この『台湾ハイカーズハンドブック』でこれまでお伝えしてきた通り、外国人にとって台湾高所登山の最大の関門はパーミッション取得に他なりません。
今回はご自身でパーミッション取得にトライしたい方や理解を深めたい方のため、外国人には複雑かつ難解に思える制度の概要や手続き、具体的な申請手順について詳しくご説明します。
台湾パーミッション取得代行サービス 終了のお知らせ
台湾の高山や国立公園内の入山パーミッション申請の制度が変更され、2019年から2026年まで行っていた取得代行サービスを継続することが難しくなりました。現状、再開の予定はありません。
台湾登山パーミッションの概要
原則として、台湾の山では、登るルートが下記に該当する場合、区域を管轄する公的機関にパーミッションを申請しなければなりません。
- 国家公園の生態保護区域に入る
- 警政署が管轄する山地管制区に入る
- 林業及自然保育署の自然保護区域に入る
大きくは国家公園の生態保護エリアに入るための「入園許可証」(国家公園に申請)と警政署が管轄する山地管制区に入るための「入山許可証」(警政署・管轄警察機関に申請)ふたつが必要です。実際のパーミッション制度はもう少し複雑で、以下のような構造になっています。

- 上図はあくまで「基本ルール」となり、国家公園に含まれているのに入園許可が不要な山など、例外もあります。ただ、それらをすべて網羅するとかえってわかりにくくなりますので、基本的なルールは上図の通りと考えていただければと思います。
- 国家公園への入園許可や警政署への入山許可だけではなく、「林業及自然保育署」という日本の林野庁のような組織の自然保護区域に入る場合は、林業及自然保育署に入域許可証の申請を出さなければならないエリアもあります(上図緑)。さらに、林業及自然保育署が管理する山小屋/キャンプ地に宿泊する場合も申請が必要です。
- 2026年現在は外国人もオンラインで申請できるルートが整備されており、山小屋やキャンプ場には外国人向けの優先申請枠が設けられているケースもあります。
- 入山許可には、山地管制区の種類に応じて「甲種」「乙種」と呼ばれる区分がありますが、実際に入山許可が必要か、またどの区分に該当するかは、登山するルートや管制区域によって決まります。
そして一般的な日本人のハイカーが台湾で実際にどこかの高山に登ろうとした場合、パーミッションを取得するためには以下のような条件をクリアしなければなりません。
- 登山ルートを完全に把握する
- 山小屋や宿営地の空き日程を調べておく
- ルートによっては台湾在住者・台湾籍の緊急連絡先が求められる
- ときに発生する英語または中国語でのやりとりをクリアする
以前は国家公園や警察などへの申請先が分かれており、外国人にとって手続きのハードルが高い面もありましたが、現在は申請窓口が統一され、臺灣登山申請一站式服務網(Hike Smart Taiwan Service)から一括してパーミッション申請が可能です。ただし申請後の審査は各機関が個別に行います。
ウェブサイトの言語について
臺灣登山申請一站式服務網では、中国語(繁体字)、英語、日本語と言語を切り替えることができます。

右上で言語切り替えが行えます。
しかし、日本語に切り替えると、申請できる山は主に玉山国家公園管理処のルートしかありません。英語の場合は中国語(繁体字)で表示されているルートはほぼ申請できますが、ルート名が英語表記で分かりづらいところが難点です。しかし、後述する外国人優先枠で予約する場合は、言語が中国語(繁体字)だと選択できないため、英語での申請、もしくは玉山ルートの場合は日本語での申請が必要です。Google Chromeの場合、翻訳機能を使えば大部分が日本語で表示されるので、それほどハードルは高くありません。
中国語(繁体字)での申請の場合も、翻訳機能を使うと申請ができますが、国家公園や山の名前、登山ルートの翻訳がうまくいかずに混乱する場合があります。なのでルート名を確認する時は中国語(繁体字)に切り替え、申請に必要な項目や注意事項を確認する際は日本語に切り替えるなど、臨機応変に言語を切り替えるとスムーズに申請を進められます。
英語での申請の場合も、別のブラウザで中国語(繁体字)を表示しておいて、ページを見比べながら山の名前や登山ルートの確認を行うと、スムーズです。
山行計画を立てる
それでは、臺灣登山申請一站式服務網(Hike Smart Taiwan Service)から申請する方法を解説していきます。
まずは台湾のどの山を登るか、山行計画を立てます。【#2 代表的な山とルート】も参考にしてください。なお、百岳と国家公園の関係は以下の地図をご参照ください。
【左上のボタンでエリアとエリア内の山リストが表示されます】
また、ある程度登りたいルートが決まったら、サイトでも各ルートの地図が確認できます。行動時間が記載されている場合もあるので、山行計画を立てるのにお役立てください。ただし言語切り替えによって表示される地図の数が違うので、一番多く表示される中国語(繁体字)で確認するのが良いでしょう。

