台北に直営店samplusを構え、HLC台灣の活動も行うなど、山と道にとって最も親しい隣人である台湾。その繋がりは10年を越え、現在ではsamplusにも個性豊かな仲間たちが集まり、台湾のハイキングカルチャーのひとつの拠点になっています。
そんな山と道の台湾での活動や、台湾のハイキングカルチャーについて、そしてsamplusの仲間たちのことをもっと台湾や日本や世界中のハイカーたちに伝えたい。そんな思いでスタートした『台湾通信』第4回となる2026冬号では、HLC台灣アンバサダーの林政翰(リン)によるHLC台灣の2025年の活動振り返りと2026年の予定、samplusチームの冠綸(アレン)による台湾の人気登山ルート「奇萊主山・北峰ルート」のトレイルログ、同じくsamplusチームの王又禾(ヨウホウ)によるハイキング中に実践できる身体の整え方とケアアイテムをお届けします。
今号を通じて、台湾や日本、さらには世界各地の登山者同士の理解や交流がより深まることを願っています! 2026年も引き続きHLC台湾や台湾のハイキング事情について発信していきますので、ぜひご一読ください。
① HLC台灣の活動
HLC台灣2025振り返り—雨の日でもみんなの熱意は消えない
今回のHLC台灣では、アンバサダーの林政翰(以下、リン)が2025年の活動を振り返ります。さらに2026年に予定しているハイキングルートを、少しだけご紹介。
多彩な記録を通して、HLCの魅力をじっくり味わってもらえたら嬉しいです。それではリンさん、よろしくお願いします!
文:林政翰 (John Lin)

2025年のHLC台灣は、初めてのミートアップ開催から幕を開けました。
日本から山と道HLCスタッフのキムさんもこの日のために台湾へ来てくださり、日本各地の定番ハイキングルートや、実際に役立つ軽量化のちょっとしたコツを紹介。日本各地のHLCの活動に興味のある参加者たちは、気づけば夢中で聞き入ってしまうほどでした。
そこにおいしいごはんと、ほんの少しのお酒が加わって、会場の空気はとてもリラックスしつつも賑やかに。HLC台灣にとって印象に残る素敵な始まりになりました。

みんなで耳を傾けながら、キムさんが紹介してくれた日本各地のハイキングルートや歩き方の工夫を、じっくりと聞きました。
雨の中の高島縦走ローカルスタディハイキング
5月の高島縦走ローカルスタディハイキング。前日も当日も天気予報は雨で、正直なところ「開催するか、みんなに確認したほうが良いかな」と少し迷いました。でも考えを切り替えて、「この天気だからこそ、何か起こるかもしれない」と思い、予定通り山へ向かうことにしました。雨の日は、気づきやワクワクの“火花”が生まれるのか、それとも消えてしまうのか。確かめてみたかったのです。
結果は意外にも、参加者はひとりも欠けることなく全員集合。それなら行くしかありません。今回のテーマは「動植物と鳥」。歩きながらさまざまな鳥の声に耳を澄ませ、植物を観察し、雨の中でテントサイトを選ぶ際のポイントについて話し合い、その場で実際に確認しました。
雨のおかげで水の流れや、水が溜まりやすい場所がはっきりと見え、小さな窪地にも気づきやすくなり、自然と適した高台を選ぶことができました。
大雨のあとこそ、テントサイト選びを学ぶ最高のタイミングなのだと、あらためて実感した1日でした。

雨の日に傘をさして歩く山行も、また違った趣があって良いものです。
歴史に触れる向天池ミートアップハイキング
HLC台灣の秋のイベント「ミートアップハイキング」では、台北・陽明山国家公園内にある面天山・向天山トレイルを歩きました。今回は特別に、台湾の山岳文史研究者である伍元和先生をお迎えし、この道に刻まれた人文、民族、そして歴史の物語を案内していただきました。
面天山・向天山トレイルは全長約4kmのグレード2*のルートで、ふたつの山の間では風を受ける場所と風を避ける場所とで表情が変わり、広がる市街地の景色も楽しめます。秋に訪れ、天気に恵まれれば、一面に揺れるススキの風景を見ることもでき、とても美しい場所です。
*2021年より台湾の国立公園では、登山道を安全性や難易度に基づき、グレード0〜6の7段階で分類する制度が導入されている。

