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Outsiders Store × 山と道

ドナルドとキムのUKハイキングレポート

アウトサイダーズストアでのポップアップツアーにあわせて、湖水地方をハイキング
写真/文:ドナルド・ヤン
2026.07.24
Outsiders Store × 山と道

ドナルドとキムのUKハイキングレポート

アウトサイダーズストアでのポップアップツアーにあわせて、湖水地方をハイキング
写真/文:ドナルド・ヤン
2026.07.24

2026年春からイギリスのアウトサイダーズストア3店舗とオンラインストアで、山と道製品の取り扱いが始まりました。それを記念したアウトサイダーズストアでのポップアップイベント前に、このツアーに参加した香港の取扱店morimoriのドナルドと山と道のキムが、イングランド北西部の湖水地方(レイク・ディストリクト)を縦断するロングトレイル「カンブリア・ウェイ」をハイキング。

羊がのんびり草を食む牧草地、キラキラと輝く湖、どこまでも続く雄大な山々。イギリスの美しい自然の中を歩きながら、町ではビールとフィッシュアンドチップスでエネルギー補給。ときに予定を変更しながら、食べて、飲んで、歩いた3泊4日で100kmを超えた道のりを、ドナルドがレポートします。

カンブリア・ウェイをハイキング

4月22日から26日にかけて、山と道はイギリスのアウトサイダーズストアのロンドン店とマンチェスター店でブランドローンチイベントを開催し、ヨーロッパ市場への正式参入を記念した。

この機会に、共同創業者の夏目さん、スタッフのイェンスさん、キムさん、前原さん、モス君を含む山と道チームがイギリスを訪れ、ポップアップイベントを開催した。幸運にも、山と道の台湾の直営店samplusのヘクターさんと、香港の山と道取扱店morimoriの共同創業者である僕も同行し、イベントのお手伝いをさせてもらった。僕にとって、イギリスでのローンチに参加できたことは大変な光栄だった。この旅は、山と道とのパートナーシップを深め、各地の山と道パートナーとのつながりをさらに強めるだけでなく、香港に深く根付いたイギリス文化を理解し、現地の山と都会の雰囲気を体験する学びの旅でもあった。

これまで一度もイギリスに足を踏み入れたことがなかった僕にとって、今回の訪問は新鮮で、待ちに待ったものだった。もちろん、一番楽しみにしていたのはハイキングだ。ロンドンに早めに入っていた山と道のキムさんから、イベント前に一緒にハイキングに行こうと提案された時、僕は迷わず賛成した。ロンドン在住の友人との約束はキャンセルしなくてはならなかったけど、ハイキングをすることで、イギリスのハイキング文化、地理、気候、歴史をより深く理解できると考えたからだ。また、山と道製品をイギリスのトレイルで試すことで、後日、現地のハイカーたちとより直接的に交流する機会にもなると考えた。こうして、僕たちは2人だけの先遣隊を結成し、イギリスのハイキングの魅力を自ら体験することになったのだった。

キムさんはいくつかのルートを提案してくれ、当初はスコットランドでのハイキングも検討した。その後、前年に日本で一緒にハイキングをしたアウトサイダーズストアの友人、チャーリーがカンブリア・ウェイを勧めてくれた。約112kmのこのハイキングコースは景色が美しく、近年イギリスで人気の高いトレイルになっているらしい。キムさんと僕のハイキングペースを考えると、3泊4日あれば十分踏破できそうだったので、限られた旅の時間の中で挑戦することに決めたのだった。

カンブリア・ウェイの公式サイトでは、このトレイルに関する詳細な情報が掲載されている。

カンブリア・ウェイは、イングランドのカンブリア州にある長距離ハイキングコースだ。もともとは1970年代に地元のハイキング協会によって計画され、2007年5月にボランティアと国立公園職員によって全ルートが整備された。コースの大部分はイングランド北西部に広がる湖水地方のレイク・ディストリクト国立公園内にあり、カンブリア州の歴史ある町ウルバーストンとカーライルを結ぶ。コニストンなどの町を通過し、グレート・ラングデール渓谷などの壮観な景色を堪能できるコースだ。カンブリア・ウェイは全体的に標高の低いハイキングコースだけど、一部標高が高く開けた場所もあるという。

