0123456789 ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ abcdefghijklmnopqrstuvwxyz あいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわをん アイウエオカキクケコサシスセソタチツテトナニヌネノハヒフヘホマミムメモヤユヨラリルレロワヲン
0123456789 ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ abcdefghijklmnopqrstuvwxyz あいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわをん アイウエオカキクケコサシスセソタチツテトナニヌネノハヒフヘホマミムメモヤユヨラリルレロワヲン
山女雑談

#3 生理編

山女同士でシェアしたい、山男にも知ってほしい。いちばん話しにくいけど話したかったこと
取材/文:日野藍
写真:大竹ヒカル 日野藍
2025.09.09
山女雑談

#3 生理編

山女同士でシェアしたい、山男にも知ってほしい。いちばん話しにくいけど話したかったこと
取材/文:日野藍
写真:大竹ヒカル 日野藍
2025.09.09

ULハイカー向けの情報はいっぱいあるけど、女性ならではのことに特化した情報ってまだまだ少ない。ジェンダーは平等であってほしいけど、体のつくりは男女や個々人で違うから、仲間の事情を想像できないこともある。山の予定と生理がかぶることもあるし、汗をかいて数日つけてても不快にならない下着を選びたい。

女子特有の話題もタブーにせずに、みんなでシェアしてもっとすこやかにハイキングしたい! ということで、軽量化と自分らしいハイキングの両立をみんなで模索できるよう、メイクやアンダーウェア、生理に体調管理のことまで、山と道HLCの日野藍が、鎌倉、京都で実際に店頭に立ちながらULハイキングを楽しんでいるスタッフとガールズトークで盛り上がりました。

連載第3回目の『山女雑談』は、満を持しての? 生理編! 女性は約40年間、妊娠期間を除けばほぼ毎月付き合うものなのに、生理は令和の今も、女性同士でもまだまだデリケートなテーマという印象。また、男性は、「うかつに話せないな」と距離を置きたくなりがちな話題では。でもそろそろ、もっと双方のハッピーに近づきたいという思いで、山女たちの生理との付き合い方や、山男へのリクエストなどを聞いてみました!

今回の雑談メンバー

山と道京都 永井絢菜 旅が好きで、これまでにジョン・ミューア・トレイル(アメリカ)やパタゴニアトレッキング(チリ)、2024年はフランスのモンブランとスイスのマッターホルンを繋ぐウォーカーズ・オートルートを14日間歩く。マラソンやトレイルランニング、ヨガ、ゆるい菜食も実践中。メイクがいつもかわいいので、山ではどうやってるのかが気になる。通称あやなん。

山と道京都 庄司真弓 生粋の京都っ子で、20代でニュージーランドを旅し、カフェスタッフを経て山と道京都の前身となる山食音のスタッフに。普段は関西や日本アルプスを中心にハイキング、冬は2ヶ月間北海道でスノーボードを、日常ではヨガを行う。2024年の春はニュージーランドを9日間歩いた。トレードマークのブロンドヘア歴はもう10年以上。リカバリーに重点をおいたケア方法やプロダクトに詳しい。通称しょうちゃん。

山と道鎌倉 角田裕子 北アルプスの山小屋や登山用品店に勤めたのちに山と道へ。前職の経験もあり、さまざまなブランドの製品を自分で試しており、この座談会でもそのリアルな知識が活きる。メイクやスキンケアは極力ミニマムにしつつ、素材の心地よさや機能にこだわったギア選びをしている。通称つのちゃん。

山と道HLCスタッフ 日野藍 フリーランスの編集者・デザイナー、四国のアウトドア雑誌『YON』編集長。地元石鎚山での山道祭をきっかけにHLCのスタッフになり、現在はHLCの情報発信やJOURNALを担当し、今回は座談会の進行役。愛媛と京都の2拠点生活をしながら暮らしや旅のUL化を進めているところ。

