C6 DWR
Coil Zipper
281g (Size M)
292g (Size L)
307g (Size XL)
はじめに
抜群の通気性と保温性を両立したベストにもなる保温行動着
晩秋や残雪期、冬の低山ハイキングにずっと着続けられるアクティブ・インサレーション(保温行動着)。
インサレーション素材に採用した85g/㎡の軽量で高通気なポーラテック・アルファダイレクトは、行動中の身体の熱を外に逃しながら保温性を保ち、かつ停滞時は暖かく、冬の山を快適に行動し続けることができる。
さらに、袖を取り外せばベストになり、腹部など体幹は冷やさずにより高負荷の行動にも対応。冬のハイカーに。
制作ノート
寒い山でも暑い太陽は昇る
厳冬期の雪山の行動着として作った山と道Alpha Anorakを、僕は最高だと思っている。けれど、 普段使いには少し着づらいところもあるし、残雪期には少し暑い。そこで、もう少し薄手で取り扱いやすい行動着を作りたいと考えた。それがこのLight Alpha Vest/Jacketになった。
Illustration: Jerry Ukai
はじめはAlpha Anorakと同じくポーラテック・アルファダイレクトを使ったべストを考えた。 同時に、Tシャツのような半袖のインサレーションもありではないかと考え、袖をファスナーで取り外せる試作品を作ってみることにした。
けれど出来上がった試作品を見て、いっそのこと長袖を付け、ジャケットにもベストにもなる行動着を作ってみたらどうだろうと思った。季節は既に肌寒く、ベストよりもジャケットを着たくなっていたからだ。
さらに新しく試作品を作り、残雪期の山でテストをしてみると、なかなか調子が良かった。
山に入るまでは袖を付けたジャケットの状態で移動する。残雪期は雪山でも太陽が出ると行動中は通気性に優れたアルファダイレクトでも暑く感じる時があるので、袖を取り外してベストにする。袖がないと体感気温がぐっと下がって行動しやすくなるし、ベストで腹部など体幹の保温もできる。そして日が暮れて、宿泊地で停滞する時にはふたたび袖を付けてジャケットにする。
取り外し式の袖はアウトドアの世界では少し懐かしく感じるディティールだけど、それとアルファダイレクトという先端素材の組み合わせで、街から山までをスムーズに繋ぐことができる新しい冬の行動着ができたと思っている。
ここ数年、秋冬はずっとこのジャケットの試作品を着てきた。ずっと自分がテストしてきたものを、ようやく他の誰かに着てもらえる。気に入ってもらえると嬉しい。(2019年11月5日)
制作ノート_2
チタンコーティングと
アシュラ男爵テストモデル
2021年モデルから、Light Alpha Vest/JacketとAlpha Anorakの表生地を、新しく独自のチタンコーティングを施したパーテックス・カンタムエアに変更した。新しい生地を使った製品を送り届けるまでに、僕たちが何を考え、テストしてきたのかを伝えたい。
新しい生地を採用して解決したかったことは、
1.耐摩耗性を上げて、生地の引きつれを軽減すること
2.より高通気な素材を使って行動中の蒸れをさらに軽減すること
このふたつだった。ところが生地は簡単に見つからず、ようやく出会えたのが今回採用した新しいカンタムエアの生地だったのだが、同時に新しい課題も見つかった。
新しい生地を探している頃は、保温行動着は通気性が高いほど行動中にヒートアップしなくて良いと考えていたが、プリマロフト・ネクストやオクタなどの新しい素材を使い表生地もなくした超高通気の保温行動着が登場してくると(山と道も数年前から同様の製品を開発中である)、高通気であり過ぎる弊害も見えてきた。
当たり前ではあるが、高通気は寒いのである。通気の度合いの塩梅が重要で、それは人それぞれのアクティビティや行動の種類や長さ、発汗の度合いにも左右される。
では、この通気がより高くなったカンタムエアはより良い道具に進化したと言えるのだろうか? 高通気で抜けが良くなるのは歓迎ではあるが、寒くなるのは、秋冬の行動着としては逆に退化したとも言える。通気で寒くなったぶんをどうにか補完できる方法はないかと考えた(単純にアルファダイレクトを厚くするという案もあるが、それは本末転倒である)。
日々、山と道具に向き合っていると、「アウトドアの全ての衣類や道具のゴールは、身体の熱をどう守り、どうコントロールするか」と感じることがある。
熱は大まかに「熱伝導」「対流」「熱放射」の3つに分かれる。「熱伝導」は直接触って熱い、冷たいと熱が伝わってくる現象。「熱対流」は風や水のこと。「熱放射」は太陽やストーブの電磁波が伝える暖かさだ。アルファダイレクトを使った製品は、空気を閉じ込めて暖かさを作り出しているので、「熱伝導」「熱対流」が大きな要素になる。では残る「熱放射」を要素として加えられないかと考えたのが、今回のチタンコーティングだった。
