Hiker's Choice 2017

YEAR END SPECIAL 前編

2017.12.28
Hiker's Choice 2017

YEAR END SPECIAL 前編

2017.12.28

INTORODUCTION

ハイカーの皆さんにとって、2017年は、どんな年だったでしょうか?

山と道は昨年の『山食音』オープンに続き、今年も7月から9月にかけて全国を駆け巡った『HIKE/LIFE/COMMUNITY』ツアー、オンラインショップのリニューアルとウェブメディア『山と道JOURNALS』始動と、激動でした。

そんな2017年を、山と道周辺のハイカーやランナー、識者の「今年買った道具、使った道具」を通じてワイワイと振り返ってみたいと思います。

アンケートを集める前はある程度の傾向が現れて、「今年のビッグヒット!」と呼べるようなものがわかるのではないかと思っていたのですが、結果は見事にバラバラ(笑)。でも、そんなバラバラなチョイスを眺めているのも、妙に楽しいのです。

前編(全2回)となる今回は、山と道がいつもお世話になっているショップやハードコアなハイカー、ランナーたちのCHOICEです。「やっぱりあの道具っていいのか」とか、「こんな道具知らなかった」とか、「この道具あればあれができるぞ」とか、いろんなことを考えながら、皆さんにとっても多くのことがあったであろう2017年を振り返り、2018年のハイキングを展望する機会にしていただければ幸いです。

HAPPY TRAIL!

【OUR FABOURITE SHOPS】

まずは山と道お気に入りのアウトドアショップのスタッフさんたちによるCHOICE。プロの目利きである彼らは、いったいどんな道具に注目していたのか?

土屋智哉/ハイカーズデポ

スカルパ/リベルOD

無雪期であれば、近郊の山から北アルプスまでトレイルランニングシューズで十分対応できると個人的には感じています。しかしバリエーション要素が強くなってくると状況に応じてソールの硬いシューズが欲しくなることも事実。クライミングシューズで例えれば、指先でしっかりスタンスに乗っている足裏感覚を得意とする柔らかいソールがいいときもあれば、細かなスタンスに力を逃さずしっかりと立ち込める硬いソールがいいときもあります。状況に応じて使い分けることは珍しくありません。ハイカーやランナーにとってもこうした使い分けは有効です。トレイルランニングシューズでしっかりと地面を「踏む」感覚を得ることができれば、細かなスタンスや不安定な足元で「力を逃さない」硬いソールの有効性も実感できるはず。軽快な足さばきのローカットシューズですが、ゲイターによる足首の保護、硬いソールでの立ち込み感の実現と、北アルプスのバリエーションハイキングで大活躍してくれました。

ペツル/レパードFL

クランポンの軽量&コンパクト化のブレイクスルー。クランポンの軽量化はフルサイズモデルなら素材をアルミにすることで、またクライミング要素をあまり考慮しないハイキングクランポンなら爪を短くすることでなされてきました。前者ではBDのネーベ、後者ではKahtoolaのKTSなどが代表格ですね。正直クランポンについては軽量化の方向性が思いつきませんでしたが、そんな先入観を完全に覆してくれました。センターバーをダイニーマコードにしてしまうとはまさにUL的発想。コードですからフレックス性は格段に向上。トレイルランニングシューズなどのソールが柔らかいシューズとの相性も問題ありません。もちろん従来よりもきっちりとセッティングすることが必要になりますし、岩稜での使用においては岩との摩擦でダイニーマコードが切れる可能性にも配慮する必要があります。しかしこうした注意事項はULギアにはあたりまえのこと。なにはともあれチェーンスパイク並みの軽さ&コンパクトさはUL的に見逃せません。

スカルパ/リベルOD

無雪期であれば、近郊の山から北アルプスまでトレイルランニングシューズで十分対応できると個人的には感じています。しかしバリエーション要素が強くなってくると状況に応じてソールの硬いシューズが欲しくなることも事実。クライミングシューズで例えれば、指先でしっかりスタンスに乗っている足裏感覚を得意とする柔らかいソールがいいときもあれば、細かなスタンスに力を逃さずしっかりと立ち込める硬いソールがいいときもあります。状況に応じて使い分けることは珍しくありません。ハイカーやランナーにとってもこうした使い分けは有効です。トレイルランニングシューズでしっかりと地面を「踏む」感覚を得ることができれば、細かなスタンスや不安定な足元で「力を逃さない」硬いソールの有効性も実感できるはず。軽快な足さばきのローカットシューズですが、ゲイターによる足首の保護、硬いソールでの立ち込み感の実現と、北アルプスのバリエーションハイキングで大活躍してくれました。

ペツル/レパードFL

クランポンの軽量&コンパクト化のブレイクスルー。クランポンの軽量化はフルサイズモデルなら素材をアルミにすることで、またクライミング要素をあまり考慮しないハイキングクランポンなら爪を短くすることでなされてきました。前者ではBDのネーベ、後者ではKahtoolaのKTSなどが代表格ですね。正直クランポンについては軽量化の方向性が思いつきませんでしたが、そんな先入観を完全に覆してくれました。センターバーをダイニーマコードにしてしまうとはまさにUL的発想。コードですからフレックス性は格段に向上。トレイルランニングシューズなどのソールが柔らかいシューズとの相性も問題ありません。もちろん従来よりもきっちりとセッティングすることが必要になりますし、岩稜での使用においては岩との摩擦でダイニーマコードが切れる可能性にも配慮する必要があります。しかしこうした注意事項はULギアにはあたりまえのこと。なにはともあれチェーンスパイク並みの軽さ&コンパクトさはUL的に見逃せません。

土屋智哉(ハイカーズデポ)
土屋智哉(ハイカーズデポ)

1971年、埼玉県生まれ。東京・三鷹にあるウルトラライトハイキングをテーマにしたショップ、ハイカーズデポのオーナー。古書店で手にした『バックパッキング入門』に魅了され、大学探検部で山を始め、のちに洞窟探検に没頭する。アウトドアショップバイヤー時代にアメリカでウルトラライトハイキングに出会い、自らの原点でもある「山歩き」のすばらしさを再発見。2008年、ジョンミューアトレイルをスルーハイクしたのち、幼少期を過ごした三鷹にハイカーズデポをオープンした。現在は自ら経営するショップではもちろん、雑誌、ウェブなど様々なメディアで、ハイキングの楽しみ方やカルチャーを発信している。著書 『ウルトラライトハイキング』(山と渓谷社)

千代田高史/ムーンライトギア

ハイパーライトマウンテンギア/ザ・シェル

フルジップでとにかく軽く、激しく肌に触れる部分はサラッと感じるので半袖のファーストレイヤーの上に着用する蒸し暑い時期に最適だと思う。ミニマルな道具を背負う20L付近の小さめザックやザック自体を背負わないアクティビティで滝汗をかくような局面でもどんどん換気してくれる確かな通気性能は素晴らしい。また、アルピニストや冬のバックカントリーなどをやらない限りはなかなか6万円を超えるハードシェルを選ぶ人は特にハイカーだと少ないと思うが、軽さ、確かな透湿性、強度、さらに特別感ある見た目を加味すると高価でありながら納得する理由がしっかりある点で選びやすい。このバランスが一番の魅力かと思います。値段が高いと感じないのがすごい。

キュムラス/セルバ125

今まで決定打がなかった重量を抑えながらもしっかりと眠れるハンモックアンダーキルトの個人的決定版。実測で240gは軽量なエアマットと変わらない重量で、10℃なら快眠、5℃付近なら薄手の山と道ミニマリストなどの極薄マットをダウンとハンモックの外側に挟むなどのブースターを工夫するだけでホカホカレベルがupします。南の島でも行かない限り、夏でもハンモックは夜半は寒く感じることがあると思うのですが、スリーシーズンを広くカバーする点でこいつの活用シーンは広い。ハンモックは木の無い稜線ではもちろん活用はできませんが、様々な場所で路面環境に左右されず使えるのは魅力。また、コンパクトに収納可能なのでファストパッキングやバイクパッキングでも積極的に使えるのが一番の良いところかなと。

