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Pertex® Quantum Air の C0 DWR への移行と通気度の個体差の発生について

山と道では、環境への影響を考慮し、2025年秋冬シーズンより下記のアクティブインサレーション製品の表地に使用しているパーテックス・カンタムエア の撥水加工を C6 DWR から C0 DWR へ移行しました。

対象製品

  • Light Alpha Vest/Jacket
  • Alpha Anorak
  • Light Alpha Only Hood

C0 DWRへの移行の理由と通気度検証

これまでの撥水加工 C6 DWR には有機フッ素化合物(PFAS)が微量ながら含まれており、自然環境の中で分解されにくく、土壌などに長期間残留することが環境上懸念されていますが、C0 DWRはPFASが使用されておらず、環境負荷が少ないことが特徴です。一方で、C6 DWR に比べて生地内部に浸透しやすく、その結果、通気度や風抜けの感触にばらつきが生じることがわかりました。

試作段階では十分な通気性を確認していましたが、量産段階で色ごとに通気度を測定したところ、生地のカラーによって通気度に差があることを確認しました。

この検査によって、今回のC0 DWR加工を施したパーテックス・カンタムエアを使用した製品は、通気の感触に個体差があることが明らかになりました。

通気度の社内基準の設定と対応

これを受け、初代Alpha Anorakに使用していたパーテックス・カンタムエアの通気度が33cc/㎠・sだったことから、通気と保温のバランスが優れている通気度の社内基準を33cc/㎠・s以上と定めました。この基準を下回る生地を使用した製品については通常製品とは区別し、20%OFFのスペシャルオファーとして販売することとしました。

ただ、基準を下回る生地についても通気度は平均26.5cc/㎠・sほどあり、一般的には高通気と呼べる数値です。また、「通気性が低い=保温性が高い」とも言えます。

この取り組みを通じて、素材特性の違いをより深く理解し、検査体制と基準の見直しにもつながりました。

今後の課題

C0 DWR は環境負荷の少ない選択肢である一方で、今回の検証で量産段階における通気度の安定性に課題があることがわかりました。

そのため、2026年以降の生地については、C0 DWRを継続するか、C6 DWRに戻すかを含めて再検討しています。

私たちは理想とする製品の品質を最優先に、今後も素材選定を進めていきます。

山と道の取り組み

今回のC0 DWRへの移行では、理想だけでなく、実際の結果を確かめることに重きを置きました。

一つひとつの検証を通して、何が快適で、どこに課題があるのかを具体的に見極め、その積み重ねから製品をより良くしていくことを大切にしています。

これからも素材と真摯に向き合い、ハイカーがより自然に歩けるための「最高の道具」を探求していきます。