにメリノコーチジャケットの組み合わせは、誰も山で寝泊まりしてきたとは思うまい。

飛行機は最終便の8時10分なので、まだまだ時間はある。

麓の東川は、写真の町としても知られる美しい街だ。センスの良いお店が点在して、観光するのも楽しい。自転時車をレンタルして、以前からお世話になっているお店をまわった。

山も観光もお買い物も、食事も最高。1泊2日でこの濃密度は本当に凄い。旭岳を起点にして山を回ればレンタカーでも楽しめるし、おすすめですよ。

GEAR LIST

Base weight 合計3721g

ベースウェイトは食事・水・燃料をなどの消耗品を除く装備すべての重量です。
装備を事細かに測ることで、自分が背負っている道具の重さと意味について考えます。

運搬系


バックパック 
山と道 MINI3試作品 405g
パックライナー 40g


合計 445g

就寝系


テント
Locus Gear Khufu eVent 765g
グラウンドシート SOL 48g
ペグ MSR @14gx6=84g
スタッフサック 16g
寝袋 
Highland Designs ダウンバック 580g
スリーピングマット
山と道 U.L.Pad15s+113g
山と道 ミニマリストパッド(MINI付属)46g


合計 1594g

飲食系


クッカー
if you have Pound Cup 69g
固形燃料台 Trail Desighns 2g
ゴトク 不明 9g
風防 Trail Designs 14g
カップ Snow Peak 300 Titanium 55g
スプーン 10g
ライター 11g


合計 191g

衣料系


ウインド・防水シェル
山と道 UL All weather Coat(試作品)191g
ウインド・防水パンツ
山と道 UL All weather Pants(試作品)83g
ダウンジャケット 
Highland Designs Superlight Down Jacket 258g
アクティブインサレーション
山と道 開発品ベスト 65g
靴下 Point 6 60g


合計 657g

生活系その他


ヘッドライト
Petzl ビンディ 35g
エマージェンシー 54g
(痛み止め・バンドエイド・キネティックテープ・細引き・リペアテープ・針と糸)
歯ブラシ 12g
トレイスコップ ペグで代用 0g
ペーパー類 ティッシュx3 29g
バッテリー&USB関連 279g
チェーンスパイク 381g
スタッフパック S 46g


合計 845g

行動着

山と道

TOPS


Merino Pullover
UL Shirts (試作品)
Merino Coach Jacket

BOTTOMS


Merino 5-Pocket Pants
下着 2-tacs メリノ
靴下 パタゴニア Birch White

HATS


Merino Knit Cap
Only Hood

その他


サコッシュ
ポーラテックフリース手袋
フリースミトングローブ

shoes


HOKA SKY KAHA

NOTE

  • テントは冬季用に透湿性に優れたeVentのクフにスノースカートを付けたカスタム品を使っているが、もう少し軽量のテントを探そうと思う。
  • 状況が読めないときによく使う信頼のMSRの頑丈のペグ、でも重い。
  • チェーンスパイクも見直してさらに軽量にしたい
  • バッテリーはもっと小型軽量のもので良かった。
  • あらためてサコッシュは便利。
  • フリースミトングローブがなければ撤退だった。
  • HOKA SKY KAHAは残雪期にアックス登攀が無い山で使用。キックステップが踏めないので、登れる山が限られる。