ハイパーライトマウンテンギア/ザ・シェル

フルジップでとにかく軽く、激しく肌に触れる部分はサラッと感じるので半袖のファーストレイヤーの上に着用する蒸し暑い時期に最適だと思う。ミニマルな道具を背負う20L付近の小さめザックやザック自体を背負わないアクティビティで滝汗をかくような局面でもどんどん換気してくれる確かな通気性能は素晴らしい。また、アルピニストや冬のバックカントリーなどをやらない限りはなかなか6万円を超えるハードシェルを選ぶ人は特にハイカーだと少ないと思うが、軽さ、確かな透湿性、強度、さらに特別感ある見た目を加味すると高価でありながら納得する理由がしっかりある点で選びやすい。このバランスが一番の魅力かと思います。値段が高いと感じないのがすごい。

キュムラス/セルバ125

今まで決定打がなかった重量を抑えながらもしっかりと眠れるハンモックアンダーキルトの個人的決定版。実測で240gは軽量なエアマットと変わらない重量で、10℃なら快眠、5℃付近なら薄手の山と道ミニマリストなどの極薄マットをダウンとハンモックの外側に挟むなどのブースターを工夫するだけでホカホカレベルがupします。南の島でも行かない限り、夏でもハンモックは夜半は寒く感じることがあると思うのですが、スリーシーズンを広くカバーする点でこいつの活用シーンは広い。ハンモックは木の無い稜線ではもちろん活用はできませんが、様々な場所で路面環境に左右されず使えるのは魅力。また、コンパクトに収納可能なのでファストパッキングやバイクパッキングでも積極的に使えるのが一番の良いところかなと。

千代田高史/NOMADICS  ムーンライトギア
千代田高史/NOMADICS ムーンライトギア

東京・岩本町にあるアウトドアショップ・ムーンライトギアの代表とバイヤーを務める傍ら、海外ブランドのディストリビューション、イベント運営、オリジナルプロダクトの開発など、アウトドアシーンを舞台にさまざまな活動を展開中。自身もハイキング、ファストパッキング、バイクパッキングなどを通じてチャレンジングな旅の発信を行っている。

菅野哲/TーMountain

OMM/カムレイカ・ミッツ

OMMを代表するカムレイカファブリックがさらに高機能にチェンジ。超軽量コンパクトなミットがめちゃ使い勝手良くてお気に入り。インナーグローブの上から4WAYストレッチでストレスなく適度にフィットし、高い耐水圧と優れた通気性で悪天候の中でも快適に遊べる。素材自体も水分を含みにくくなって蒸れなさも向上している。ちなみにカムレイカパンツの予備バンジーコードがリストホルダーにもってこいの便利さ(笑)。ペアで30g。

アークテリクス/ノーヴァンSLフーディ

ゴアテックスシェイクドライを採用した、最も軽量で蒸れにくい部類のアウタージャケット。実測113gの超軽量ながらもちろん完全防水、本体は全て圧着シームレスなのでとてもしなやかで動きやすく、マウンテンランニングやULハイクにとても重宝している。とにかく抜群の透湿性が武器となり、ウィンドブレーカーを持たずにこれ一着でまかなえる場合が多い。先日のスノーランでは、逆にお腹が冷えすぎて困ったくらい(笑)。

天狗堂宝船/エネモチ

とにかくウマい! お餅もクルミも好物なので、新発売からずっと飽きることなくお気に入り。飲み込みやすい粘度と厚みで、天然の糖質パラチノースが持つスローカロリーな特性は、ゆっくり吸収でエネルギー長持ちし、登山やトレイルランレースで好んで利用している。

OMM/カムレイカ・ミッツ

OMMを代表するカムレイカファブリックがさらに高機能にチェンジ。超軽量コンパクトなミットがめちゃ使い勝手良くてお気に入り。インナーグローブの上から4WAYストレッチでストレスなく適度にフィットし、高い耐水圧と優れた通気性で悪天候の中でも快適に遊べる。素材自体も水分を含みにくくなって蒸れなさも向上している。ちなみにカムレイカパンツの予備バンジーコードがリストホルダーにもってこいの便利さ(笑)。ペアで30g。

アークテリクス/ノーヴァンSLフーディ

ゴアテックスシェイクドライを採用した、最も軽量で蒸れにくい部類のアウタージャケット。実測113gの超軽量ながらもちろん完全防水、本体は全て圧着シームレスなのでとてもしなやかで動きやすく、マウンテンランニングやULハイクにとても重宝している。とにかく抜群の透湿性が武器となり、ウィンドブレーカーを持たずにこれ一着でまかなえる場合が多い。先日のスノーランでは、逆にお腹が冷えすぎて困ったくらい(笑)。

天狗堂宝船/エネモチ

とにかくウマい! お餅もクルミも好物なので、新発売からずっと飽きることなくお気に入り。飲み込みやすい粘度と厚みで、天然の糖質パラチノースが持つスローカロリーな特性は、ゆっくり吸収でエネルギー長持ちし、登山やトレイルランレースで好んで利用している。

菅野哲/T-Mountain
菅野哲/T-Mountain

T-mountain代表。四国・松山城の麓で山系アウトドアセレクトショップを営む。山は歩く、走る、攀じる、滑る、どれも好き。20代から日本の主要な山はもちろん、海外の山へも出かけてきた。近年は、自分の生活に密着した里山や決して特別ではない近くにある山々の魅力に深く心をくすぐられている。
四国の素晴らしい自然を世界へ発信するため、日々あちこちでソトアソビ実践中。三人の愛娘との登山が最も至福の時。

鷹巣 真也/Run boys! Run girls!

アルトラ/ティンプトレイル

今年の目標であったアメリカの超ロングレース。足元を守るバディとして心待ちにしていたのがALTRAのTIMP TRAIL。アメリカのトレイルを走るならば、アメリカのブランドが最もその環境に適したものだろうという計算と、数年使用し続けたALTRAシューズへの信頼、ロングモデル用として設計されたモデルであること、それらがTIMPを選択するに足る理由だった。モデルのポジションは、ユーティリティなLONE PEAKと、ロング用クッションタイプのOLYMPUSの中間で、高いクッション性を持つ(OLYMPUSに比べ)軽量スピード重視のモデルといえる。アッパーの通気性と柔軟性は高く、特長的なシューレースデザイン、広いフットボックスは長時間でもリラックスした履き心地により、完走までをしっかりサポートしてくれた。高いクッション性は重量を担ぐハイキングや登山へも積極的に利用する価値アリ。

アルトラ/ティンプトレイル

今年の目標であったアメリカの超ロングレース。足元を守るバディとして心待ちにしていたのがALTRAのTIMP TRAIL。アメリカのトレイルを走るならば、アメリカのブランドが最もその環境に適したものだろうという計算と、数年使用し続けたALTRAシューズへの信頼、ロングモデル用として設計されたモデルであること、それらがTIMPを選択するに足る理由だった。モデルのポジションは、ユーティリティなLONE PEAKと、ロング用クッションタイプのOLYMPUSの中間で、高いクッション性を持つ(OLYMPUSに比べ)軽量スピード重視のモデルといえる。アッパーの通気性と柔軟性は高く、特長的なシューレースデザイン、広いフットボックスは長時間でもリラックスした履き心地により、完走までをしっかりサポートしてくれた。高いクッション性は重量を担ぐハイキングや登山へも積極的に利用する価値アリ。

鷹巣 真也/Run boys! Run girls!
鷹巣 真也/Run boys! Run girls!

