HLC関西 カザマナオミ
with Sunshine Juice
『ボったんとズったん』
9月15日(金)開催

2023.09.01

Sunshine Juiceのコウノリさんのフレッシュジュースの提供と、その果汁を使ったアーティスト・カザマナオミさんのシルクスクリーンのライブプリント、さらに果汁を使ったカザマさんの新たな作品展示*を組み合わせたプログラムを、9月15日(金)に山と道 京都で行います。

山と道の様々なアートワークでもお馴染みのカザマナオミさんと日本でのコールドプレスジュースの先駆者、コウノリさんがその土地で収穫された果物や野菜を搾ってフレッシュジュースを作り、その果汁を使って作品を作る『ボったんとズったん』。今回は、地元京都で収穫された果物や野菜のみを使用して行います。

京都の大地が育んだ味覚や色彩を、ぜひジュースや作品から感じてください。

*作品展示は9月18日(月・祝)まで行っております。

HLC関西 カザマナオミ with Sunshine Juice 『ボったんとズったん』

会場:山と道 京都 (京都府京都市下京区)
開催日:9月15日(金)
開始:15:00
終了:19:00
参加費:無料
内容:

  • カザマナオミさんの作品展示
  • 京都で採れた野菜や果物から搾ったイベント特製のサンシャインジュースのコールドプレスジュースの提供
  • その果汁を使ったシルクスクリーンでのトートバッグへのプリント

※当日はフレッシュジュース(1,000円)、トートバッグ(ライブプリント代込み2,000円)の販売も行います。
※果汁によるシルクスクリーンプリントは洗濯により消えてしまいます。

懇親会

  • 当日にカザマナオミさん、コウノリさんを囲んだ懇親会を予定しています。

会場:山と道 京都 2階
開始:18:00
終了:19:00

ボったんとズったん

カザマナオミ

今年の梅雨の入りの頃、京都にて作品の滞在製作をしていた時に
よく通ったおでん屋さんのお品書き。

そこには

おあげやいたん

青菜たいたん

いかにも京の日常を感じるこの響き!

訳すと
「ただおあげを焼いたやつ」と「ただ青菜を煮ただけ」となります。

そうです!

サンシャインジュースのノリ君は自然の恵みをダイレクトにいただくことをモットーにただ、しボっている
「ボったん」なのです!

そして私、カザマも制作の技法であり主題である柄というコンセプトを省き、無地のスクリーンを使い、インクという液体をただ引きズっている
「ズったん」だったのです!

ただし”ボ“ると
ただその絞りカスを
引き”ズ“るで

ボったんとズったんです。

そんな

ただ
たん

する
自身のそれとの関わりをLessした
自然そのままを表現するということが
今回の主題となります。

展示をする作品に関して言うともう1つありまして、
普段の作品制作ではアクリルやテキスタイルインクを使っております。

その作品達は洗っても落ちないし、今日も明日も一様であり続けます。

なぜそんな不思議が起こるのか?

と、そんな当たり前におもいを馳せると
化学的な物 =人口物=不自然なもの
を使用するからです。

今回は”ただ”しぼりかすを引き“ズる”ので、
その作品はかびたり、日に日に茶色くなったり
一様にとどまることがないでしょう。

どっちが正解とかではなく
あえて普段の当たり前のキレイと思っている
一様な色達に問いを立て
不自然の反対にある
全てが流れ留まる事がない
自然の正体を表したいと思います。

ボらないとズれないので
先ずは自然を飲みにお越しください。

素敵な味で曖昧な色と共に
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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山と道京都
『ボったんとズったん』
開催に寄せて

夏目彰(山と道)

先日、北海道東川で行われた「ボったんとズったん」に足を運びました。正直なところ、自分の予想を超える素晴らしい展示でした。また来場されたお客様の驚く顔を見て、その特別な体験は私だけでなく、多くの人が同じように感じたのだと思いました。

東川周辺で収穫された野菜だけで絞られたSunshine Juiceのコウノリさんのジュースは、まるで東川の大地が宇宙のように広がるような味わいでした。そのジュースを少し残し、寒天に混ぜて、シルクスクリーンでトートバッグに刷ります。その透明に近い微かな色は、野菜の色そのものなのです。

いつかは消えてしまうかもしれないその色は、その日の経験と共に混ざり合い、トートバッグを見るたびに、その日の思い出を鮮明に僕に蘇らせてくれるのです。

そのイベントはその場所でしか成立しないものでしたが、同様に、今回の京都の「ボったんとズったん」もそこで収穫される野菜と果物だけが作りだす特別な体験となることでしょう。

また、カザマナオミさん(僕はナオミくんと呼んでいます)は科学的に作られた塗料の代わりに、野菜や果物のジュースや残り滓をインクとして使って作品を制作しました。その作品もまた日々変化し、最終的には消えてしまうかもしれない。

ナオミくんは一連の作品を、「Inaction」、「無為自然」という言葉で表現しています。「自然の流れに従う」「作為を捨て、無意識のままに行動する」という意味です。