わたしと生理と生理用品

――山女のみんなが生理とどんなふうに付き合ってるか聞く前に、みんなの生理について教えてもらえるかな? 例えば標準では28日とされている周期はどうか、生理痛があるか、月経前症候群(PMS)っていわれるイライラや落ち込み、お腹の痛みやむくみなど心身の不調があるかどうかとか。きっとみんな違うよね。

庄司 私は40代なので、周期はかなり不定期になってきてます。やからいつ生理が来るかわからない不安はあるけど、(経血の)量も減って軽くなってて、生理用ナプキンの持ち方は変わりましたね。昔は「夜用」や「多い日の昼用」の大きいナプキンをどっさり持ち歩いてたけど、今は日焼け止めなどを入れる小さいポーチに一緒に入れてるくらい。

――今は、生理と山の予定がかぶっても、気にせず行ってる?

庄司 せやね。かさばらないナプキンを持って行きます。普段使ってるのは、花王ロリエの「しあわせ素肌 超スリム」っていうの。薄くて、お肌にも優しいねん。

花王 「ロリエ しあわせ素肌 超スリム 軽い日用17cm 羽つき 32個

低刺激な肌触りのワッフル状のシートが使われ、肌に接する面を最小限にする工夫がなされているため不快感が少ないそう。また、100%通気素材だからムレにくい。庄司は羽なしと羽つきを使い分けている。

永井 (実物を手にとって)これ、めっちゃぺちゃんこでいいですね。

庄司 生理が軽くなって、ナプキン交換の頻度も下がったから、その分肌への負担が少ない方がいいなって思って。

――多い時期って、2〜3時間で交換しないといけなかったりするよね。ずっと直接デリケートゾーンに触れるものやから、刺激やムレ感は少ないに越したことはないね。

角田 しょうちゃん、すごいわかる〜と思って聞いてました(笑)。私も更年期に片足を突っ込み始めてるので、以前、周期はぴったり28日だったけどだんだん短くなって今は24〜26日くらい。量も減ってきてて、昔みたいに「多い昼用」みたいな、30cm近い分厚いナプキンは必要ないですね。今はお肌に優しい「ソフィ はだおもいのオーガニック100%」の21cmをメインで使ってるのと、あとこれ。「ソフィ シンクロフィット」。

ユニチャーム「ソフィ はだおもい オーガニックコットン 多い昼~ふつうの日用 羽つき 21cm

一般的な使い捨てナプキンの表面材はポリエチレンやポリエステルなどのプラスチック素材だが、こちらはデリケートゾーンが触れる面の上層に100%オーガニックコットンが使用されている。吸水のために使われることの多いポリマー(高分子吸収材)も不使用で、肌トラブルに対する配慮がされている感じ。

ソフィ「シンクロフィット

体とナプキンの間の隙間からの経血モレに対処すべく、その隙間を埋め、抵抗感なく使える商品として開発された。発売開始は2005年だが、ここ5年くらいで認知と理解が広がり、支持が増えているそう。

庄司・永井 シンクロフィットって?

――わあ、全然知らんかった。つのちゃん、どういうもの?

角田 タンポンが嫌な人っているでしょ? ナプキンにプラスしてデリケートゾーンで挟むもので、経血を直で受け止めてくれる感じ。めっちゃよくて、マジで本当、若い時に欲しかったって思ったの。ちょっとここでリアルな装着の動きをするのは難しいけど(笑)。

――(メーカーサイトを見て)あ、デリケートゾーンに挟んで、出口までお迎えして吸収する感じなんや。パッケージもわかりやすいね。

庄司 初めて知りました! 新しいですね。

永井 シンクロフィットってそういう意味やったんやー。

角田 立ち上がった時とかにドバッと出る不快感や、モレたかもって心配がかなり減ります。大きさもちっちゃいし、トイレに流せるの。かなり吸収してくれるから、ナプキンと一緒に使って、1回目はこれを捨てるだけ、2回目は装着してたナプキンを捨てる、みたいな感じにするとゴミの量がめっちゃ減った。