学生時代から就職後の数年までは音楽を趣味としていたが、加齢とともに緩む身体と損なわれる健康に不安を覚え、健康促進のためにトレイルランニングを始める。当初はトレーニング目的であったが、トレイルランニングと山に魅了され、良き仲間との出会いもあり、現在は趣味の枠を超えて仕事としても従事するに至る。トレイルラングと山の事を考えて生活出来ることに幸せを感じる日々。トレイルランニングショップ店員(Run boys! Run girls!勤務)

HECTOR HOME/COW RECORDS

緑兎子の木製カトラリー

私がこのカトラリーセットを選んだひとつ目のポイントは、スプーンに塗られた漆です。台湾産の楠に漆を塗ることで、高温多湿な気候の台湾でも腐食せず傷つきにくくなっています。また、アルカリや酸、熱にも強くなります。ふたつ目のポイントは、フォークの材質です。柄がスパチュラにもなるフォークは、台湾の苦茶の木でできています。この苦茶の木は色や木目が美しく、気孔の少ない部位を使用することで耐久性も高めています。3つ目のポイントはエコロジカルであることです。ハイキング時だけでなく、日常的にできるだけ使い捨て食器を使わないように心がけているので、いつでもどこでも活躍しています。4つ目のポイントは軽さです。スプーンとフォークのセットの重さは21.5gしかないので、ハイキングに持っていくのにぴったりです。

緑兎子の木製カトラリー

私がこのカトラリーセットを選んだひとつ目のポイントは、スプーンに塗られた漆です。台湾産の楠に漆を塗ることで、高温多湿な気候の台湾でも腐食せず傷つきにくくなっています。また、アルカリや酸、熱にも強くなります。ふたつ目のポイントは、フォークの材質です。柄がスパチュラにもなるフォークは、台湾の苦茶の木でできています。この苦茶の木は色や木目が美しく、気孔の少ない部位を使用することで耐久性も高めています。3つ目のポイントはエコロジカルであることです。ハイキング時だけでなく、日常的にできるだけ使い捨て食器を使わないように心がけているので、いつでもどこでも活躍しています。4つ目のポイントは軽さです。スプーンとフォークのセットの重さは21.5gしかないので、ハイキングに持っていくのにぴったりです。

HECTOR HOME/COW RECORDS
HECTOR HOME/COW RECORDS

台北のセレクトショップ〈COW RECORDS〉オーナー。山と道をはじめ、イフユーハブ、リッジマウンテンギア、ブラウン・バイ・2タックスなど日本のインディペンデント・メーカーの製品を台湾に紹介している。来年は山と道と共に新しいプロジェクトを立ち上げるかも? 山と道のウェブサイトでイラストとグラフィックデザインを担当しているKOH BODYの実兄。

【HARDCORE HIKERS】

歩けば歩くほど、装備は洗練され、研ぎ澄まされていく!?
ロングディスタンスを歩くハードコアなハイカーのCHOICE。

GNU(長沼商史)/自然愛好家 元スルーハイカー

ハンモックギア/インキュベターイーコン10

「冬にハンモックって背中寒くない?」をぶっ飛ばすアイテム。寒がりな自分用に10°F(-12℃)を購入。それ以下の気温でハンモック自体使う可能性が自分には低そうなのでこの温度帯を選択。初めてのハイキングでのキャンプがハンモックだったので、ハンモックには少しだけ思い入れがあるので冬でもハンモックを使いたい。まだ0℃くらいでしか使っていないけど、もう少し寒くなるのが楽しみだ。

Zパックス/キューベンタープ 8.5ft✕10ft & 7ft✕9ft

以前はオーダーした5.5ft✕8.5ftのキューベンのタープを使用していたけど少し大きめが欲しくて購入。218g(8.5ft x 10ft),178g(7ft x 9ft)と軽量で、以前使ってたものより生地の厚みが薄く(.51oz/sqrd)、届いた時「薄っ!」って感じ「あぁ、使うのに気を使いそう・・・」と思ったけど、いざ使ってみると全く気にせず使えてる。地べたで寝るときにも、ハンモックにも使える。キューベン大好きだけど、やっぱし高い・・(笑)。

ナンガ&ハイランドデザイン/ダウンカーディガン

135gと訳がわからないくらい軽量。「なかなかやるなっ!」の暖かさ。綺麗すぎてまだ町でしか着ていないけど、これまで「薄めのダウンもっていくかなぁ」の時はこいつでかなりの軽量化が期待できる。自分的には薄手持ってくかの時期のハイクは一年の中でも回数が多い方なので来年が楽しみ。インナーとしても使えるので今季冬にも活躍する!?

883デザインズ/ウエストバッグ

以前から883デザインのウエストバッグは愛用していたけど、肩に斜めがけで使いすぎて紐の付け根が切れてきたので購入。これは斜めがけ仕様で腰に回す紐の付け根が斜めに縫い付けて角度が斜めがけ用になっているのでつけ心地もいいし、切れることもないだろうと思う。すでにヘビロテ。ハイキング始めたときからウエストバッグ派。

ハイランドデザイン/GNUシェド+ケープ

自分の名前が入ってしまったケープ兼シェルター。シェルターというには小さいけど1~2泊なら全然問題なく、雨も工夫次第で大丈夫。130gで雨具と工夫すりゃ寝られるシェルターって・・・ULです、これ。このアホさが大好き。非常用と考えたら真面目な話、安全と軽量一挙両得。

シマノ/ビーストマスターSTC

ハイキング道具じゃないけど俺的にはハイキングと釣りはリンクしているのでこの竿。8ftで120gまで投げられる。来春はこいつでロウニンアジ(小型希望)を獲りたい。歩くのにも藪にも、持ち運びにも便利な5本継ぎで仕舞寸法は約60cm。この小さくなる竿には夢が詰まっている(笑)。

アーバンテック/スーパーデリオス

最近は何千キロと長く歩いてない、もっぱら数泊のハイク、長くても1,2週間なのでこいつを利用している。長く歩くなら水質の良くない場面もあるからsawyer一択だけど、国内の短いハイクなら水質もそんなに悪くはないので小型で軽量なスーパーデリオスを使用してる。

ハンモックギア/インキュベターイーコン10

「冬にハンモックって背中寒くない?」をぶっ飛ばすアイテム。寒がりな自分用に10°F(-12℃)を購入。それ以下の気温でハンモック自体使う可能性が自分には低そうなのでこの温度帯を選択。初めてのハイキングでのキャンプがハンモックだったので、ハンモックには少しだけ思い入れがあるので冬でもハンモックを使いたい。まだ0℃くらいでしか使っていないけど、もう少し寒くなるのが楽しみだ。

Zパックス/キューベンタープ 8.5ft✕10ft & 7ft✕9ft

以前はオーダーした5.5ft✕8.5ftのキューベンのタープを使用していたけど少し大きめが欲しくて購入。218g(8.5ft x 10ft),178g(7ft x 9ft)と軽量で、以前使ってたものより生地の厚みが薄く(.51oz/sqrd)、届いた時「薄っ!」って感じ「あぁ、使うのに気を使いそう・・・」と思ったけど、いざ使ってみると全く気にせず使えてる。地べたで寝るときにも、ハンモックにも使える。キューベン大好きだけど、やっぱし高い・・(笑)。

ナンガ&ハイランドデザイン/ダウンカーディガン

135gと訳がわからないくらい軽量。「なかなかやるなっ!」の暖かさ。綺麗すぎてまだ町でしか着ていないけど、これまで「薄めのダウンもっていくかなぁ」の時はこいつでかなりの軽量化が期待できる。自分的には薄手持ってくかの時期のハイクは一年の中でも回数が多い方なので来年が楽しみ。インナーとしても使えるので今季冬にも活躍する!?