ナオミくんは、これまで描くときに使っていた科学的なインクは、いつまでも残り続けて、同じ色をいつまでも再現することができる、自然ではなく「不自然」な存在であると言います。

インクの代わりに野菜や果物を自然のインクとして使用することで、色合いの持続性や再現性ではなく、変化する美しさを作品に込めています。

ローカルの美味しい野菜や果物を食べ、その残りで作品を作り出していくその流れの繋がりを作品と考え、全てを楽しんでいるように感じます。

作品を無意識に捉え、その瞬間の自然を表現するナオミくんは、自身のアートを進化させ、今回の作品たちに昇華させました。

刻一刻と変化していく色や絵は自然そのものと同じであり、私たち自身も日々変化していきます。同じ存在であり続けることはできないという事実と、その時にしか感じられない美しさ、その時間の大切さを、その作品たちは優しく僕たちに語りかけているように感じます。

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写真右:コウノリ(Sunshine Juice)
写真左:カザマナオミ 

コウノリ(Sunshine Juice)

日本初のコールドプレスジュース専門店Sunshine Juice代表。日本各地の生産者と繋がり、よりパワフルに自然の力を感じられるジュースを作るために日々奔走。日々のランニングが大切で、昨年はローフードとジュースのエネルギーのみで100マイルトレイルを完走。また昨今はカザマナオミ氏と共に「ズッたんとボッたん」としても活動。

また、2023年9月1日より京都の川端どんぐり東入るにある『Donguri House by TORIBA』にてサンシャインジュースの期間限定ポップアップショップがオープン。期間中は様々なイベントも開催予定なので、詳細に関してはインスタグラム @sunshinejuicekyoto をチェックしてください。

カザマナオミ

アーティスト 鎌倉生まれ

もし伝わるのならアーティストといった抽象的な言葉より色を引き摺る者といった方が具体的であるように想える。
俗に言う、何か1つ手放すと何かが生まれるという事ならばシルクスクリーンプリントの図柄を無くす既存の概念が不要である事に気付いた時インクの色自体が作品の主題にとって変わりそれが起こった気がする。
以来、具体的に何かを表す事よりも、自身の関わりを極力少なくし ただ環境を設定する者に徹し、様子が現れることを楽しんでいる。

以下はそこに至るまでの経緯である。
1998年、カリフォルニア州、サンディエゴにてストリートアートの先駆者OBEY、シェパード・フェアリーとの出会いから シルクスクリーンプリントを学ぶ。

彼のアートを通じて社会へアプローチをする方法に興味を抱き製作を始める。

帰国後、ストリートにてスクリーンプリントポスターを貼り、作家活動が始まる。

同時期に東京、中目黒にて”大図実験”を友人とオープンさせる。 ギャラリーでは海外からアーティストを招聘し、ギャラリーに集うアーティスト達と交流を促進。 また国内外のアーティストへ製作、展示場を提供。 偏った文化交流発展の場となり、ストリートの延長上の表現となる。(当時の様子を収めたVon Azain! / 2005 や、そこに集った作家達の今の作品とインタヴューを収めたDYZ / 2012 Bueno Booksの本がある。)

NYと東京ベースに活動するアーティストペインティングコラボレイティブのバーンストーマーズへの参加。様々な手法や視点を学ぶ。

路上でのライブスクリーンプリント活動、BIG O projectにてオーガニックコットンの認知度向上や古着などのアップサイクルを促すプロジェクトを2010年よりパタゴニアや山と道、全国各地で開催されるイベントなどで行う。

近年は、具発的に起こるハプニングの重要性に気づき、図柄のない無地のブランクシルクスクリーンプリントを使用した表現に重きを置くようになる。

それは言葉の様に伝えるという事を意図する図柄という思考を介したコンセプトはストレートではあるが、言葉では言い表す事が出来ない事もあるが故に人間は表現をするのだと想う処を現す事に繋がる。

ブランクシルクスクリーンは、液体であるインクに「自由な態度」をとることを可能にし、そこから生まれる色彩構成と、有機的なグラフィックとの合成による抽象的な表現に重要な役割を果たしている。

こうして非作為的な方法によって立ち現れる形象は、カザマ自身が圧倒されるのと同時に魅了される自然と生物の営みを映し出しているかの様である。

意図せずに成り立つ全ての存在がおもしろく、それはまるですぐに波にかき消されるであろう砂浜に残された足跡のように美しい。

以降、カザマナオミの創り出すアートはブランクシルクスクリーンによる様々な色彩の表情を作品とするようになるが、それはあくまでも表面的な話であり、そこから発せられるメッセージは、枠という作為を取外し、森羅万象のように自ずから然るということである。

日々のアシュタンガヨガ、波乗り、そして冬にはスノーボードを通じ、無為自然の理解と共に制作活動を行い、それらを全国各地にて発表をしている。
experimentalwaltz.net

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