庄司 山に行く時は嬉しいね。

――ナプキンやタンポンって、使った後も持ち運ばなあかんもんね。

角田 そうそう、もちろん山の中だと持ち帰るけど、その量も持っていく量もコンパクトになったかな。私がこの商品を知ったのは去年だけど、もっと前からあったみたい。

庄司 早く知りたかったね。なんか…色々解決してくれて、平和になりそうな商品ですね(笑)。

取材は今回も鎌倉と京都でzoomを繋ぎ、男性代表で山と道JOURNAL編集長三田の同席のもと、日野が進行役を務めました。

――多くの山女のためになるといいですね。では、20代のあやなんは?

永井 まず生理用品は基本、羽つきのナプキン派で、生理と山がドンピシャで当たっちゃう時は、もう夜用とか大きいのをつけて何時間も行動してますね。

庄司 ムンムンにムレへん? 

永井 ムレはあるかもですね。羽が股ずれして痛くなって嫌になったこともありますし。ただ、小さいサイズのナプキンだと、汗もたくさん吸水した場合、重くなって剥がれ落ちひんかなって…、まだ私も最適解は見つかってないけど、基本はしょうちゃんが言ってたような昼用の薄いのと、夜用レベルの大きいのを1〜2個を持っていきます。定番の花王ロリエのスリムガードとか。

花王「ロリエ・スリムガード

普通のナプキンの約2分の1の厚みで 「超うすなのに瞬間吸収」を実現。昼用/夜用/羽つき/羽なしなど多くのラインナップがある。

――海外とか、長い山行のときはどうしてる?

永井 ロングトレイルと生理が重なる時は、それこそ1週間分のナプキン持っていかなあかんから、かなりのスペース取るんですよね。ギアリストにも写真にも載せへんけど、実はすごいかさばってて。海外に行く時も、日本のナプキンのクオリティがいいから、現地調達せず全部持っていきたいし(笑)。

角田 羽問題ね。私も、普段よく使うボクサーショーツにはうまく貼れないから、アンダーウェア編のときに話したサニタリーショーツと使い分けてます。

――いやぁすでにおすすめたくさん聞けて嬉しいな。ちなみに私は、月経カップを7年くらい愛用してるんですよね。

月経カップ

医療用シリコーン100%を使用し、長時間(最長12時間)つけっぱなしでもOK。日野が愛用中なのは大容量にも対応し、世界の月経カップ売上トップレベルという「スーパージェニー」だが、今年から日本での販売は一時休止中。現在は様々なメーカーの月経カップの選択肢が増えている。

角田 お、どうですか?

――もともと経血の量が多くてナプキン交換の回数やモレのリスクを減らしたかったのがきっかけで使い始めたんよね。シリコンのカップを入れっぱなしにして、時々出して、たまった経血をトイレに捨てるって使い方。頻繁に替えなくていいし、ゴミも出ずエコだし、私は生理が快適になりました。体に入れることや、衛生的に抵抗がある人もいるとは思うけど、海外ではポピュラーらしいし、慣れれば楽やし、合いそうな人はトライしてみたらいいかも。

角田 何時間入れっぱなしでいいの?

――マックス12時間とか。万が一カップからモレても、薄いナプキンやおりものシートを敷いておけば十分対処できますね。

永井 めっちゃいいですね。

角田 使い捨てのカップもあるよね。ちょっと気になってて。何日も山に入るときの衛生状態はやっぱり心配なんだけど、お手入れは藍さんどうしてる?