883デザインズ/ウエストバッグ

以前から883デザインのウエストバッグは愛用していたけど、肩に斜めがけで使いすぎて紐の付け根が切れてきたので購入。これは斜めがけ仕様で腰に回す紐の付け根が斜めに縫い付けて角度が斜めがけ用になっているのでつけ心地もいいし、切れることもないだろうと思う。すでにヘビロテ。ハイキング始めたときからウエストバッグ派。

ハイランドデザイン/GNUシェド+ケープ

自分の名前が入ってしまったケープ兼シェルター。シェルターというには小さいけど1~2泊なら全然問題なく、雨も工夫次第で大丈夫。130gで雨具と工夫すりゃ寝られるシェルターって・・・ULです、これ。このアホさが大好き。非常用と考えたら真面目な話、安全と軽量一挙両得。

シマノ/ビーストマスターSTC

ハイキング道具じゃないけど俺的にはハイキングと釣りはリンクしているのでこの竿。8ftで120gまで投げられる。来春はこいつでロウニンアジ(小型希望)を獲りたい。歩くのにも藪にも、持ち運びにも便利な5本継ぎで仕舞寸法は約60cm。この小さくなる竿には夢が詰まっている(笑)。

アーバンテック/スーパーデリオス

最近は何千キロと長く歩いてない、もっぱら数泊のハイク、長くても1,2週間なのでこいつを利用している。長く歩くなら水質の良くない場面もあるからsawyer一択だけど、国内の短いハイクなら水質もそんなに悪くはないので小型で軽量なスーパーデリオスを使用してる。

GNU(長沼商史)
GNU(長沼商史)

PCTやTe Araroa,CTのスルーハイカーで、釣り竿持ってハイクしたそれらのトレイルの記録『釣歩日記』の著者。
釣り、ハイキング、サーフィン、旅が人生の一部、自然が大好き。
最近は人の少ないウィルダネス中毒。

河戸良佑/イラストレーター、スルーハイカー

マウンテンローレルデザイン/ソロミッドXL

CDT初日にシェルターがボロボロであることに気付き、「なぜ日本で新調しなかったのだ!」と、激しく後悔していたところ、その姿を見て心配するハイカー達にMLDを勧められた。新しいシェルターに求めていた性能は、4000m近くの稜線でも耐えうるものである事。実際、コロラドの強風が吹き荒れる状況下でも、倒壊せずにズッシリと立つ姿は神々しく、それからはMLD様(それまではMLDちゃん)と呼ばせていただくようになった。オプションで、縁から地面に垂れる蚊帳を付けたおかげで、羽虫の侵入だけでなく、雪や落ち葉が吹き込こみから守ってくれた。何故か大きなXLを買ってしまったが、それでも350g程しかない。嬉しい誤算として、巨大なので結露しても体が幕も接触することがなく、とても快適だった事。2人寝れそうな大きさなので、いつかトレイル上で出会った美女を招き入れたいと夢見たが、ついぞその夢は叶う事はなかった。

山と道 / Merino Hoody

下山時に、女性ハイカーに「スケッチおしゃれネ」と言われたくてアメリカに持っていたが、結果的に、ハイク中もっとも重宝したウェアとして大活躍した。標高4000mを超えるコロラドセクションでは、天候が移り変わりが激しく、凍る様な冷気に晒された次の瞬間には、肌をジリジリと焼く様な日差しが降り注ぐのは連日の事で、その様な状況下でも、メリノウールは汗に濡れても、しっかりと保温力を保っていた。また、大きなカンガルーポケットは私のお気に入りで、気温の変化に合わせて、グローブ、ニット帽、サングラスなどの小物を素早く出し入れでき、更に衣服が入っていると腹部の保温力が上がり、冷えから私を守ってくれた。それでも寒い時は手を入れて腹をさすったりと、とにかくあらゆる状況に対応できるウェアだった。スルーハイクで頻繁に使ったが、破れやほつれはできなかった。

ニーモ/テンサーインサレーテッド20R

CDTハイク中に、2ヶ月ほど使っていたマットがヘタって薄くなった為、地面からの冷気で寝られない日々が続き、今後、雪上泊も予想されたのでニーモのエアマットを購入。実際にコロラドで雪上泊した際は、地面からの冷気は感じず、むしろ僅かな温かみを感じることができ、安眠することができた。半年続くトレイルにおいては、夜に凍える心配がなく安心して瞼を閉じれる事は、精神的にかなり楽だった。(寒さでマット内の空気圧が下がり、夜中に2回ほど空気を入れ直さないといけなかったが……)重量は410gと然程軽量では無いように感じるが、保温力が高かったので、思い切って就寝時の防寒具を削ることができた。だから、実際のところは、総重量が増えた感覚は無く、小さく収納することができたので、ザックをもう一段階軽量の物に変えても良いかもと、さえ思えた。唯一、不満だった事は、サイズが122cm、183cmしかなく、身長180cmの私には122cmは小さすぎて、183cmを買うしか選択肢がなかった。腰から太腿までをカバーできる160cm前後のサイズがあったらいいのになあ、と何度も思った。

マウンテンローレルデザイン/ソロミッドXL

CDT初日にシェルターがボロボロであることに気付き、「なぜ日本で新調しなかったのだ!」と、激しく後悔していたところ、その姿を見て心配するハイカー達にMLDを勧められた。新しいシェルターに求めていた性能は、4000m近くの稜線でも耐えうるものである事。実際、コロラドの強風が吹き荒れる状況下でも、倒壊せずにズッシリと立つ姿は神々しく、それからはMLD様(それまではMLDちゃん)と呼ばせていただくようになった。オプションで、縁から地面に垂れる蚊帳を付けたおかげで、羽虫の侵入だけでなく、雪や落ち葉が吹き込こみから守ってくれた。何故か大きなXLを買ってしまったが、それでも350g程しかない。嬉しい誤算として、巨大なので結露しても体が幕も接触することがなく、とても快適だった事。2人寝れそうな大きさなので、いつかトレイル上で出会った美女を招き入れたいと夢見たが、ついぞその夢は叶う事はなかった。

山と道 / Merino Hoody

下山時に、女性ハイカーに「スケッチおしゃれネ」と言われたくてアメリカに持っていたが、結果的に、ハイク中もっとも重宝したウェアとして大活躍した。標高4000mを超えるコロラドセクションでは、天候が移り変わりが激しく、凍る様な冷気に晒された次の瞬間には、肌をジリジリと焼く様な日差しが降り注ぐのは連日の事で、その様な状況下でも、メリノウールは汗に濡れても、しっかりと保温力を保っていた。また、大きなカンガルーポケットは私のお気に入りで、気温の変化に合わせて、グローブ、ニット帽、サングラスなどの小物を素早く出し入れでき、更に衣服が入っていると腹部の保温力が上がり、冷えから私を守ってくれた。それでも寒い時は手を入れて腹をさすったりと、とにかくあらゆる状況に対応できるウェアだった。スルーハイクで頻繁に使ったが、破れやほつれはできなかった。

ニーモ/テンサーインサレーテッド20R

CDTハイク中に、2ヶ月ほど使っていたマットがヘタって薄くなった為、地面からの冷気で寝られない日々が続き、今後、雪上泊も予想されたのでニーモのエアマットを購入。実際にコロラドで雪上泊した際は、地面からの冷気は感じず、むしろ僅かな温かみを感じることができ、安眠することができた。半年続くトレイルにおいては、夜に凍える心配がなく安心して瞼を閉じれる事は、精神的にかなり楽だった。(寒さでマット内の空気圧が下がり、夜中に2回ほど空気を入れ直さないといけなかったが……)重量は410gと然程軽量では無いように感じるが、保温力が高かったので、思い切って就寝時の防寒具を削ることができた。だから、実際のところは、総重量が増えた感覚は無く、小さく収納することができたので、ザックをもう一段階軽量の物に変えても良いかもと、さえ思えた。唯一、不満だった事は、サイズが122cm、183cmしかなく、身長180cmの私には122cmは小さすぎて、183cmを買うしか選択肢がなかった。腰から太腿までをカバーできる160cm前後のサイズがあったらいいのになあ、と何度も思った。