出発の準備完了。
ところが今回も、出発前の天気予報は雨。それでも当日の強い雨は、参加者のみなさんの気持ちを冷ますことはなく、再びほぼ全員参加という嬉しい結果になりました。HLCのイベントに集まってくれるみなさんには、本当に頭が下がります。

みんな雨の中を進む。
当日は伍元和先生の道中での解説に引き込まれ、山の中に媽祖廟(海の守護神である女神「媽祖」を祀る廟)がある理由や、桃園(台湾北西部にある都市)に池が多い背景には淡水河の古い河口の位置が関係していることなど、次々と語られる話に、自然と耳を澄ませていました。
自分たちが立っている土地を、別の視点から深く知ることができるのは、とても貴重な体験です。雨の中でも、こんなに豊かな時間を届けてくれた伍先生に、心から感謝しています。

伍元和先生が道中で文化や歴史を解説。

傘をさして歩くハイキングも、また格別な味わい。
この日のもうひとつのハイライトは、容赦のない強風でした。風の力を全身で受け止めつつ、ほんの少し進路を変えて風を避ける場所に入ると、そこは一転して風の影響を受けない“パラレルワールド”。そのコントラストに、思わずあちこちから驚きの声が上がります。

雨は少し弱まり、ほっとひと息。
2025年のHLC台灣を振り返ると、天候不良で中止になった回もいくつかありましたが、開催できた回に関しては、ほぼ毎回申し込んだ方が全員参加してくれたことに、正直とても驚いています。
そして2026年、HLC台灣は4年目を迎えます。現在は、日帰りハイキングとして「無耳茶壺」「皇帝殿登山歩道」、2日間のワークショップとして「霞客羅古道」「北坑駐在所古道」を計画中です。ぜひ一緒に自然の世界へ足を踏み入れ、奥深く、そして自由なULハイキングの魅力を体感してもらえたら嬉しいです。

山と道HLC台灣アンバサダー
カナダの『ヤムナスカ・マウンテンスキル・セメスター』で欧米の登山技術を学び、帰国後『Miasan Outdoor Center』を創立。ハイキングや雪山登山等の講習を行う一方、山小屋等の管理も行っている。20年以上、台湾原住民の布農族からより自然に近い生活を学び続けており、パーマカルチャーや里山生活についての造詣も深い。
② samplusトレイルログ
キレイ? それともキライ?
人気ルート「奇萊主山・北峰ルート」2泊3日のハイキング
今回のsamplusメンバーによる山行記録は、チームメンバーの冠綸(Allen Chen/以下、アレン)が、台湾でも特に人気の高い登山ルート「奇萊主山・北峰ルート」を歩いた記録です。
奇萊主山と奇萊北峰を訪れ、伝説の「黒い奇萊」に向き合った体験をアレンさんに聞いてみましょう。
文:冠綸(Allen)

2025年は、時間がやけに早く過ぎていった気がします。気づけば半年以上が経っていて、まだ一度も高山に行っていないことに、ふと驚きました。
これまでの自分は、どちらかというと怠け者で、いつも友人が計画を立ててくれるのを待つタイプ。でも心の中のもうひとつの声が言いました。
「え、今年このまま終わるの?」
だったら自分で計画を立てよう。そう思って、登山経験がそれほど多くないパートナーを連れ、少しだけ冒険に出ることにしました。
今回歩いたのは、奇萊(チーライ)主山・北峰ルート。台湾では人気の高いルートなのですが、下調べをしていると、意外にも身近な人たちが誰も行ったことがないことに気付き、少し驚きました。もしかして、僕の周りの人たちはちょっと天邪鬼で、あえてマイナーなルートを選ぶタイプなのかもしれません。
台湾で「奇萊」と聞くと、よく「黒色奇萊(ブラック・チーライ)」という呼び名が浮かびます。理由はふたつ。ひとつは、山の北西側が日陰になりやすく、岩肌が黒く見えること。もうひとつは、地形が険しく天候の変化も激しく、台湾でも遭難事故が多い山のひとつであること。
子供の頃から耳にしてきたその名前は、多くの歴史や伝説を含んでいて、畏れと好奇心を同時に抱きながら、僕はこの山へ向かいました。