――山で何日も使ったことはないんですが、そういう時はアルコールの入ってないウェットティッシュで拭く、浄水で流す、できるときは低刺激の石けんで洗うっていうのが推奨されてます。生理の前後には煮沸消毒してる。

角田 なるほどー。使い捨てのやつから試してみようかな。

永井 私、ショーツに関してはどうしてもモレが心配で、汚したくなくてメリノウール素材のショーツとか敬遠しちゃいますね。今は山での動きに対応していない普通のサニタリーショーツしか使ってません。パンツの色も黒っぽいのしか履けなかったり。

庄司 サニタリーショーツは、モレを防ぐためのあのシャリっとした化繊で私はムレちゃうから、天然の素材のインナーやパンツを使いたい気分ですね。あやなん、もし汚れちゃったら専用の洗剤でばっちり落ちるで。

永井 そっか、洗剤はそういうの使ってみます。ショーツは何かええのないんかなぁ。

気になる吸水ショーツ、正直レビュー

角田 そういえば、この前吸水ショーツデビューしたよ。スタッフの水杉さんにいいよって教えてもらって。

永井 わっ、どうでした⁉︎ 気になってるんです!

――最近すごくよく見るよね。ショーツ自体が吸水してくれて、ほんとにナプキンとかいらないの?

角田 そうだね、ミレーの吸水ショーツを2泊3日の北アルプス山行で使ってきたんだけど、山2日目から生理が始まって、いい実験になりました(笑)。結論から言うと、結構調子よかったから、また使いたい!

ミレー「ドライナミック メッシュ アブソーベント ショーツ

素材は、ドライナミック メッシュ ポリプロピレン66% ナイロン28% ポリウレタン6%。メッシュが肌に密着することでかいた汗を素早く吸い上げるドライナミックメッシュ素材をベースに、高い吸水力と漏れを防いで持続する心地よさを備えた、アウトドア向け吸水ショーツ。

30mlの吸水量。漏れを防いで心地よい肌触りを持続する抗菌防臭加工を施した、4層構造の吸水面が不快感を軽減する。

――まじかぁ。バッチリ吸ってくれたんや?

角田 言った通り私は経血量は少なめだけど、その時、すごく暑くてずっと滝汗だったんです。ショーツはそんな汗も経血もしっかり吸ってくれるのに、お肌に当たる面は基本サラッとしてて、びっくりした。吸水が早いからか横漏れの心配もなかったし、何より「ナプキンがずれる心配がないってことが、こんなにもストレスがないのか…」って感動しました。

永井 めちゃいいですね。生理になりそうでこなかった時に、保険でつけてたナプキン捨てなあかんのはもったいないし。気になった点とかはあります?

庄司 化繊やんね、肌触りや履き心地も気になるなー。

角田 お股のところの4層の吸水部分の外側が、逆に汗を保水しちゃったっぽくて、履いてたLight 5-Pocket Shortsまでしばらく濡れた状態が続いてたんですよね。夜には乾いたけど。あと、3日目の終わりには少し経血の匂いが気になりました。だから、生理になりそうな時や、生理後半の量が少ない時の1泊程度の山行ならありだと思う!

――リアルなレビューありがとう〜。

永井 使用後のナプキンを持ち運ばなくていいのもいいですよね。

庄司 個人的にはウールやシルクの天然素材が好きだけど、「試してみなきゃわからない」って思ってほんと色々試してみてるから、こちらも気になりました!

薬やサプリの力も借りて

――生理痛やPMSとかはどう?

永井 お腹が痛くなる生理痛は、始まる前日と1日目は少しあるんで、痛み止めは携帯してますね。市販のロキソニン。

角田 私も絶対持っていきます。

庄司 私も、いつ来てもいいように。頭痛とか生理以外にも使えるしね。3日分で3錠とか、カットして持っていくよ。

第一三共ヘルスケア「ロキソニン

速効性とすぐれた効き目が特徴の解熱鎮痛薬。医療用としての「ロキソニン錠」は1986年に発売され、市販薬(スイッチOTC医薬品)「ロキソニンS」は2011年の発売。生理痛に特化した「ロキソニンSプレミアムファイン」を愛用する女性も。

――おお、ロキソニンはみんなの必需品だ。1錠でしょうちゃんはどれくらい効く?