河戸良佑
河戸良佑

独学で絵を描いていたら、いつの間にかイラストレーターに。 
2015年にPacific Crest Trail、2017年にContinental Divid Trailをスルーハイク。
アメリカで歩きながら絵を描いていたので、トレイルネームはスケッチ。

根津貴央/ライター

ライペン / マカルー80L

グレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT)を歩くにあたり、バックパックは軽くて丈夫で大容量であることがマストでした。そこで今年、いろいろ悩んだ末に選んだのがコレです。フレームレス、シンプルなデザイン、薄っぺらなウエストハーネス……一見、近年のトレンドに逆行するかのようですが、めちゃくちゃ背負い心地がよく、1カ月超にわたる長旅を難なく乗り越えてくれました。もちろん、シンプルがゆえに、パッキングの仕方であったり背負い方であったりと、正しい使い方が求められます。でもそれは、正しい走り方を知らずに薄底シューズを履いてもケガをするだけ、ってのと一緒です。自分の頭でちゃんと考えてモノを使う楽しさ。それも味わうことのできる素晴らしいバックパックだと思います。

ライペン / マカルー80L

グレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT)を歩くにあたり、バックパックは軽くて丈夫で大容量であることがマストでした。そこで今年、いろいろ悩んだ末に選んだのがコレです。フレームレス、シンプルなデザイン、薄っぺらなウエストハーネス……一見、近年のトレンドに逆行するかのようですが、めちゃくちゃ背負い心地がよく、1カ月超にわたる長旅を難なく乗り越えてくれました。もちろん、シンプルがゆえに、パッキングの仕方であったり背負い方であったりと、正しい使い方が求められます。でもそれは、正しい走り方を知らずに薄底シューズを履いてもケガをするだけ、ってのと一緒です。自分の頭でちゃんと考えてモノを使う楽しさ。それも味わうことのできる素晴らしいバックパックだと思います。

根津貴央
根津貴央

ロングハイキングが好きで国内外のトレイルに足を運ぶ。2014年からは、ヒマラヤ山脈を貫くグレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT)の踏査プロジェクト(GHT Project)に参画。「ヒマラヤは世界最大の里山だ」をコンセプトに歩き旅をつづけている。近年は、道具よりカラダという思考に至り、ギアに使っていたお金を身体のメンテナンスに充てている。

【MOUNTAIN RACERS】

超長距離山岳耐久レースで自身の限界に挑戦し続ける猛者たちは、今年、いったいどんな道具を選んだのか? TJARやトルデジアン、PTL(UTMB)などにも出場している小野雅弘選手と雨宮浩樹選手のCHOICE。

小野雅弘/山岳耐久レーサー

グイデッティ/プルーメ2ブレインズ

フランスのトレッキングポールメーカーの超軽量カーボンポール。一昨年から同社のplumeという一本もののポールを愛用していて、110㎝で重量80g!軽くて細いので実重量以上にスイングウェイトが軽くて反応も良い。それでいて高密度のカーボンで耐久性も十分。一本ものだからこそのこの性能だけど、分割できればより使える範囲が広がるかなと思っていたところ、昨年待望の分割式が出たけどグリップがノルディックウォーク用のものでシャフトの軽さがもったいない。ということで分割式に軽いグリップを付けて欲しいと日本の代理店からお願いしてもらって日本別注として作ってもらったもの。結果110㎝で100gと分割式ながら超軽量に仕上がった。やはり通常のプルーメに比べると多少反応は遅くなる感じはあるものの、シャフト径が細いのでスイングウエイトは相変わらず軽い。通常のプルーメは最高だけどルートや状況などに応じて選択肢が広がった。

カエノン/ソフトコア(写真右)ハードコア(写真左)

今まで色々なメーカーのサングラスを使ってきたけどレンズってこんなに違うのかと感動した一品。これまで使っていたものは、行動当初はかけているものの、汗をかいたり、長時間行動していると気になってきて途中から頭の上に乗せっぱなしでファッション的な感じになっていたけど、これはレンズの歪みがなくずっとかけていても本当に気にならない。ハードコアは極太フレームでインパクト大。ソフトコアは軽量でよりフィット感が高い。レンズカラーもいくつかあるけど個人的にお気に入りなのはG28という少し薄めのブラック。晴天から夕方くらいまで幅広く使えて色味も見やすいのが山にちょうど良い。今度は普通のウェリントン型のものも試してみたい。

モンチュラ/サーモウールアノラック

日中のレースや日帰りの時は化繊のベースレイヤーを使うけど、数日の縦走や夜間行動時などはやはりウールが良い。数日の縦走などだと天候変化も大きく雨や汗で濡れることも多いがウールは汗冷えを感じにくいのでここ2、3年、夏場の縦走はウールのシャツを愛用している。冬場のベースレイヤーは去年までは保温性と通気性でポーラテックのグリッドとか使うことが多かったけどこれはメインがポリエステルとウールの混紡のグリッドで保温性と通気性に加えて汗冷えを感じにくく化繊とウールのいいとこどり。さらにサイドと袖の裏側、首の部分はウールとモンチュラらしい凝った造り。冬のベースレイヤーから夏の保温着まで幅広く使えそう。

グイデッティ/プルーメ2ブレインズ

フランスのトレッキングポールメーカーの超軽量カーボンポール。一昨年から同社のplumeという一本もののポールを愛用していて、110㎝で重量80g!軽くて細いので実重量以上にスイングウェイトが軽くて反応も良い。それでいて高密度のカーボンで耐久性も十分。一本ものだからこそのこの性能だけど、分割できればより使える範囲が広がるかなと思っていたところ、昨年待望の分割式が出たけどグリップがノルディックウォーク用のものでシャフトの軽さがもったいない。ということで分割式に軽いグリップを付けて欲しいと日本の代理店からお願いしてもらって日本別注として作ってもらったもの。結果110㎝で100gと分割式ながら超軽量に仕上がった。やはり通常のプルーメに比べると多少反応は遅くなる感じはあるものの、シャフト径が細いのでスイングウエイトは相変わらず軽い。通常のプルーメは最高だけどルートや状況などに応じて選択肢が広がった。

カエノン/ソフトコア(写真右)ハードコア(写真左)

今まで色々なメーカーのサングラスを使ってきたけどレンズってこんなに違うのかと感動した一品。これまで使っていたものは、行動当初はかけているものの、汗をかいたり、長時間行動していると気になってきて途中から頭の上に乗せっぱなしでファッション的な感じになっていたけど、これはレンズの歪みがなくずっとかけていても本当に気にならない。ハードコアは極太フレームでインパクト大。ソフトコアは軽量でよりフィット感が高い。レンズカラーもいくつかあるけど個人的にお気に入りなのはG28という少し薄めのブラック。晴天から夕方くらいまで幅広く使えて色味も見やすいのが山にちょうど良い。今度は普通のウェリントン型のものも試してみたい。

モンチュラ/サーモウールアノラック

日中のレースや日帰りの時は化繊のベースレイヤーを使うけど、数日の縦走や夜間行動時などはやはりウールが良い。数日の縦走などだと天候変化も大きく雨や汗で濡れることも多いがウールは汗冷えを感じにくいのでここ2、3年、夏場の縦走はウールのシャツを愛用している。冬場のベースレイヤーは去年までは保温性と通気性でポーラテックのグリッドとか使うことが多かったけどこれはメインがポリエステルとウールの混紡のグリッドで保温性と通気性に加えて汗冷えを感じにくく化繊とウールのいいとこどり。さらにサイドと袖の裏側、首の部分はウールとモンチュラらしい凝った造り。冬のベースレイヤーから夏の保温着まで幅広く使えそう。