登山口ではお決まりの1枚。しばらく高山を歩いていなかったので、まずは身体を高地環境に馴染ませるところから。
奇萊主山・北峰ルートは通常1泊2日で山行計画を組まれることが多く、Day0として登山口近くの宿に泊まるのが一般的です。でも今回は、どうせ1日多く使うならと、2泊3日の行程にしました。
行程
Day1
10:00 台北出発 >休憩所で昼食
15:00 登山口着
18:00 成功二号避難小屋
Day2
03:30 起床・朝食
04:40 稜線へ出発
06:50 稜線で幕営
09:40 奇萊北峰登頂
11:50 テントに戻る
13:00 水汲み
13:45 再度テントに戻る
奇萊主山に行く予定でしたが、天候不良のため翌日に延期
Day3
04:00 起床・朝食
05:00 奇萊主山へ
07:00 奇萊主山登頂
昼食・撤収後下山
15:40 無事下山
「黒色奇萊」の魅力
出発してからは、ずっと楽しみにしていた気持ちのまま、ピクニック気分で写真を撮ったりしながら、今日の宿泊地・成功二号避難小屋へ向かいました。途中で小奇萊や黒水塘山屋を通り、天気にも恵まれて、無事に1日目の目的地に到着できました。
成功二号避難小屋に着いた頃には、すでに辺りは真っ暗。正直、外観は少し怖さもありましたが、ちょうど5人組の兄貴たちに出会ったところ、一気に心強い雰囲気になり、安心感が高まりました。

山小屋の扉は年季が入り、きちんと閉まらない状態。
それでも安心して眠れるかどうかは、耳栓次第。夜は5人の兄貴による即興交響曲に包まれ、寝不足のまま奇萊北峰へ向かうことに。
案の定、頭が回らずすぐにルートを外れてしまいましたが、早めに気付いて修正。山では感覚に頼らず、必ず地図を確認すること。不安な時ほど、立ち止まる勇気が大切です。

歩けば歩くほど違和感を覚えて、立ち止まりました。

高山の朝は、やっぱり気持ちが良い。

気づけば、先に出発していた「交響曲」の兄貴たちに追いついていました。

稜線に出た瞬間、思わず笑顔に。
「奇萊(チーライ)」という音は、日本語では「嫌い」にも「きれい」にも聞こえるそうです。ほんの少しの違いで意味が真逆になるところが、なんだか面白い。
ついに奇萊北峰に到着し、伝説の黒い山頂を目の前にしました。正直なところ、この山はただただ「かっこ良い」としか思えませんでした。黒いというだけで、僕の中では間違いなく「きれい」です。
男の幸せなんて、案外こんなにもシンプルなものなのかもしれません。(じゃあ、ここまで色々語ってきたのは何だったんだろう。)

黒い山頂は、ひと言で言うと「かっこ良い」。
山頂では、小さくて可愛らしい鳥に出会いました。野外で動物たちを見かけると、いつもつい近づきたくなってしまいます。動物の魂は、きっと私たちよりもずっと澄んでいる。そう思っています。だから、動物が好きな人は、きっと優しい心を持っているんだと思うのです。

山頂では小さな鳥にも出会いました。
そんな様子を見て、パートナーは冗談まじりに言いました。
「いっそ動物園で働いたら?」
……ふふ。

誰かさんが昼寝をしている間、僕は水汲み係⁉︎
幕営の準備をしていると、下山するところだった1組の登山者に出会いました。「ここ、いいですよ」と、気持ち良く場所を譲ってくれて、テントを移すよう声をかけてくれます。おかげで、キャンプ地選びに悩む必要もありませんでした。
不思議なことに、自然の中に身を置くと、人は自然と助け合うようになる気がします。この山で受け取ったささやかな親切を、喧騒の中にある少し冷たい都市へも、そっと持ち帰れたら良いなと思いました。