実際に生地を加工してみて、製品サンプルを羽織ってみると、生地の裏側にコーティングしたチタンが身体の体温を反射(=熱放射)して暖かくなるのを感じる。しかし、実際にフィールドに出ると、より暖かくなっているのか、より高通気で快適なのかが、今ひとつわからない。良くなっているように感じるが、確信を持って、「道具が進化しました」といった実感を持てない。
アシュラ男爵モデルを着用した筆者。谷川岳にて
そこで考えたのが僕たちが通称「アシュラ男爵モデル」と呼んでいるテストサンプルだ。昔のTVアニメが好きだった人ならこの名前の由来をわかってくれるに違いない。左右それぞれ違う生地で製品サンプルを作り、実際にフィールドテストを重ねながら、それぞれの生地の違いを確かめていった。
「アシュラ男爵モデル」のテストの結果、過去の製品と比べると、実感としてより抜けが良く、停滞時には保温性の高さを感じることができた。風速も10ー15mくらいの雪山の稜線でもテストをして、高通気とはいえ前回までのモデルと比べても大きく風への抵抗力が落ちていないことも実感することができた(個人的な経験だと風速15mを越えると危険だ)。
時間はかかったものの、こうして僕たちは新しい表生地を採用した製品を送り届けることができたのだ。これからも色々な製品テストで「アシュラ男爵モデル」を作ってテストをしていくだろう。(2021年4月)
機能とデザイン
ベストになるジャケット
高通気のポーラテック・アルファダイレクトでも、高負荷の行動で身体がヒートアップしてしまったり、太陽が照ると脱ぎたくなったりすることがありますが、ジャケットなしでは腹部を冷やしてしまうリスクもありますし、停滞時に身体が冷えるたびにバックパックから取り出すのも面倒です。
一着で非常に幅広いシチュエーションに対応するLight Alpha Vest/Jacketは、たとえ暑くて脱いでしまいたい状況でも、袖を外してベストにすることで、体温維持に重要な体幹部を冷えから守りながら行動を続けられます。
各部のディテール
口元や顎にあたらないようジッパーは斜めに配置しました。
ダブルジッパーで上からも下からも換気できます。
ポケットは内部がメッシュになっており、ベンチレーションとしても機能します。寒いときにはジッパーを閉じてください。
アイスアックスを使用したり岩場で手をついたりしても破れにくいよう、サムホール部には丈夫なタスランナイロンを使用しています。
両サイドに裾を絞れる調節コードのアジャスターがあります。
バックパック等でめくり上がらないよう、背面を少し長く取っています。
素材
抜群の通気性と保温性を両立するポーラテック・アルファダイレクト
毛足の長いフリースのような素材感です。
従来の天然ダウンや化繊ダウンは「蒸気を封じ込める=蒸れやすい」という素材的特徴がありましたが、行動時に積極的に着用することを目的として開発されたポーラテック・アルファダイレクトは、高負荷の運動時も湿気を外に放出する通気性と保温性のバランスを高次元で実現しています。
また、素材そのものに低濃度の銀イオンが微生物やバクテリアの繁殖を安全に抑制するポリジン加工が施されているため、通常の衣服の寿命を遥かに超える抗菌防臭機能を持っています。
Polartec Alpha Direct
素材:ポリエステル100%(リサイクルポリエステル率78%)、bluesign®、OEKO-TEX®認証ファブリック
生地重量:85g/㎡
破裂強度(JIS L1096A):359kPa
ゴム膜を生地にあてて膨ませ生地が破れたときの圧力の数値
保温性(JIS L1096A):49%
熱源に生地を乗せた際の熱源のエネルギー損失量
保温性(ASTM F1868):最小0.50clo 最大0.80clo
熱板の温度を一定に保つ電力から算定した保温力
山と道が独自にチタンコーティングを施したパーテックス・カンタムエア
ポーラテック・アルファダイレクトの優れた通気性能を最大限に生かすため、Light Alpha Vest/Jacketのシェル素材には耐久性撥水加工(DWR)を施した超軽量かつ通気性の高いナイロン生地、パーテックス・カンタムエアを採用しています。
生地厚や仕上げ等で数多くのバリエーションがあるカンタムエアですが、山と道はなかでもマットな質感の肌触りの良い生地を選びました。
約70cc/㎠・sという高い通気性を実現するため織り密度を極限まで緩くしたカンタムエアは、摩擦のかかりにくいローカウント糸を採用することでベルクロなど硬い素材との磨耗に高い耐性を持ち、さらに糸に仮撚り加工を施すことで、適度なストレッチ性を合わせ持ちます。
2021年モデルからは、裏面に極めて薄いチタン膜を分子レベルで生地表面に付着させるスパッタリング加工を施すことで、身体の熱を蓄え体温の放射を防ぐという機能性を生地の風合いや通気性を妨げることなく加えました。