小野雅弘
小野雅弘

TJAR2012 4位、トルデジアン(伊)2014、2105 5位など超長距離山岳レースを得意とするが、「面白そうなことをやってみる」をモットーにアドベンチャーレース、山岳スキー、スノーボード、山岳縦走、MTBなど趣味としてアウトドアスポーツ全般を楽しんでいる。

雨宮浩樹/山岳耐久レーサー 走れる山ヤ&山スキーヤー

山と道/アルファハラマキ

数年前に北海道で走り始めてから、腹部の保温の重要性を感じ、アウトドア用腹巻は5年以上使用歴があった。ランニングやアウトドアで腹巻に求める性能は暖かく通気性があり、型崩れしにくく、装着しやすいことと高望みはしていない(?)つもりだった。色々なメーカーの腹巻を使用していたが、チューブ型だと丸まってしまうし、チャック型だとフィット感がでないものが多く、満足できる腹巻には出会えていなかった。
縁あってアルファハラマキの試作品をPTL2017というレースで使用させてもらえることになった。PTL2017は天候が悪く、標高2,000mを越える山岳地帯で雨や雪が断続的に降り続けるような気象条件で、体調不良もありほぼすべての時間帯で装着した。マジックテープでの装着は簡単かつフィット感もよいうえに型崩れもほとんどなく、蒸れにくく暖かで求める性能をほぼ完全に網羅していた。ただの腹巻とあなどるなかれ!

山と道/メリノフーディ

アウトドアの防寒着といえば、羽毛ダウン・化繊ダウン・メリノウールが思い当たる。羽毛ダウンは濡れると保温力が大幅に低下してしまうのは周知のとおりだ。化繊ダウンとメリノウールを比較すると乾きやすさと暖かさでは化繊ダウンが上回っていると思う。山で行動もできる防寒着は化繊ダウンがベスト、と思っていた。
とある山行中に3日間ほど断続的な雨の中を行動する必要があり、その時のウェアリングはメリノフーディ直着に雨具、その組合せが今まで経験したことがない快適さだった。
晴れ間がのぞく日中はメリノフーディ1枚で暑ければ袖をまくり、ジッパーを開ければ容易に体温調節が可能。
雨が降れば雨具のアンダーとして、寒くなったらフードをかぶり、さらに寒くなったら化繊ダウンのアンダーとしても快適で、多少濡れてもさらっとした着心地を維持してくれた。
真の全天候型ウェアの素材はメリノウールしかない、と鞍替えしたきっかけになったウェアだ。

山と道/アルファハラマキ

数年前に北海道で走り始めてから、腹部の保温の重要性を感じ、アウトドア用腹巻は5年以上使用歴があった。ランニングやアウトドアで腹巻に求める性能は暖かく通気性があり、型崩れしにくく、装着しやすいことと高望みはしていない(?)つもりだった。色々なメーカーの腹巻を使用していたが、チューブ型だと丸まってしまうし、チャック型だとフィット感がでないものが多く、満足できる腹巻には出会えていなかった。
縁あってアルファハラマキの試作品をPTL2017というレースで使用させてもらえることになった。PTL2017は天候が悪く、標高2,000mを越える山岳地帯で雨や雪が断続的に降り続けるような気象条件で、体調不良もありほぼすべての時間帯で装着した。マジックテープでの装着は簡単かつフィット感もよいうえに型崩れもほとんどなく、蒸れにくく暖かで求める性能をほぼ完全に網羅していた。ただの腹巻とあなどるなかれ!

山と道/メリノフーディ

アウトドアの防寒着といえば、羽毛ダウン・化繊ダウン・メリノウールが思い当たる。羽毛ダウンは濡れると保温力が大幅に低下してしまうのは周知のとおりだ。化繊ダウンとメリノウールを比較すると乾きやすさと暖かさでは化繊ダウンが上回っていると思う。山で行動もできる防寒着は化繊ダウンがベスト、と思っていた。
とある山行中に3日間ほど断続的な雨の中を行動する必要があり、その時のウェアリングはメリノフーディ直着に雨具、その組合せが今まで経験したことがない快適さだった。
晴れ間がのぞく日中はメリノフーディ1枚で暑ければ袖をまくり、ジッパーを開ければ容易に体温調節が可能。
雨が降れば雨具のアンダーとして、寒くなったらフードをかぶり、さらに寒くなったら化繊ダウンのアンダーとしても快適で、多少濡れてもさらっとした着心地を維持してくれた。
真の全天候型ウェアの素材はメリノウールしかない、と鞍替えしたきっかけになったウェアだ。

雨宮浩樹
雨宮浩樹

登山と山スキーを中心に活動している最中にトレイルランに出会い、走ることにも楽しみを見出す。
長距離縦走や山旅の手段としてULハイクやトレイルランを積極的に取り入れ活動中。
超長距離の山岳耐久レースやウルトラマラソンにも出場し、TJAR2014、PTL2015、TJAR2016、PTL2017と完走。

【RUNNING GEEKS】

ハイカーのための道具を作る山と道だけど、ランナーの意見も聞きたい山と道。自分なりのスタンスで山を走ることを楽しむフリーダムなランナーたちのCHOICE。

野々山 “リリー” 正章/ユーザインタフェースデザイナー

TSLアウトドア/シンビオズレーシング

スノーシューランが好きです。関西は低山が多くて、稜線でも森林限界を超えないので、滑走系よりもスノーシューの方が行ける範囲も広がります。僕の遊び方として、スノーシューで20kmから40kmくらいのワンデイ縦走するファストパッキング的に楽しんでます。最近のスノーシューは軽いのですが、これは規格外。片足320gです。アルトラのローンピークと同じくらいの重さしかありません。6時間とか8時間行動するとなると、雪上では消費カロリーも多いし、アバランチギアも持つので、普段はBC用のザックを使っていたのですが、当然重いものを背負うので固いし重いんですよね。でも、このスノーシューにしたら、10Lくらいのトレイルランニングザックで行動できるようになりました。ベースウェイトで1kg以上軽くなったので、さらに行動範囲を広げられました。

アルトラ/キングMT

初代のローンピークが関西に届き、その発売日に手に入れて以来、アルトラファンです。アルトラだけで、20足ほど履いてきてますが、断言できます、キングMTは名作です。まずは、アウトソール。グルっと周囲を巻くラグの高いビブラム・メガグリップは、inov8の高グリップを謳うモデルに引けを取りません。ラグも大きな単位で配置されているので、グリップしすぎて困ることもなければ、ミッドソールは、高反発素材を使っていて、1〜2歩の小走りが、いつの間にかランに変わってしまうような軽快な踏み心地があります。アッパーについては、ベルクロが色々紹介されていますが、僕は、結構丈夫そうなリップストップ生地にさらに樹脂コーティングしているアッパーの素材がヒットしました。足の自由度が丈夫な生地である程度コントロールされることで、疲れてきてもそのグリップを使って楽しみ続けられる。なんだか、常に一緒に遊びに行っちゃうんですよね。

ブルックスレンジ/アルピニマウンテンアノラックフーディ

撥水ダウンが出てきて、あれこれ悩むもなかなか決め手がなくって選んだのがこれです。スノーアクティビティーのアフターや、明け方にフィールドに向かう時、寒いシーズンの泊まりなど、これが一着あるだけで、安心感が増しました。155gのダウン封入量で、実測は405g(Size S)は、オーバーヒートする感じの厚さではないものの、見た目はパンパンで暖かいです。少し長めの裾も安心感あります。アノラックタイプなので、お腹のポケットに手を入れていれば暖かく、脱ぎ着の問題も、両サイドについてるジッパーでこんなに楽?って思えます。ちょっと暑いな〜って思ったときにもベンチレーションとして活躍するサイドジッパーは秀逸ですね!

