山と道 JOURNALSのはじまり

2017.09.23

オフィシャルサイトのリニューアルに伴い、方法論や道具やトレイルの情報、歴史や文化など、ハイキングにまつわる全般を取り扱うWEBメディア「山と道JOURNALS」をはじめます。

これは山と道が創業当時からずっと温めてきたアイデアであり、単にメーカーとしての広報的なメディア活動に留まらず、山道具の製造・販売と並ぶ、山と道のもうひとつの柱に育てていく計画です。

これから多くの方のお力添えを頂きながら成長させていきたいと考えていますが、ひとまず編集を務めるライター/フォトグラファーの三田正明と山と道の夏目彰から、所信のご挨拶をさせていただきます。

『山と道JOURNALS』のはじまり/三田正明

山と道の夏目さんと出会ったのは、たぶん2012年のことだ。

山と道の創業1年に満たない頃で、まだすべての業務をご夫婦でそこで行っていた鎌倉のご自宅に押しかけて、インタビューをさせてもらったのだった。

2時間以上お話を伺い、晩ごはんをご馳走になり、一緒にスコッチを飲んで、帰ったのは終電ギリギリだった。

突然、話は変わるけれど、その頃からいまに至るまで、僕はハイキングに、いや「歩くこと」そのものに、ただのアクティビティを超えた、ある種の宗教的な敬虔さを感じてきた。歩くことは人間にとって単なる移動の手段ではなく、もっとその存在の根幹に密接に関わる何かであると思っている。

そしてトレイルを歩くといことは、単に目の前の道を踏み進むというだけでなく、僕と同じように「歩くこと」にインスパイアされてきた、幾多の先人たちが歩いた道を自分も歩くことだと考えている。少なくとも、そう思いたい。

インタビューが盛り上がり、思わず僕がそんな誇大妄想を口にしたとき、意外なことに、夏目さんは頷いてくれた(そんな話に頷いてくれたのは、これまでに夏目さんとハイカーズデポの土屋智哉さんくらいのものだ)。

それから何度となく取材をさせてもらい、一緒に山に登り、酒を酌み交わし、語らってきた。この『山と道JOURNALS』は、そんななかで少しづつ、本当に少しづつ、姿を現してきたものだ。

……いや、姿はまだ現していない。一応、コンセプトらしきものはあるし、これから少しづつお見せしていくことになるだろうけれど、正直、実際に動き始めてみないとわからないし、現実問題として、最初の数ヶ月は助走期間にしかできないだろう。すべてはこれからだ。

とにかく、夏目さんはどう思っているかはわからないけれど、少なくとも僕にとっては、さっき述べた誇大妄想を、僕と同じようにトレイルを歩きながら感じる人が、この『山と道JOURNALS』を通じて、ひとりでも増えてくれたらいいなと思っている。

先人たちが繋いできたバトンを、僕たちも誰かに渡せたら、こんなに嬉しいことはない。

『山と道JOURNALS』を、どうぞよろしくお願いいたします。

三田正明

山と道では『山と道JOURNALS』とオンラインショップの編集・執筆・撮影を担当。
フリーランスのライター/フォトグラファー。

フォトグラファーとしてカルチャー誌や音楽誌で活動する傍、旅に傾倒。
多くの国を放浪するなかで自然の雄大さに惹かれ、自然と触れ合う方法として山に登り始める。
気がつけばアウトドア誌で仕事をするようになり、ライター仕事も増え、現在では本業がわからない状態に。
アウトドア・ライターとしてはULハイキングをライフワークとして追い続けている。
取材活動のなかで出会った山と道・夏目彰と何度も山に行ったり、インタビュー取材を行ったり、酒を酌み交わしたりするうちに、いつの間にかこのようなポジションに。
『山と道JOURNALS』を通じて日本のハイキング・カルチャーの発展に微力ながら貢献したいと考えている。

『山と道JOURNALS』への想い/夏目彰(山と道)

ありがとう、ハイキング。
ありがとう、家族と友人。
ありがとう、支えてくれた人。
ありがとう、自然。
ありがとう、世界。
ありがとう、宇宙。
ありがとう、歴史。
ありがとう、未来。

構想から4年。
動き出してから2年。
形になるまで1年。
ようやくのスタートライン。
これからはより多くの人と、
関わりながら進んでいきます。

ハイキングから得られたことはとても大きかった。
ハイキングはただのスポーツではない。
歩くということができる人であればだれでもできることなのだ。
ハイキングは自らと語り合うことでもあり、ハイキングは山で生活することであり、ハイキングは世界の美しさを知る事なのだ。

それは過去からずっと受け継がれてきたことで、これからも未来に繋がっていくことなのだ。
僕たちの感動を、みなさんの感動を、過去から繋がる感動を、みなさんと共有できたら。
みなさんと作っていくことができるなら。

過去から未来に繋がる流れのなかで、ハイキング文化を積み上げていきたい。

夏目彰

「山と道」の創立メンバー。山と道全体の監督。
30代半ばまでアートや出版の世界で活動する傍ら、00年代から山とウルトラライト・ハイキングの世界に深く傾倒。
2011年に「山と道」を始め、2016年には京都にPLANT Labと共同で『山食音』をオープン。
私生活では2016年に待望の第一子を授かり、メロメロに。
以前のように自由に山に行けなくなったことに多少の危機感を抱きつつ、子育て奮闘中!

三田 正明
三田 正明
フォトグラファーとしてカルチャー誌や音楽誌で活動する傍、旅に傾倒。 多くの国を放浪するなかで自然の雄大さに惹かれ、自然と触れ合う方法として山に登り始める。 気がつけばアウトドア誌で仕事をするようになり、ライター仕事も増え、現在では本業がわからない状態に。 アウトドア・ライターとしてはULハイキングをライフワークとして追い続けている。 取材活動のなかで出会った山と道・夏目彰氏と何度も山に行ったり、インタビュー取材を行ったり、酒を酌み交わしたりするうちに、いつの間にかこのようなポジションに。 山と道JOURNALSを通じて日本のハイキング・カルチャーの発展に微力ながら貢献したいと考えている。
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