庄司 私の生理痛の具合やったら、まる1日くらいいけるかな。

永井 私は、お腹が痛いと普段通りの感じではなくなっちゃって、歩くのがすごくしんどくなるから、お薬も多い時は1日2回飲む時もありますね。めっちゃ歩く日に当たると、めっちゃ嫌です(笑)。特に誰かと一緒の時は。

――つのちゃんは、お腹痛くなったりとかはありますか?

角田 昔は本当に不摂生な生活をしてたから、おなかの痛みがひどかったんだよね。もう、1回で2錠、ロキソニン飲まなきゃ動けないほど。いまは腹痛はすっかり良くなって、普段、ほとんど痛み止めは必要ない状況です。たまに1日目に1錠とか。ただ、年を重ねて腰痛のほうがひどくなって、腰がすごく重くなる時があって。「ゲゲゲの鬼太郎」の子泣き爺が私の腰に捕まって、ズルズル引きずってるみたいな(笑)。

庄司 あ〜、つらいっすよねぇ…。

角田 去年、山と道鎌倉のスタッフで南アルプスに行った時に、その状態になってしまったんです。まー全然足が前に出ない。あの時は一番ひどかった。生理の1日目にそうなることが最近増えました。生理の量はかなり減ったものの、腰のこともあるから、やっぱりその日に山が当たっちゃうと結構辛い。

永井 うんうんうん、そのつらさ、私も似たような感じです。

――痛みも、その程度も、必要なお薬の量もそれぞれやね。私は生理のスケジュール管理と、経血の軽減のために低容量ピルをかれこれ5年くらい使ってます。

あすか製薬「ドロエチ配合錠

1シート28日分で、1日決まった時間に1錠飲むもの。ホルモンの変動を安定させる効果があり、排卵を抑える、生理痛や経血量を少なくする、PMSをやわらげるといった効果がある。産婦人科の医師の処方が必要。また、まれに血栓症のリスクがあり水分摂取を十分にする必要がある。(メーカーサイトより引用、編集)

庄司 私使ったことないんやけど、来うへんくなったり、ずらせたりするってこと?

――そうやね。私ほんと生理がめんどくさいって思ってて。ピルも色々あるけど、このお薬の場合は、ピンクの錠剤が有効成分の女性ホルモンを含んでて、それを飲んでたら生理は来ない感じ。ずっと飲んでると生理は来ないけど、メンテナンスのための休薬期間が定期的にあって、この白い、有効成分が入ってない「偽薬」の期間は実質服薬してないことになって、その期間に生理が来る仕組み。だからいつ生理が来るかは自分ではわかってる状態。

永井 いいですよね。生理不順の人が周期を整えるために使ったり、休薬期間も医師に相談してずらせるケースがあるっていうのも聞いたことあります。

――私は飲み忘れると翌日に生理が始まっちゃうことが多いから、必携品です。避妊のためってイメージが強いけど、「ピル=生理周期の安定や生理のトラブルの改善に効果がある」っていうのはもっと知られていいと思ってるよ。

角田 薬じゃないけど、サプリではマルチミネラルを持って行ってます。生理で不足する鉄分や、疲労回復のための亜鉛などが入ってる。一時期、ちょっとめまいとか、貧血っぽい感じがあったので。ソロの時とかもリスクを減らすために。

DHC「マルチミネラル

不足しがちで、身体機能の維持や調節に欠かせないミネラルを補える。ドラッグストアで気軽に買えるのもポイント。

――不安要素は極力潰したいよね。

庄司 私は、悩みとまではいかへんけど、気分転換やリラックス用に、こういう香りのスプレーは持って行ってますね。生理やとちょっと気分が落ち込む時あったりするやん? これはKYOTO HIKER’S GEAR PARTYという出店イベントで、友達がいたブースで買ったアロマミストです。

nifu「天然精油アロマミスト meditation

「温もりと発酵」に着目したビューティ&ヘルスケアブランドで、ヒノキの自然発酵熱のみを利用する温浴サロンが原点とのこと。奈良吉野のヒノキの精油に加え「meditation」にはユーカリ、パチュリなどが使われている。