サイトの下の方に、主要な山や国家公園ごとのボタンがあります。検討しているルートのボタンをクリック。ルートのページに飛ぶと、「地圖(地図)」のボタンがあるので、そちらをクリック。

ルートや行動時間の目安が出てきます。

宿泊予定地の空きを確認
ルートが決まったら、まずは山行期間の宿泊予定地に空きがあるかを確認します。宿泊予定地の予約ができないと、申請が承認されないからです。臺灣登山申請一站式服務網のメニューページの「宿營地與床位查詢」から宿泊予定地のエリアの山小屋/キャンプ場検索をクリック。

山小屋の一覧が表示されます。平日、休日ともにどれくらいの収容数があるのか、こちらで確認することができます。

山小屋の個別ページに飛ぶと、カレンダーが表示されて、日ごとの空き状況や予約状況を確認できます。

餘額:残り床数
待處理:申請保留中(審査待ち)
補件:申請書類に不備あり。通知日から2営業日以内に書類を再提出しない場合、申請が却下されます
已通過:申請を承認済み
待系統排定:システムによる割り当て待ち。毎日23時にシステムによるベッドの割り当てが行われるため、申請初日のステータスはすべてこちらになります
宿營地不足候補:申請した行程のどこかで、宿泊スペースが足りていない状態。他の利用者のキャンセル待ち。空きスペースがないまま入園の5日前になると、自動的に申請がキャンセルになります。
外籍提前:外国人優先枠の申請者数(外国人+台湾人)
行程の宿泊地すべてに空きがないと、申請が承認されません。また、残り床数(餘額)には、すでに申請済みで割り当てを待っている人(待系統排定)や、キャンセル待ちの人(宿營地不足候補)は含まれていません。そのため、残り床数に対して、割り当て待ち+キャンセル待ちの人数が多い場合は、日程の変更を検討することをお勧めします。
外国人優先枠について
台湾の登山では山小屋やキャンプサイトなどの宿泊地の予約が必須ですが、下記の山小屋には、外国人優先枠が設けられています。
- 排雲山荘/1日24名
- 七卡山荘/1日24名
- 三六九山荘/1日24名
- 九九山荘/1日24名(2026年3月30日から2028年12月31日まで全体改修工事のため、施工期間中は10名に縮小)
- 天池山荘/1日12名
- 向陽山屋・嘉明湖山屋/2山屋共通で1日18名
- 檜谷山荘/1日18名
例えば玉山群峰の主峰直下にある排雲山荘では、日曜日から木曜日に1日24枠の外国人優先枠が設定されており、入園予定日の4ヶ月前から35日前まで先行して予約の申請ができます。一般枠でも予約が可能ですが、予約の申請期間が2ヶ月前から5日前までの上、台湾からの登山者と抽選になるため、予約を早く、確実に確保したい場合は外国人優先枠での申請が断然おすすめです。
注意事項の確認
申請前に、登山ルートの注意事項を確認します。メニューの「登山須知(登山の注意事項)」には、各国家公園の登山の注意事項や申請のガイドライン、緊急連絡が記載されています。申請する前に、ひと通り目を通しておきましょう。


登山須知=登山の注意事項、申辦規定與須知=申請規定および注意事項、緊急聯絡資訊=緊急連絡先
パーミッションを申請する
宿泊地の空きや注意事項を確認できれば、いよいよパーミッション申請へと進みます。申請可能時間は台湾時間7:00〜23:00(日本時間8:00〜24:00)の間なのでご注意ください。
今回は、山と道スタッフが登山の際に行ったパーミッション申請をもとに、申請方法を解説していきます。今回のルートは雪覇国家公園の大覇尖山歩道(繁体字:大霸線)で、九九山荘の外国人優先枠での申請を行ったため、英語表記で進めていきます。
日本語でも中国語(繁体字)でも、入力する項目は同じなので、こちらを参考にしてください。
①申請ルートを選択
トップのメニューバーから「Online Application/オンライン申請」の「Apply for Park Permit/国家公園の入園申請」をクリック。