Pertex Quantum Air
素材:ナイロン100%
コーティング:C6 DWR(耐久性撥水)
生地重量:40g/㎡
引裂強度(JIS L1096D):たて1kg よこ1kg
切れ目のある試験片を引張り、引き裂かれるまでの荷重値
引張強度(JIS L1096A):たて29kg よこ26kg
試験片を一定の速度で引張り、破断した最大値
通気性(JIS L1096A):72cc/㎠・s
試験片に一定の圧力で空気を吸引した際の空気流量
サイズガイド
推奨サイズ
Size | S | M | L | XL |
---|---|---|---|---|
体重(kg) | 52~61 | 59~69 | 67~78 | 76~85 |
胸囲(cm) | 80~90 | 85~95 | 92~102 | 100~110 |
製品サイズ
単位:cm
Size | S | M | L | XL |
---|---|---|---|---|
着丈 | 73 | 75 | 77 | 80 |
肩巾 | 40.5 | 42.5 | 45.5 | 49.5 |
身巾 | 57 | 59.5 | 63.5 | 68.5 |
裾巾 | 54.5 | 57 | 61 | 66 |
袖丈 | 67 | 68.5 | 70 | 71.5 |
袖口巾 | 10 | 10.5 | 11 | 11.5 |
- 縫製の誤差等で実寸と記載の寸法に若干の違いがある場合があります。
- 着用や洗濯により生地には収縮が発生するため、寸法は経年で変化します。
着用イメージ
サポート
製品ケアについて
生地裏面にコーティングされているチタンは洗濯等の繰り返される摩擦によって粒子が剥がれていきます*が、正しくケアいただければ、より長くコーティングを保つことができます。
*下水へと流れるチタン粒子は極めて微量であり、環境に影響を及ぼすものではないとされています。
- 洗濯機を使用する場合は、洗濯表示に記載の通りデリケートな衣類などに向いた弱水流コースに設定し、ネットに入れて洗ってください。
- 洗剤の種類によってはごく稀に金属と化学反応を起こして変色する場合がありますので、漂白成分や酵素成分の入った洗剤は使わず、中性洗剤を使用して洗ってください。
- 洗剤成分がチタンを剥離させてしまう恐れがあるため、長時間の漬け置きは避けてください。
- 洗濯後は強く絞らず、乾燥は日陰で吊干ししてください。
- アイロンがけ、ドライクリーニングは行わないでください。
- 購入時に裏地の毛羽落ちが目立つ場合は一度洗濯を行ってください。
SUPPORT「製品ケア」をご確認ください
さらに詳しい洗濯や保管方法、シワや縮んでしまった時の対処法については、SUPPORT「製品ケア」内、Alpha Seriesのページで写真や動画を交えて紹介しています。正しくケアを行うことで製品の機能や性能をより長く保つことができますので、ぜひ参考にしていただき、末長くご愛用いただければ幸いです。
お支払いについて
- お支払いはご注文時にお願いします。
- お支払いはクレジットカード、または銀行振込が利用できます。
- クレジットカードはVISA、MASTER、JCB、AMEXに対応しています。
- 銀行振込の場合は、注文確認メール到着後5日以内のご入金をお願いします。
- 銀行振込手数料はお客様のご負担となります。
- 領収書は製品発送時に送る発送完了メールに添付されたリンク先からダウンロードをお願いします。
発送について
- ご購入後に注文確認メールをお送りします。
- 決済確認後、3日以内に製品を発送します。
- 大型連休、災害、悪天候、ご注文の集中、ご注文の追加確認等により出荷、配送に遅延が発生する場合があります。
- 製品が発送された時点で発送完了メールをお送りします。
- 別々に注文した製品の同梱発送はできません。
沖縄県・離島を除く全国:佐川急便で発送します。
送料:500円
沖縄県・離島:ヤマト運輸で発送します。
送料:500円(離島)/950円(沖縄県)
サイズ交換について
ご購入後、製品のサイズが合わなかった場合は交換対応いたします。交換に際し以下の内容をご確認のうえ、SUPPORTページ内の「サイズ交換・不良品サポート」よりお申し込みください。
- 未使用品のみ交換いたします。試着程度は問題ありません。
- 交換は製品到着後5日以内に限ります。
- 製品を弊社で確認し、たばこや化粧品等の臭い、汚れ等が認められた場合は返品をお断りする場合があります。
修理について
山と道ではすべての製品の修理を受け付けています。穴あきやパーツ補修、経年による劣化など、修理のご相談はSUPPORTページ「修理について」よりぜひお気軽にお寄せください。