庄司 ちっちゃいし、めっちゃいい匂いで、テントの中でシュッとするといい感じ。汗の匂い対策にもなるし。以前、『山と道スタッフの推し道具』で紹介した紙のお香か、こちらを使います。

――欲しいー。しょうちゃんが紹介してくれるケアグッズ、いつもいい感じなんよな。では他に、生理にまつわる困りごととかある? 小さいことでも。

角田 温泉の湯船には入れない! は、あるあるだよね。

庄司 「こういうときこそ温まりたいのにな」ってちょっと悔しかったり(笑)。

永井 シャワーだけにしてても、浴場から出た後も経血にずっと気を遣いますしね。山のあとは温泉って鉄板コースの時が多いですけど。

――切ない気持ちもあるよね。生理中はデリケートだから感染症リスクもあるといわれるし、衛生やマナー面もわかってはいるけど、お湯つかりたいよねー。

生理でしんどいときがあるって当たり前に知っててくれたら

――どこまで記事にできるかわからないくらい(笑)、生理事情をぶっちゃけてきたけど、ここで「男性陣に伝えたいこと」って改めてあるかな?

角田 どうしたって生理は女子だけの問題になりがちなので、「優しくしてくれ」とは言わないけど「今のこの状況を察してほしい」とは思ったりするよね。だから、自分は最近は照れずに、「お腹痛いからトイレ行ってきます」レベルの当たり前の感覚で、山でも職場でも「今日生理で」って話すようにしてます。若い子だと言いづらいことだからこそ、「女子特有のもの」って特別隠さず。

永井 大事やな…。私はなかなか「今日生理でお腹痛いからガンガン行けないです」「正直今日は100%じゃないねんな、私」とか、思ってても言いづらい時はありました。

角田 言いづらいよね。私もあやなんの年(20代後半)ぐらいの頃は言えなかったと思う。

永井 去年京都店のスタッフ全員でアルプスに行った時、私はちょうど生理がしんどいタイミングやったんですが、お腹痛くて、いつもより全然ゆっくりしか歩かれへんくて。もうひとりの女性スタッフのしょうちゃんにだけ伝えてました。

――いつも元気なあやなんも、そんなにパフォーマンスが変わっちゃうんやね。

永井 その日は「男性スタッフには言えへんな」みたいな思いはあったけど、これからは「全然言っていいよ」って雰囲気だけでもあればめっちゃ嬉しいですね。言って気まずくなると、こちらも後悔しちゃうし。だから「今日大丈夫ー?」とか聞いてくれるのも嬉しい。「今日、私生理なんですよ」って言ったら、「あ、そうなんや。ほな休んどきー」「ゆっくり来たらいいよー」と返ってくるようなやりとりが、当たり前にできる職場や関係性やったらいいなと思います。

庄司 誰かに状況をわかってもらうだけで、気持ちが違うよね。

山と道京都のあやなん(左)としょうちゃん(右)。これまで話せなかった体験や思いを聞いてもらえるだけで、不思議な癒しがありました。聞いていた男性スタッフは少し居心地が悪そうだったかも? ですが、それだけまだまだ互いを知る余白があるということ。

角田 私も、大人数の前で「生理です!」とはさすがに宣言できないけど、山と道鎌倉には、遠慮せず話せる空気がありますね。店長の前原が元々医療従事者だったし、そんな話題も気にしなさそうって思って、私があけっぴろげに話してみたら普通に返してくれたのが最初かな? 私が生理痛で毎週土曜日に山と道鎌倉でやってる「サタデーハイカーズラン」をお休みした時も、「どうしたんすか」って聞いてくれた男性スタッフがいて。「生理で腰が痛いんだよ」って言うと、「あぁ、ゆっくりしてください」って送り出してくれたの。女性にはそういう時があることを当たり前に知っててほしいなって思いと、相手は嫌かもしれないから逆セクハラみたいにならないといいなって思いの両方ありつつ。