ページが切り替わったら、検索のタブで「Shei-Pa National Park/雪覇国家公園」を選択。

下に登山ルートの一覧が表示されるので、「Daba Peaks Trail(大霸線)」を見つけます。(Foreign Advanced Application/外国人優先枠)と表示されています。

間違いがなければ、「APPLY/申請」で申請画面へと進みます。
②注意事項を読んで同意
次に国家公園での規則について書かれたページに飛びます。しっかり確認をして、チェックを入れていき、最後の国家公園の規則に従う旨の赤文字にチェックを入れて、青の「I Agree/同意」ボタンをクリックします。

③外国人枠を選択
一般申請枠と外国人優先枠の選択ページに移ります。今回は外国人優先枠での申請のため、そちらにチェックを入れて、次に進みます。

④チーム名・ルート詳細などを記入
次に、上段ではチーム名を記入し、ルート名とルート詳細を選択します。下段では山行日数と日程を選択します。

スクロールすると、ルート行程を作成する項目があります。チェックポイントの候補が出てくるので、登山計画に沿ってルートと宿泊地を入力していきます。1日目が終わったら、「End a Day/この日の行程完了」ボタンを押すと、2日目の行程を作成できます。

詳しいルートの作成方法は、こちらのページ(日本語)を参考にしてください(ボタンの位置などが違うため注意してください)。
行程作成のルールとしては、その日の終わりは必ず宿泊可能地でなければならないことになっています。そして、ルート上のすべての経路を省略せず、順番に入力(リストから選択)する必要があります。
たとえば図のA岳、B岳、C岳を全部めぐる際、オンライン申請の画面では以下のように入力しなければなりません。
1日目:登山口 →宿泊地A
2日目:宿泊地A →分岐A→A岳→分岐A→宿泊地A
3日目:宿泊地A →分岐A→分岐B→B岳→分岐B→宿泊地B
4日目:宿泊地B →C岳→宿泊地B→分岐B→分岐A→宿泊地A→登山口

むろん、このような入力は、分岐や宿泊地などすべてのチェックポイントを網羅した登山地図がないとほぼ不可能です。Googleマップで登山口や山の位置を特定できても、こうした細かいチェックポイント名までは載っていないことがあります。
そのため、申請にあたっては事前に登山地図を入手しておく必要があります。台湾ハイカーズハンドブック#1でも紹介したような登山アプリが提供されているので、必要に応じてそちらを参照すると良いでしょう。紙の地図を日本で入手することは、現時点では困難なので、臺灣登山申請一站式服務網の登山ルート地図ページから印刷する手もあります。
行程を入力すると、「General knowledge about hiking/ハイキングに関する一般的な知識」についての選択項目があります。こちらは「標高の高い山の危険性などについて知っておいてください」との確認項目です。特にチェックされることはありませんので「オンライン講習」(登山前に動画で注意事項などを確認しておきますという意味)を選んでおけば良いでしょう。
その下は台湾での電話番号を入力する項目ですが、現時点で持っていなければ空欄のまま次に進みます。
台湾で通話可能な電話番号の調達
台湾の山岳地域はネットワーク信号が不安定なため、外国人優先枠での申請では、緊急連絡先として台湾滞在中に連絡可能な電話番号の提出が求められる場合があります。リーダーのみか、チームメンバー全員かは申請ルートによって異なりますが、必要な場合は台湾滞在中に実際に連絡を取れる電話番号を用意します。電話番号付きの台湾SIMカード/eSIMを利用するか、日本の携帯電話会社の海外データローミングができるプランを利用する必要があります。
大手キャリアや格安simには、海外データローミングのプランがあり、SIMやeSIMを購入しなくても、スマホ内で設定するだけで海外でデータ通信と通話が可能です。電話番号も普段利用しているものをそのまま使用できます。
2026年現在、各社が提供しているサービスは以下になります。すでに契約している携帯電話会社があれば、海外データローミングのプランへの加入が手軽かもしれません。
docomo:世界そのままギガ、世界ギガし放題(音声電話は別料金)
au:au海外放題、海外ダブル定額(音声電話は別料金)
SoftBank:海外あんしん定額、海外パケットし放題(音声電話は別料金)
楽天モバイル:海外データローミング(音声電話はRakuten Linkアプリ同士でない場合は別料金)
ahamo:海外データローミング(音声電話は別料金)
UQモバイル:au海外放題、海外ダブル定額(音声電話は別料金)
povo2.0:海外データトッピング(音声電話は別料金)
Y!mobile:海外あんしん定額、海外パケットし放題(音声電話は別料金)
LINEMO:海外あんしん定額、海外パケットし放題(音声電話は別料金)
どのプランも音声電話を利用する場合は国際電話と同様に別途料金がかかります。いくらかかるかは確認が必要です。
申請時に有効な電話番号を記載していない場合、当局から提出を求められるため、海外データローミングのプランを利用しない場合は、事前に台湾の電話番号付きのSIMまたはeSIMを探すか、現地で調達することになります。有効な電話番号を入手したあとに申請が下りる場合もあるので、現地調達の場合はその旨を伝えてください。
⑤基本情報を入力
次に、申請者の情報やチームの情報などの入力に進みます。「Applicant/Agent Info/申請者・代理人情報」では、グループメンバー全員から代理で申請する許可を得ましたという旨のチェックボタンにチェックを入れると、申請者の基本情報入力欄が表示されます。項目に従って英語で入力していきます。