夜は水鹿が何度も姿を見せた。
夕陽を眺めながら夕食を取り、寝る前には星空をぼんやり眺めていると、気付けば十数頭のシカに囲まれていました…。まるで子供の頃に見ていた自然番組「ディスカバリーチャンネル」の世界に入り込んだようです。
「自然って、本当に不思議だなあ」
そう思いながら寝袋にくるまり、荒野の中にいるのに、どこかとても安心している自分に気付きます。これが、自然の魅力なのだろうと思いました。

美しい日の出。
台湾の山には雨具必須
台湾の山はいつも湿度が高く、雨が多いです。特に奇萊山は、地形の影響で水蒸気が上がりやすく、雲や霧、雷雨など天気が急変しやすいのが特徴。
そこで今回は、山と道のUL All-weather Pantsを最初から着用しました。通気性も十分で、長時間でも快適に歩けます。
さらに、ベースレイヤーとミドルレイヤーに加え、ジッパーのないUL All-weather Hoody(Lサイズでわずか118g)も携行。軽くて行動中も邪魔にならず、私の登山には欠かせない装備です。
ただし、奇萊主山・北峰ルートの登頂は天候に大きく左右されます。出発前には必ず下調べをし、山の天気をこまめに確認することが大切です。

奇萊主山へ。

金色の光に包まれながら。
無事に奇萊主山に到着して、改めて思ったのは、自分の体力に合わせて計画を立てることの大切さです。余裕を持って2泊3日にした判断は、本当に正解でした。
ただ今回の行程では、2日とも予定より少し遅めに出発することになり、スケジュール通りに動きたがる私としては、内心ちょっと焦りました。でも、山にいると、すべてを急ぐ必要はないと気付きます。自分のペースで歩き、無理せず楽しむことが、旅の本当の醍醐味なのだと思います。

下山前に、もう一度山々を振り返る。
しばらく真剣に山を歩いていなかったせいか、最終日に奇萊主山に登った時は、ほとんど写真を撮れませんでした。ちょっと申し訳ない気持ちもありますが、当時は本当に疲れていたんです。
でも、自分にこう言い聞かせました。「思い出は頭の中に残るもの。過程が大変でも、結果が素晴らしければそれで十分だ。」
少し残念ではありますが、あまり気にせず。奇萊主山の美しさを味わいたい人は、ぜひ自分の足で訪れてみてください。(……まあ、この言い訳も、写真を撮らなかった自分のためにしている気もしますが。)

最後の100mを歩きながら。
下山の道中、ふと家で待つ愛犬のことを思い出しました。
「いつか一緒に、この世界の大きさを見せてあげたいな」と。
同時に心の中で小さな誓いも立てました。2026年はもっと多くの山を登り、この世界がくれる楽しみを、これからも存分に味わおう、と。

samplus セールススタッフ
名前は冠綸ですが、友人からは時々「阿伯(アーボー)」(年配の方に対する親しみを込めた呼び方)と呼ばれます。たぶん、よく腰を痛めるからでしょうか…。現在は台北の Cow Records と Samplus に勤務。音楽や映画、動物たちが好きで、みんなと同じような趣味です。もちろん、お酒も好きです。
③台湾ハイカー的TIPS
誰でもできるハイキング中のリラクゼーションテクニック
続いては、samplusのセールスチームとして活動する王 又禾(ワン・ヨウホウ)が、「誰にでも役立つハイキングのリラックステクニック」をテーマに、ハイキングでの身体の整え方をシェアします。
大学では運動健康科学を学んだ彼女は、仲間が腰痛や背中の痛みを感じた時に、いつも専門的なアドバイスをしてくれます。ハイキング中や行動後に実践できる筋肉をゆるめるためのシンプルなセルフケアと、台湾で気軽に手に入るケアアイテムをヨウホウさんに教えてもらいましょう!
文:王 又禾(YoHo)