TSLアウトドア/シンビオズレーシング

スノーシューランが好きです。関西は低山が多くて、稜線でも森林限界を超えないので、滑走系よりもスノーシューの方が行ける範囲も広がります。僕の遊び方として、スノーシューで20kmから40kmくらいのワンデイ縦走するファストパッキング的に楽しんでます。最近のスノーシューは軽いのですが、これは規格外。片足320gです。アルトラのローンピークと同じくらいの重さしかありません。6時間とか8時間行動するとなると、雪上では消費カロリーも多いし、アバランチギアも持つので、普段はBC用のザックを使っていたのですが、当然重いものを背負うので固いし重いんですよね。でも、このスノーシューにしたら、10Lくらいのトレイルランニングザックで行動できるようになりました。ベースウェイトで1kg以上軽くなったので、さらに行動範囲を広げられました。

アルトラ/キングMT

初代のローンピークが関西に届き、その発売日に手に入れて以来、アルトラファンです。アルトラだけで、20足ほど履いてきてますが、断言できます、キングMTは名作です。まずは、アウトソール。グルっと周囲を巻くラグの高いビブラム・メガグリップは、inov8の高グリップを謳うモデルに引けを取りません。ラグも大きな単位で配置されているので、グリップしすぎて困ることもなければ、ミッドソールは、高反発素材を使っていて、1〜2歩の小走りが、いつの間にかランに変わってしまうような軽快な踏み心地があります。アッパーについては、ベルクロが色々紹介されていますが、僕は、結構丈夫そうなリップストップ生地にさらに樹脂コーティングしているアッパーの素材がヒットしました。足の自由度が丈夫な生地である程度コントロールされることで、疲れてきてもそのグリップを使って楽しみ続けられる。なんだか、常に一緒に遊びに行っちゃうんですよね。

ブルックスレンジ/アルピニマウンテンアノラックフーディ

撥水ダウンが出てきて、あれこれ悩むもなかなか決め手がなくって選んだのがこれです。スノーアクティビティーのアフターや、明け方にフィールドに向かう時、寒いシーズンの泊まりなど、これが一着あるだけで、安心感が増しました。155gのダウン封入量で、実測は405g(Size S)は、オーバーヒートする感じの厚さではないものの、見た目はパンパンで暖かいです。少し長めの裾も安心感あります。アノラックタイプなので、お腹のポケットに手を入れていれば暖かく、脱ぎ着の問題も、両サイドについてるジッパーでこんなに楽?って思えます。ちょっと暑いな〜って思ったときにもベンチレーションとして活躍するサイドジッパーは秀逸ですね!

野々山 “リリー” 正章
野々山 “リリー” 正章

1981年横浜生まれ。家電や業務機器、車両などの組込み系UIを中心に様々なUIデザインに関わる。京都北山でデザイナーとして働き始めたのと同時期に山のアクティビティーにハマる。京都近郊の山々を中心にマウンテンランニング、ファストパッキング、スノーシューランがメインアクティビティー。
仕事で様々なプロトタイピングやデザインをおこなうスキルを活かして、ワラーチやゲイター、サイフなど身の回りのギアを自作したり、進行スピードに合わせて変化するメトロノームアプリなど、アナログ・デジタル関わらずMYOGしている。運動動作解析にも興味があり、センサーやカメラを用いてトレーニングや分析も行う。
現在、山と道で新製品のサンダル開発チームリーダーも務めている。

中川裕司/アパレル会社経営&Patagoniaパートタイマー

ヴァーゴ/アルティメットファイアースターター

自分にとってハイキングの最高の楽しみは夜の宴で、その中でもハードリカーをやりながらの焚き火は最高のご馳走。そんな焚き火を、いつも(厳しい環境でも)スムーズにしてくれるこのアイテム。家族でキャンプに行った時も、子供たちからは魔法の火の杖と人気の的(笑)!? 火打ち石も兼ねているので、エマージェンシーキットに入れておいても間違いないアイテムです。

パタゴニア/マイクロパフフーディ

今までテント場で使っていたダウンJKTと比べても、同等の軽さで、保温性、携帯性でも引けを取らない化繊のインサレーション。2017年のOMM(最低-8℃)のテント場でも、ベースレイヤーにこのJKTと、薄いレインでまったく問題なくテント外で食事・飲酒を楽しめた。家で洗濯、脱水まで行った後にそのまま着用して、乾くまでテストしてみたが、保温性は保たれていたので、本当に頼れると実感した。特殊な化繊構造なので、中綿のように偏りが生じないのも嬉しいが、残念なことに化繊が少しだけ顔を出してきたのが唯一の欠点。

カタダイン/ビーフリー

長年使ってきたセイシェルを紛失し…話題のビーフリーへ乗換え。外漏れもなく、こんなに処理速度が早いなんて! と、感歎しかない。軽さも携帯性もかなり良いので、浄水器要因ではなくともランやハイクの常備アイテムとして活躍できる。ボトルの耐久性だけ少し気になるが、面倒臭がりの自分にとって、メンテの簡単さも魅力的やし、非常に使えるアイテム。

ヴァーゴ/アルティメットファイアースターター

自分にとってハイキングの最高の楽しみは夜の宴で、その中でもハードリカーをやりながらの焚き火は最高のご馳走。そんな焚き火を、いつも(厳しい環境でも)スムーズにしてくれるこのアイテム。家族でキャンプに行った時も、子供たちからは魔法の火の杖と人気の的(笑)!? 火打ち石も兼ねているので、エマージェンシーキットに入れておいても間違いないアイテムです。

パタゴニア/マイクロパフフーディ

今までテント場で使っていたダウンJKTと比べても、同等の軽さで、保温性、携帯性でも引けを取らない化繊のインサレーション。2017年のOMM(最低-8℃)のテント場でも、ベースレイヤーにこのJKTと、薄いレインでまったく問題なくテント外で食事・飲酒を楽しめた。家で洗濯、脱水まで行った後にそのまま着用して、乾くまでテストしてみたが、保温性は保たれていたので、本当に頼れると実感した。特殊な化繊構造なので、中綿のように偏りが生じないのも嬉しいが、残念なことに化繊が少しだけ顔を出してきたのが唯一の欠点。

カタダイン/ビーフリー

長年使ってきたセイシェルを紛失し…話題のビーフリーへ乗換え。外漏れもなく、こんなに処理速度が早いなんて! と、感歎しかない。軽さも携帯性もかなり良いので、浄水器要因ではなくともランやハイクの常備アイテムとして活躍できる。ボトルの耐久性だけ少し気になるが、面倒臭がりの自分にとって、メンテの簡単さも魅力的やし、非常に使えるアイテム。

中川裕司
中川裕司

自身で企画したプロダクトを輸入・卸する会社を経営しながら、週に何度かパタゴニアのストアでパートタイマーとして勤務。仕事と子育ての合間を見つけては、山遊びをしている。

千田誠(Runblur)/ゲームディレクター&ハンドメイド・ストック職人

ペツル/e+ライト

前モデルは特に夜間のトレイルランではお世辞にも走れる明るさではなかった。今回の新型は50lmと旧モデルから明るさが約2倍アップとなり、数値的にはそう高くはないが、走ることも可能な程の明るさに進化している。 また、昨今のトレイルレースでは予備ライトと電池がレギュレーションになっているレースが多く、なるべく軽量化したい場面で、この軽さとコンパクトさはありがたい。しかも電池を入れたまま10年間も保つので、エマージェンシーキットに常に入れっぱなしにできる安心感は他のライトにはない優れた特徴だ。ちなみに私は今年のOMM JAPAN 2017ではこの e+liteをメインライトにした。ペツルという一流ブランドの高い信頼性とデザインの良さ。そして実用性もありながら定価3,000円という低価格。3,000円程で買えるギアは多々あるが、ここまで実用的で見た目もカッコ良く、テンションがアガる3,000円台のアイテムにはまだ出会っていない。