申請後は登録したメールアドレスに申し込み番号や申請の進捗状況や追加書類の依頼などが届くので、すぐに確認できるアドレスを登録してください。
「Leader Info/リーダー情報」では、リーダーが申請者と同じ場合は一番上の項目にチェックを入れてください。申請者と異なる場合は、同じく基本情報を入力します。

「Team Information/チーム情報」内の「お使いの携帯電話番号が台湾でローミングサービスに対応しており、台湾で使用できることをご確認ください。または、台湾の携帯電話番号をご提供ください」という旨の文にチェックを入れると、「Add team member/メンバー追加」のボタンが表示されます。

人数分のメンバーを追加し、基本情報を入力していきます。

「Emergency Coordinator/緊急連絡人」では、チームの所在を把握し、支援や救助が必要になった場合に、当局との連絡を担う人物を登録します。

すべてのルートで必要なわけではないですが、一部の外国人優先枠での申請の場合は台湾籍の緊急連絡人の氏名・連絡先と、台湾滞在中に連絡可能な電話番号の登録が必要です。
特に、林業及自然保育署が管理する檜谷山荘の外国人優先枠や、天池山荘、向陽山屋、嘉明湖山屋の外国人優先枠・一般枠では、台湾籍の緊急連絡人の氏名・連絡先と、台湾滞在中に連絡可能な電話番号の登録が求められています。
一方、玉山主峰ルートの排雲山荘外国人優先枠では「現地の緊急連絡先電話番号」が必要とされていますが、滞在するホテルの電話番号で登録することも可能です。太魯閣国家公園では、入園しない家族の緊急連絡先が求められており、台湾籍とは限定されていません。雪霸国家公園では緊急連絡先について特に言及がありませんでした。
一般枠での申請の場合、上記の天池山荘、向陽山屋、嘉明湖山屋以外の、国家公園などの登山ルートでは、緊急連絡人が台湾籍と規定されていません。そのため、家族の連絡先や「申請者と同じ」で申請が可能です。現地の連絡先が用意できない場合は、倍率が上がりますが、外国人優先枠ではなく一般枠で申請するしかありません。
「Attachment upload data/添付ファイルアップロード」は、特に必要なければ無視して大丈夫です。

宿泊地も問題なければ、右下の認証コードを入力して次に進みます。

⑥申請完了!
無事に申請が完了すると、申請完了ページが表示されます。

申請者の項目で登録したメールアドレスにも、申請完了のメールが届きます。

メールには申請ステータス確認に必要な番号も記載されているため、大切に保管してください。ここから審査が行われ、問題なければ申請が承認されます。
追加で書類提出が必要な場合は登録したメールアドレスに連絡がくるので、ここからはメールでやり取りしていきます。実際にスタッフのパーミッション申請では、以下の連絡がきました。
- メンバー全員の名前と渡航日が証明できる書類の提出
- 全員が現地で通話可能な携帯を所持しているかの確認
- 予約した山荘の支払い方法について
申請ステータスについては、こちらのページに必要情報を入力すると確認できます。