穏やかな田園風景からスタート

4月17日の午後3時頃からハイキングが始まった。キムさんはその日の朝に、ロンドンで僕と会うために14時間のフライトを終えたばかり。合流後に、一緒にロンドンのユーストン駅から5時間の列車に乗ってウルバーストンまで行き、そこで初日の食料と燃料を買い込み、すぐに登山口へと向かった。幸い、イギリスは日が長くなり始める時期で、日没は午後8時頃。そのおかげで、午後3時からでも早足で歩くと、約25km離れたコニストンという町に日没前に到着することができた。

4月17日にロンドンでキムさんと会った後、ユーストン駅からウルバーストン駅まで電車に乗った。

ウルバーストンで初日の食料を買い込んだあと、パッキングしなおして、カンブリア・ウェイの登山口へ向かう準備をした。

カンブリア・ウェイの登山口で記念写真

カンブリア・ウェイは歩きやすく、標識も分かりやすかったので、迷うこともなかった。果てしなく続く農場や畑、そして数え切れないほどの羊たちが迎えてくれた。

最初の区間は緩やかな田園地帯と谷で、大きなアップダウンはほとんどなかった。25kmのハイキングで累積標高差がわずか450m程度しかなく、香港や日本の山々をハイキングすることに慣れている僕たちにとって、とても歩きやすく感じた。

カンブリア・ウェイには分かりやすい道順が示されていた。

カンブリア・ウェイでは広大な景色と数え切れないほどの羊に出会える。

しかし、チャーリーが言っていたように、このルートは完全に草原と湿地で構成されていた。調べてみると、カンブリア州はイングランドで最も雨の多い地域のひとつで、霧も頻繁に発生するとのこと。豪雨がなくても、トレイルはところどころ湿っていて、おまけに春の雪解けの影響もあって、草原や泥炭地、小川の区間に水が溜まり、沼地になっていた。ハイキング中は天候に恵まれていたにもかかわらず、道は泥や水たまりだらけで、防水仕様じゃないハイキングブーツを濡らさずに済ませることは不可能だった。

カンブリア・ウェイのルートには湖や湿地帯が点在しているため、防水仕様じゃないハイキングブーツを濡らさずに歩くことは不可能だ。

初日のキャンプ地はコニストンに決めた。静かで趣がありながらも、どこか活気のある村で、ボートやカヌーを楽しむ人々で賑わう、全長約8kmの細長い湖、コニストン・ウォーターがある。その背後には高さ803mのオールドマン・オブ・コニストンという象徴的な山がそびえ立ち、町の中心部から見ても、その堂々とした山影は迫ってくるようだった。

日没後にコニストン湖に到着。

オールドマン・オブ・コニストンは、象徴的な山である。

町自体は小さく、伝統的な低層の石造りの建物が並ぶ短い通りが数本あるだけで、まさにイギリスの田園風景そのもの。僕たちハイカーにとって村のレストランやパブは楽園で、イギリスの山々や町々をトレッキングする際のユニークな休憩場所になった。

コニストンは小さな町で、伝統的な石造りの低層建築物がほとんどを占めている。

初日の夜、僕たちは幸運にもパブのスタッフから、午後8時以降でも唯一の温かい料理が食べられるインド料理店を教えてもらった。食事を終えた僕たちは急いでパブに戻り、カスク(樽)エールで手動ポンプ式のカンブリア・ウェイ・ビールを堪能した。本当においしくて、旅が終わった後も、その味がずっと心に残り続けている。