山と道/アルファハラマキ

一見シンプルなハラマキだか、内側にポーラテック・アルファダイレクトという高い通気性と速乾性、オーバーヒートしにくい保温性を兼ね備えた最新鋭の防寒素材を使っている贅沢なハラマキだ。今年、台風に見舞われた信越五岳トレイルレース100マイルに出場した際に、アウターに蒸れやすいゴアテックスのレインウェアを着て、その下にアルファハラマキを着用していたが、シャツは汗でビッショリなのにアルファハラマキの内側はサラッサラの状態をキープしていたのが驚きだった。特にトレイルランでは走って暑いので「防寒着は着たくない」が、風を切って走っているので前面の「胃腸は冷えやすい」という矛盾した状態になる。その矛盾が胃腸の機能低下を引き起こし、行動食が食べられずリタイアに追い込まれた経験があるランナーは少なく無いはずだ。ハラマキといえば、どこか内側に隠しておきたいイメージだが、アルファハラマキは一見ウェストパックのような見た目なので、シャツの外に見えるように巻いても全く違和感がなく装着できるので、頻繁に着脱しやすい。また、下腹部を温られるように下側が広くなっているが、天地を逆に装着すると胃を温められるように考えられている。使える場面は多々あるが、特に体が冷えやすいオーバーナイトのトレイルランレース時に装着しておくと、幸せな朝が迎えられるだろう。ポケット付なのでカイロや行動食を入れておくこともできる。(写真はプロトタイプで、製品版とはデザインが異なります。)

ウルトラランチ/ビバークレーション

「熱湯2分で美味しい料理が食べられる。しかも完全ヴィーガン食」という切り口で山食業界に衝撃を与えたのが、ウルトラランチのビバークレーションだ。これまでの市販の山食はあくまで非常食としての存在であり、パッケージに記載された数々の化学合成物を見て見ぬふりをして、ある種の妥協感と共に飲み込んでいたのが実際だった。しかし、ビバークレーションは完全ヴィーガン食を唱っているだけに、添加物や着色料がなく、しかも肉が入っていないとは思えないほどガツンとくるパワフルな味で、これまでの山食が持つ「食べるまでに時間がかかる」「妥協できる範囲の味」という当たり前を見事に破壊した革命的な発明品だ。私は今年の11月に開催されたOMM JAPANの夕食に新作のホッター・ザン・カレー味を食べた。パンチの効いた辛さで、冷えた身体がポカポカになった。また、山の中では空気が澄んでいるせいか、普段より嗅覚が敏感になっていて、スパイスの香りが鼻腔内の奥隅々まで広がっても全く嫌な感じがしなかったのは、化学合成物が無いビバークレーションだからこそだと気がついた。そして1パッケージ80gで400kcalというエネルギー量は荷物の軽量化という点でも優れている。味は他にトマトキック、海苔茶漬け、ポルチーニクリームなど全4種類。

ペツル/e+ライト

前モデルは特に夜間のトレイルランではお世辞にも走れる明るさではなかった。今回の新型は50lmと旧モデルから明るさが約2倍アップとなり、数値的にはそう高くはないが、走ることも可能な程の明るさに進化している。 また、昨今のトレイルレースでは予備ライトと電池がレギュレーションになっているレースが多く、なるべく軽量化したい場面で、この軽さとコンパクトさはありがたい。しかも電池を入れたまま10年間も保つので、エマージェンシーキットに常に入れっぱなしにできる安心感は他のライトにはない優れた特徴だ。ちなみに私は今年のOMM JAPAN 2017ではこの e+liteをメインライトにした。ペツルという一流ブランドの高い信頼性とデザインの良さ。そして実用性もありながら定価3,000円という低価格。3,000円程で買えるギアは多々あるが、ここまで実用的で見た目もカッコ良く、テンションがアガる3,000円台のアイテムにはまだ出会っていない。

山と道/アルファハラマキ

一見シンプルなハラマキだか、内側にポーラテック・アルファダイレクトという高い通気性と速乾性、オーバーヒートしにくい保温性を兼ね備えた最新鋭の防寒素材を使っている贅沢なハラマキだ。今年、台風に見舞われた信越五岳トレイルレース100マイルに出場した際に、アウターに蒸れやすいゴアテックスのレインウェアを着て、その下にアルファハラマキを着用していたが、シャツは汗でビッショリなのにアルファハラマキの内側はサラッサラの状態をキープしていたのが驚きだった。特にトレイルランでは走って暑いので「防寒着は着たくない」が、風を切って走っているので前面の「胃腸は冷えやすい」という矛盾した状態になる。その矛盾が胃腸の機能低下を引き起こし、行動食が食べられずリタイアに追い込まれた経験があるランナーは少なく無いはずだ。ハラマキといえば、どこか内側に隠しておきたいイメージだが、アルファハラマキは一見ウェストパックのような見た目なので、シャツの外に見えるように巻いても全く違和感がなく装着できるので、頻繁に着脱しやすい。また、下腹部を温られるように下側が広くなっているが、天地を逆に装着すると胃を温められるように考えられている。使える場面は多々あるが、特に体が冷えやすいオーバーナイトのトレイルランレース時に装着しておくと、幸せな朝が迎えられるだろう。ポケット付なのでカイロや行動食を入れておくこともできる。(写真はプロトタイプで、製品版とはデザインが異なります。)

ウルトラランチ/ビバークレーション

「熱湯2分で美味しい料理が食べられる。しかも完全ヴィーガン食」という切り口で山食業界に衝撃を与えたのが、ウルトラランチのビバークレーションだ。これまでの市販の山食はあくまで非常食としての存在であり、パッケージに記載された数々の化学合成物を見て見ぬふりをして、ある種の妥協感と共に飲み込んでいたのが実際だった。しかし、ビバークレーションは完全ヴィーガン食を唱っているだけに、添加物や着色料がなく、しかも肉が入っていないとは思えないほどガツンとくるパワフルな味で、これまでの山食が持つ「食べるまでに時間がかかる」「妥協できる範囲の味」という当たり前を見事に破壊した革命的な発明品だ。私は今年の11月に開催されたOMM JAPANの夕食に新作のホッター・ザン・カレー味を食べた。パンチの効いた辛さで、冷えた身体がポカポカになった。また、山の中では空気が澄んでいるせいか、普段より嗅覚が敏感になっていて、スパイスの香りが鼻腔内の奥隅々まで広がっても全く嫌な感じがしなかったのは、化学合成物が無いビバークレーションだからこそだと気がついた。そして1パッケージ80gで400kcalというエネルギー量は荷物の軽量化という点でも優れている。味は他にトマトキック、海苔茶漬け、ポルチーニクリームなど全4種類。

千田誠(Runblur)
千田誠(Runblur)

本業のゲームアプリ開発の傍ら、余暇時間に世界最軽量クラスのハンドメイド・カーボンストック(Runblur)を製作し続けてはや10年。自身もトレイルランニング選手として、UTMB、UTMF、おんたけ100マイル、KOUMI100等を完走。最近はナビゲーション・スポーツに傾倒し、主にオリエンテーリングやOMM JAPANに出場し、藪の中を駆け回っている。

後編に続きます!

三田 正明

三田 正明

フォトグラファーとしてカルチャー誌や音楽誌で活動する傍、旅に傾倒。 多くの国を放浪するなかで自然の雄大さに惹かれ、自然と触れ合う方法として山に登り始める。 気がつけばアウトドア誌で仕事をするようになり、ライター仕事も増え、現在では本業がわからない状態に。 アウトドア・ライターとしてはULハイキングをライフワークとして追い続けている。 取材活動のなかで出会った山と道・夏目彰氏と何度も山に行ったり、インタビュー取材を行ったり、酒を酌み交わしたりするうちに、いつの間にかこのようなポジションに。 山と道JOURNALSを通じて日本のハイキング・カルチャーの発展に微力ながら貢献したいと考えている。