山荘への支払い
申請後に、九九山荘から宿泊料金の支払い案内のメールが届きました。

銀行振込またはATM送金が指定されており、現地からの支払いしか受け付けられなかったため、台湾在住の方に協力をいただきました。パーミッション申請時には山荘への支払い方法が選択できないため、山荘からの案内メールに記載された支払い方法が難しい場合は、オンライン決済や現地決済への変更も可能かどうかなど、メールでの問い合わせが必要になります。
外国人優先枠のある山荘で、オンラインでクレジットカード決済が可能な施設はいくつかあります。
- 排雲山荘
- 九九山荘
- 向陽山屋
- 嘉明湖山屋
- 天池山荘
しかし、台湾Payなど台湾の決済サービスを利用する施設もあり、VISAやマスターカードなら日本発行のカードでも必ず支払えるわけではありません。また、支払いをしてから初めて予約完了となります。パーミッション取得に宿泊地は欠かせないため、山荘への支払いには状況に応じて下記のアクションが必要です。
- クレジットカード決済が可能か山荘に問い合わせる。
- 現地決済が可能か山荘に問い合わせる。
- 台湾在住の方の協力を得る。
実際に玉山の排雲山荘では、当選後に現地決済を希望する場合は、臺灣登山申請一站式服務網のサイト下部にあるメールボックスからその旨を伝えると、玉山登山口にある排雲登山サービスセンターでの現地支払いが可能になります。柔軟に対応してもらえる場合もあるので、困った際にはまずは申請予定の山荘にメールで問い合わせてみてください。
Q&A
パーミッション取得の概要・手続きについては上記の通りですが、ここではより細かな情報や、こんな場合どうする? といったTipsをご紹介します。
複数の国家公園をまたいでハイクするとしたら?
国家公園をまたいでハイクする場合は、それぞれの国家公園ごとに臺灣登山申請一站式服務網で申請する必要があります。
【Case1】たとえば、雪覇国家公園を8/1~8/5までハイクし、8/7から太魯閣国家公園に入る場合、雪覇国家公園に8/1~8/5の行程を申請し、太魯閣国家公園に8/7以降の行程を申請します。この場合、雪覇からの下山日程が早い分には問題ありませんが、遅れてしまうと8/7の太魯閣入園日程に間に合わなくなり、パーミッションが無効となる可能性がありますので要注意です。
【Case2】国家公園から国家公園外の山に縦走する場合、または国家公園からいったん出て再び戻るようなルートの場合には、それぞれ別の日程として申請します。たとえば、太魯閣国家公園内を8/1~8/5までハイクし、8/6~7に太魯閣の外の百岳を登り、8/8にまた太魯閣に戻る場合、太魯閣には8/1~8/5の行程と8/8以降の行程をそれぞれ別個に申請します。

雪覇国家公園のサイトから「九九山荘」を予約し、大霸尖山への入域申請を行うことができる
ルートのグレードって何?
台湾の国家公園では、2021年より安全性や難易度に基づき、登山ルートを第0級〜第6級の7段階で分類する制度が導入されています。
このグレードは、単純に標高だけで決まるものではありません。ルートの距離や所要時間、地形の険しさ、登山道の状態、アクセスのしやすさ、必要な装備、天候など、複数の要素をもとに難易度が設定されています。
第0級:平坦で整備された歩道。車いすやベビーカーでも利用できるレベル。
第1級:半日~1日程度の行程で、比較的歩きやすく、設備も整っている。
第2級:1日程度の行程で、やや傾斜があり一部に難しい箇所もある。
第3級:1~3日程度の行程で、山間部に入り傾斜や気候変化も大きくなる。地図読みなどの基礎的な登山能力が必要。
第4級:3~5日程度、または短期間でも難所を含む行程。より奥深い山域で、険しい地形を含む。
第5級:3~5日以上の行程で、岩稜や難しい地形を含む。困難な地形を通過する技術・経験が必要。
第6級:3~5級の積雪や凍結したルート、または未整備・探検・技術登攀などの特殊ルート。なお、同じ山域でもルートによってグレードが異なります。登山ルートのグレードは臺灣登山申請一站式服務網のこちらのページから確認できるため、計画を立てる際の参考にしてください。
以上、パーミッションの概要や申請手順について、なんとなくでもご理解いただけたかと思います。
申請窓口が統一されて、以前よりもパーミッション取得のハードルが下がったため、ぜひ申請にチャレンジしてください。台湾の山は懐深く日本のハイカーを出迎えてくれるでしょう。
HAPPY TRAIL TAIWAN!
ご注意:
本稿はリサーチャーが日本で入手できる資料(書籍、WEBサイトなど)や台湾当局とのやりとりをもとに、2019年4月時点の情報としてまとめたものを、2026年に改訂したものです。可能な限り事実確認を行い、また、台湾現地協力者の監修を受けて作成しましたが、すべての手段、申請を試したわけではありません。山域や申請内容によって例外事項も存在するものと思われます。事実と異なる内容が含まれる可能性がないとは言えませんので、実際の申請にあたっては現地当局、申請先への確認をお願いいたします。お気づきの点がございましたらご指摘いただければ幸甚です。
