コニストンのインド料理店で、温かい料理にありつけた。

夕食後はパブに戻り、カンブリア・ウェイ・ビールを堪能した。

飲んだくれハイカー、絶景を堪能

2日目は朝早く起きて、町のガソリンスタンドの売店で食料を買い込み、グレート・ラングデール渓谷に向けて出発した。

僕らはそれぞれテントの中で朝食を作り、出発した。

売店でお気に入りのウォーカーのポテトチップスをゲットしたキムさん。

コニストンからグレート・ラングデール渓谷までの区間は、湖水地方の代表的な景勝ルートだ。この区間は標高が低く、主に畑、小道、森林、谷を縫うように歩くため、変化に富んだ景色を楽しみながら気軽にハイキングできる。道中、コニストン湖、ターン・ハウズ湖、エルターウォーターといった湖や街を通り過ぎ、湖や森の静けさと、湖水地方の谷特有の広大な景色を堪能した。

グレート・ラングデール渓谷へ向かう途中の森

コニストンからグレート・ラングデール渓谷までの散策路は景色が美しく、歩きやすい。

そしてグレート・ラングデール渓谷に入ると、周囲の山々がより際立ち、岩山ラングデール・パイクスの稜線がルート全体をより印象的なものにしてくれた。

ラングデール・パイクスの山頂から少し下には、スティックル・ターン湖がある。

このルート沿いでは、セルフサービスのカフェや食べ物だけでなく、チャーリーが勧めてくれたカフェレストラン、チェスターズ・バイ・ザ・リバーでボリューム満点のランチとビールにもありついた。そのおかげでお腹が空く心配も、食事が不十分な心配も、全くなかった。

セルフサービスの飲食店やカフェ。ここでは現金での支払いが必要。

チャーリーが勧めてくれたチェスターズ・バイ・ザ・リバーで、おいしいビールを飲んだ。

もし「ハイキング中にバーでおいしい食事を楽しむこと以上に素晴らしいことは何か」と聞かれたら、「同じ日にふたつのバーで素晴らしい食事を楽しむことだ」と答えるだろう。

ほろ酔いの「酔っ払いハイカー」ふたりは、チェスターズ・バイ・ザ・リバーで食事とビールを消化したばかりなのに、なんと次の目的地であるグレート・ラングデールでもウォーカーズバーという店に向かっていた。待ちに待ったフィッシュ&チップスに、僕たちは全く抵抗できず。そしてもちろん、相棒はビール。

ウォーカーズバーで待ちに待ったフィッシュ&チップスとスタウトビールを堪能し、地元の客たちと香港での生活について語り合った。

飲み食いしすぎて、ハイキング中だということを、すっかり忘れていた僕たち。そこで、再び出発して間もなく、僕より1杯多く飲んでいたキムさんが、大胆なアイデアを提案してきたのだ。

「僕たちは思いっきり食べて飲んで、カンブリア・ウェイの象徴的な自然と文化の景観も十分に堪能した。このまま計画したルートを辿っても、ひたすら食べて飲んでいるだけで、思いがけないご褒美はほとんどないだろう」と言った。

しかし、これから先に湖水地方の山稜へと続く別のルートがあり、イギリスの高山稜線をハイキングできるとのこと。即興やサプライズが大好きな僕は、心から賛成した。そこで、ルートと各自の体調を確認した後、スティックル・ターン湖を目指して出発することに!