日帰りのハイキングでも、数日間にわたる縦走でも、「しっかりと身体をゆるめること」は、心と身体の負担を軽くするための大切な鍵だと感じています。
今回は、1泊2日の桃山登山を通して、私が普段から行っているリラックスするためのセルフマッサージの方法をいくつか共有したいと思います。
桃山は台湾・雪山山脈に位置する百名山のひとつで、標高は3,325m。雪覇国家公園内にある「武陵四秀」*の1座でもあります。
登山口から山頂までの距離は片道わずか4.5km。しかしそれは同時に、ほぼ全行程が急登ということです。短い距離の中で1,400m以上を一気に登るルートは、想像しただけでも脚がじんわりと重くなってくるようです。
*「武陵四秀」とは、武陵農場の北側に横一列に並ぶ四座の百名山を指します。西から東へ、品田山(3,524m)、池有山(3,303m)、桃山(3,325m)、喀拉業山(3,133m)が連なっています。
地形をうまく活用して、いつでもストレッチ!
私はいつも、周囲の地形や環境を活かしながら、こまめに身体を伸ばすようにしています。脚まわりを軽くほぐす簡単なセルフマッサージも、そのひとつ。登り始める前のウォームアップとして取り入れることで、早朝のぼんやりした感覚から少しずつ離れ、身体を山に向けて整えていきます。
まだ頭も身体も完全に目覚めきっていない出発前は、座ったまま目を閉じ、太ももの外側をゆっくり伸ばすことから始めます。
登り始めて約2kmほど進むと、自然と立ち止まりたくなるような場所に出会いました。程よい高低差があり、力を入れすぎることなく脚を大きく開いてストレッチができる、天然のリラックスポイントです。

段差に片足を乗せて膝を90度に曲げ、体を沈めて股関節を開きます。お尻と太ももの外側が伸びることで、脚の緊張がほぐれます。
バックパックを背負って歩き続けていると、どうしても背中が丸まりがちになります。そんな時は、大きな木を支えにして胸や肩まわりを開くストレッチを行います。

周囲にある木を活用し、手を支えにして体を前に押し出すことで、肩関節や胸の部位をしっかりと伸ばすことができます。
再びバックパックを背負い直した時、身体が少し軽く、呼吸もしやすくなっているのを感じられるはずです。休憩時間が比較的長く取れる時は、水分や行動食を補給するだけでなく、無理のない範囲で軽いストレッチを行うのもおすすめです。立ち止まる時間を、次の1歩のために身体を整える時間として活用します。
テント場での「深い」リラクゼーションテクニック
テント場に辿り着いたら、いよいよ「深く」身体を緩める時間の始まりです。歩き続けてきた身体を一度立ち止まらせ、呼吸を整えながら、山の時間に身を委ねていきます。使う道具はミニフォームローラー。これを使って、下半身の各部位をより深くほぐしていきます。ローラーは筋肉の向きに対して垂直に当て、緩めたい部位に全体の重心をしっかり乗せるのがポイントです。

使用したアイテムは「BLACKROLL プロフェッショナル ミニフォームローラー MINI Flow」。台湾ではオンラインストアのほか、専門スポーツ用品店「SHAPER MAN」や、「ISPO」が運営する実店舗でも購入可能です。
①お尻のマッサージ

私はまずお尻から始め、ローラーの上で身体を前後にゆっくりと15往復ほど動かします。もし動かし続けるのが辛かったり、痛みが強く感じられる場合は、無理に転がさず、1点に圧をかけるだけでも十分です。その場合は、1箇所につき15〜20秒ほどキープします。
②太ももの裏側とふくらはぎのマッサージ

続いて、力を入れすぎない方法で、太ももの裏側とふくらはぎをほぐしていきます。ふくらはぎはおおよそ3つの部位に分け、膝立ちになりながら体重を利用することで、無理なく一点に圧をかけることができます。手ではほぐしにくい脚の後側も、体重を預けるだけで自然とゆるんでいきます。それぞれのポイントで、少なくとも30秒ほどキープするのが目安です。
③太ももの前側のマッサージ