庄司 私も男友達には「今日あの日で」とかって気にせず言ってるなぁ。周りの男子は結構優しくて、反応を気にせずとりあえず言うことができてる。

――いいですね。誰にも言えなくて、辛い思いを抱えたまま下山した…みたいなことがなくなるといいなぁ。そう思ったら、「いま生理です」っていうことも体調のひとつとして「風邪気味」「お腹の調子悪い」とかと同じような扱いでいいかもね?

庄司 せやね、男女関係なく、お互いの体調を分かりあうって、すごい大事。

角田 「生理です」って言われた人も、病人を気遣うほどのケアはしなくてよくて、「無理しないで」「辛かったら言ってね」とか言ってくれるだけで十分だよね。しんどいって伝えて「そっか、大変だよね」ってわかってくれるだけでも安心する。

――とはいえどう接したらいいかわかんない方のためにあえて例えると、集合のときに「今日みんな体調大丈夫?」って聞いて把握するくらいでOKで、休憩ごとに「大丈夫?」と聞くのはちょっとやりすぎ、くらいの塩梅でしょうか。

庄司 正解はないけど、この場ではそうかもね。逆に「生理やからイライラしてるんやろ?」っていうデリカシーなく茶化す感じはNGですよね(笑)。

全員 それはダメ〜!(笑)

――病気じゃないけど調子はよくないって状態やし、和まそうと言ってくれてたとしても逆効果か。

永井 あっさり終わるくらいでいいですよね。「トイレ大丈夫?」って声かけも嬉しいです。ナプキンの交換のためにトイレの回数も増やさざるをえないから、「またトイレ休憩? めっちゃ行ってんな」じゃなく「今日は仕方ない日やもんな」と捉えてもらえたらお互い優しくいられるかもしれません。

庄司 トイレ事情自体も違いますよね。男子は近くで済ませられるかもしれないけど、女子は遠くまで行かなあかんことが多い、とか。お手洗いの場所は、私はいつも事前に地図でチェックします。HLC関西の2泊3日のプログラムに参加した時、アンバサダーの中川さんが気遣ってくれて嬉しかったですね。

角田 それで言うと、むやみに用を足さなくていいように、水の飲み方もめっちゃ考えますね。

永井 これまで生理とか女性ならではのことが原因でかけられた言葉で、はっきりと嫌な思いをしたことはないけど、今まで辛いと言えずに耐えてたことも結構あったなって気づきました。これからは私からも言っていきたいです。話しづらいことやったけど、「女性は絶対にそれと付き合っていかないといけない」っていうのが共通理解になればいいですよね。

――ほんまにそうやね。私たちも、こういう場を持って、みんなで話して気づくことが多かったね。特にここに集まってる女子たちは、日本中のハイカーでもかなりオープンに話してくれてるタイプだと思いますが(笑)、引き続き深めていきたいな。この連載のテーマでもある男女相互理解に向けてまだまだできることがあると思うので、『山女雑談』として、メンバーやテーマなんかを変えながら続けていきたいです。その時はまた声かけてもいい?

全員 もちろん!

日野藍

日野藍

山と道HLC情報発信担当/フリーランス編集者・デザイナー。 愛媛県在住。高校時代の部活は応援団。田舎を出たくて関西に進学し、デザイン会社のディレクターとして東京や大阪で働く。2014年にUターン後は地元西条市の広報担当を7年務め、まちの魅力を知るために登った石鎚山をきっかけに山にハマる。地域と人に興味があり、2023年の山道祭では地元コーディネーターとして協力。同年四国のアウトドアがテーマの雑誌『YON』を創刊。好きな人たちをクリエイティブで応援しながら、四国を軸足とした様々なエリアでの体験を仕事や暮らしに取り込んで日々を楽しんでいる。