The light of Yakushima
2021年春夏の屋久島でのフォトシューティング。
2021.05.22

屋久島でのフォトシューティングの模様をお届けします。

今回の撮影では、生命力に溢れた森が大好きで毎年通っていた時期もある屋久島との縁をつなげたいと考えました。山食音の店主の「電気くん」こと東岳志さんがミュージシャンの野外録音を行った関係でつながった屋久島発の雑誌「サウンターマガジン」。鹿児島で開催した山と道HLCでお世話になったお店OWLでは『サウンターマガジン』に寄稿していた写真家の中村力也さんの展覧会があり、僕はこのふたつの縁に繋がりを感じました。そして、現地の撮影ガイドには鎌倉で出会って一緒に飲み、「いつか行きますね」と言ったきりになっていた旅樂さん。

いくつかの縁つながり、結果、素晴らしい出会いが生み出した最高の撮影旅行になりました。

山と道 夏目彰

まだ見ぬ島

文/写真:中村力也

2020年末。山と道の撮影にご縁をいただき、この年2度目となる屋久島を訪れた。

梅雨から夏の時期に訪れた時と違い、この時期の屋久島は穏やかだった。撮影は2チームに分かれて山班、麓班と4日間島を駆け巡った。

夜明け前、麓班を担当した僕らはクルマを走らせ、撮影地となる海岸に腰を下ろした。登りゆく太陽を眺め、少し肌寒い潮風を浴び、おにぎりを頬張り、温かな珈琲を啜った。2020年、家に篭ることが多くなった日々、こうして自然の中で時を過ごすことは愛しい。

幾つもの撮影地を訪れ、ダイナミックな自然の中で個性豊かな面々たちと過ごした。撮影隊のメンバーの中で僕だけが「はじめまして」だったのだが、幸運にもシャッターを切る機会が多くあった。カメラマンにとってその機会が増えれば増えるほど、メンバーとの距離も近づいていく気がした。それは屋久島の美しさも大いに味方していたのであろう。連日地元の方と熱い温泉に浸かり、地元の食材に舌鼓を打ち、4日間はあっという間に過ぎた。

屋久島は懐が深い。高い山も、深い森も、穏やかな川も、静かな海も。身近にアクセスできる入り口がある。過去に数え切れないほど屋久島に通ったという夏目さんが語る。メガネの奥の丸い瞳をキラキラと子供のように輝かせて。

「屋久島を縦走した時に見た『虹の永田岳』は一生忘れられないね。」

またこの足で、山と道の道具を身に付けて、まだ見ぬ島を歩かなくては。

奇妙な航海

写真/文:三田正明

はじめて山と道の撮影を行ったのはいつだったか、もう7年くらい前のことだ。たしか埼玉と東京の境目あたりの山中に真夜中に集合して宴会をし、翌朝二日酔いのまま撮影をしたのだった。

それからも、プライベートで山に行くついでやイベントのついで、山と道のある鎌倉の裏山などで小規模な撮影をちょこちょこと行っていたが、Brown by 2-tacsの本間良二君をスタイリストとして招いたり、アートディレクターの阿部洋介さんにもご同行いただくようになったあたりから、本格的な撮影旅行になってきた。

北海道のように飛行機を使うような場所にもロケに赴くようになったり、コロナ禍では友人の台湾チームに撮影をお願いしたり、遂には今回フォトグラファーに中村力也君を招き、自分との2班体制で屋久島ロケを敢行することになったのだから、思えば遠くまで来たものだ。

ともあれ、基本的にはあの頃とノリはそんなに変わっていない気もする。相変わらずモデルはお馴染みの豊嶋秀樹さんと妻のきよらさんや風間ナオミ君、僕の古い友達の渡邊あいちゃんやテントサウナパーティの藤山誠君など、不思議と縁が繋がっているような友人知人ばかりだし、今回参加してくれた力也君にしても、どこかで縁が繋がった結果だろう。

縁と縁が繋がって、次はいったいどんな縁に導いてくれるのか。人の繋がりや山の道を辿って、この奇妙な航海はまだまだ続いてゆく。

Photographer:
Rikiya Nakamura
Masaaki Mita

Model:
Hideki Toyoshima
Kiyora Toyoshima
Makoto Fujiyama
Ai Watanabe

Art Director: Yosuke Abe

Location Manager: Tabira

Production Manager: Junki Nakamura (Yamatomichi)

Director: Akira Natsume (Yamatomichi)

Special Thanks:
SAUNTER Magazine
Kaori Makino

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