次に太ももの前側へ移ります。うつ伏せになり、ローラーを太ももの下に置き、肘で身体を支えながら前後に動かして、太ももの前側に当たったローラーを転がしていきます。ここも3つの部位に分け、1か所につき10〜15往復ほど転がします。または一点に圧をかけ、15〜20秒ほどキープする方法でも構いません。
④太ももの外側のマッサージ

太ももの外側の筋肉は、どうしても張りやすい部分です。横向きに寝転び、肘と反対側の手のひらで身体を支えながら、外側に対しては一点に圧をかける方法でゆっくりと緩めていきます。動かしすぎず、呼吸と一緒に圧をかけることで、硬くなっていた部分が少しずつほぐれていくのを感じます。
⑤太ももの内側のマッサージ

内もものマッサージは、うつ伏せになり、ほぐしたい側の脚を曲げた姿勢で行います。ここも同様に3つの部位に分けてアプローチします。この姿勢では体重をかけられる範囲が限られるため、必要に応じて手で軽く圧を加えることもあります。無理に力を入れず、届く範囲で丁寧に緩めていくことを意識しています。
⑥ふくらはぎの外側のマッサージ

ふくらはぎの外側は、座った姿勢で手を使って圧をかけるか、ローラーの上に脚を乗せて左右に小さく揺らすことで、やさしく刺激を与えることができます。大きく動かさず、必要最低限揺らすことで、自然とマッサージの効果を得られます。
⑦アキレス腱周辺のマッサージ

アキレス腱周辺や、ふくらはぎの中央あたりは、ローラーに脚を乗せて左右に揺らしたり、前後に転がしたりしながらほぐしていきます。もう一方の脚を重ねることで、必要に応じて圧を調整することもできます。力を入れすぎず、身体の反応を確かめながら、ゆっくりと進めていきます。
⑧足裏のマッサージ

最後は足裏のマッサージです。ローラーを踏み、前後にゆっくり転がすことでほぐしていきます。この部分は比較的長めに行うことが多く、もし足裏を3つの部位に分けて行う場合は、それぞれのポイントで30〜60秒ほどキープします。
時間や体力に余裕があれば、さらにストレッチを続けて、筋肉を徹底的にゆるめることもあります。この一連の流れを終えると、張っていた筋膜や筋肉がしっかりとほぐれ、健康的な弾力を取り戻す感覚があり、身体もじんわり温まってきます。
マッサージで最も大切なことは、「痛み=効果ではない」ということです。自身の痛みの限界を超えてしまう場合は、力を弱めること。無理をすると、かえって怪我のリスクが高まってしまいます。

翌朝は、軽やかな身体で日の出を迎え、下山の準備を始めます。

私のように裸足感覚の登山靴を履いている場合は、道中の少し突き出た石を利用して足裏をほぐしながら、軽やかに下山することもできます。
筋肉への負担が軽くなり、より快適で安全に、無事に下山することができます。
道具がなくても、工夫次第
もし手元に専用のケアアイテムがなくても、身近なものを使って代用することができます。
- ミニフォームローラー → 保温ボトル
- マッサージスティック → トレッキングポール
- マッサージボール → 森の中の木、丸みのある石、硬めの松ぼっくり
山の中には、身体を労わるためのヒントが、意外とたくさん転がっていますよ。

samplus セールススタッフ
スポーツトレーナーとして学んだ体育大学が山の近くにあったこともあり、友人たちと頻繁に山へ足を運ぶようになり、それが今でも続いている。低山のハイキングから高山登山まで、どの旅も心から楽しんでいる。SNSを通じて山々の壮大な美しさを多くの人と共有することが好き。これからも一歩一歩大地を踏みしめながら、より多くの人が自然と触れ合える機会が増えることを願っている。
台湾の人気ルートやハイキングでのリラックステクニックを紹介した冬号。ぜひ台湾でのハイキングの際に参考にしてください。次回もお楽しみに!
