スティックル・ターン湖は、ラングデール・パイクスの山郡の麓に位置するカール(圏谷)湖で、周囲は切り立った崖に囲まれている。僕たちはグレート・ラングデール渓谷からスティックル・ギルの滝を登り、岩だらけの谷、石段、ガレ場を通り抜け、ついに山の窪地に隠された、この湖にたどり着いた。

スティックル・ターン湖方面へ向かうことに決めた僕たちは、意気揚々とスティックル・ギルを登り始めた。

途中、スティックル・ギルのそばにある滝で地元の子供たちがロッククライミングを学んでいるのを目にした。

スティックル・ギルから歩いてきた道を振り返ってみると、かなり登ってきたことに気づいた。

スティックル・ギルの岩だらけの渓流は、石段と砂利の急斜面でできている。

スティックル・ターン湖の穏やかな水面は、周囲の険しい山々とは対照的で美しかったが、強風と寒さのため、写真を何枚か撮った後、すぐに標高723mのトゥナカー・ノットに向かった。開けた高地の斜面や岩だらけの尾根に近づくにつれ、風は強くなり、視界は徐々に開けていった。

スティックル・ターン湖は高山にあるカール湖で、周囲の険しい山々とは鮮やかなコントラストをなしている。

高台からスティックル・ターン湖を振り返る

山頂は草の生い茂る斜面と岩の尾根からなる。風が次第に強くなり、視界が徐々に開けていく。

山頂の最も景色の良い場所で、今回のハイキングで唯一、山でキャンプをしているハイカーを見かけた。僕たちは高地トレッキングを続け、サージェント・マンやコデール・ヘッドといった山を通過した後、日没が近づいていることに気付き、近くに湖がある小さな丘で、夜を過ごすことにした。

最高地点で撮影

近くに湖のある小さな丘で、ひと晩キャンプすることに。

その夜は風が強く、靴はびしょ濡れだったので、テント内でそれぞれ食事を作り、すぐに休んだ。この日、僕たちは知らず知らずのうちに40km近く歩いていたので、強風にもかかわらず、ぐっすりと眠ることができた。

クライマックスの山、ハイ・ストリートへ

3日目の朝は、午前6時にきっかり出発。前夜の極寒のため、気温はマイナス5℃で、キムさんの水筒は凍りつき、地面の水たまりも明らかに凍っていた。もちろん、僕たちの手足も凍えるほど寒かったので、急いで歩き出した。

朝、地面の水たまりが凍っていることに気付いた。

歩きながら日の出を眺めると、心が晴れやかになる。

カーフ・クラッグの高い尾根に沿って、イーズデールの深い谷と滝へと下り、その後にイギリス屈指のロングトレイルであるコースト・トゥ・コースト・パスに合流。グリズデール・ターンまで登り、谷沿いのパターデールの町へと進んでいった。

泥は避けられない。

山には至る所に羊がいる。

休憩時間に、できるだけテントを日光に当てて干すようにすると、荷物の重さを軽くできる。

イギリスのロングトレイル、コースト・トゥ・コースト・パスへの接続

これほど広々とした景色は、何度見ても飽きることがない魅力でいっぱいだ。

道中、多くのハイカーが犬を連れてハイキングに来ていた。

ハイキングが思ったよりも順調に進んだため、パターデールのホワイトライオン・インでボリュームたっぷりのブランチを楽しんだ。十分に休憩した後、僕たちは標高828mのハイ・ストリートを目指した。

パターデールのホワイトライオン・インに到着。がっつり食べる準備は万端だ。

ホワイトライオン・インのジャンボフィッシュ&チップスは本当に素晴らしく、信じられないほどおいしかった。

長い休憩の後、僕たちは標高828mのハイ・ストリートへと向かった。

ハイ・ストリートからウェザー・ヒル、ロードポット・ヒルへと北上する尾根歩きは、ほとんどが緩やかな草地の斜面と低い丘陵地帯で、景色の変化は比較的少なかったものの、遠くの山々の広大な眺望を十分に楽しむことができた。

午後7時半頃、ロードポット・ヒルの近くに理想的なキャンプ地を見つけた。夕日を眺め、寒さに耐え、一緒に料理をし、おしゃべりをしながら、ハイキング旅最後の夜を楽しんだ。

理想的なキャンプ地を発見。

キムさんと一緒に夕日を眺めながら、寒さにも負けずに料理をしたり、おしゃべりをしたりして過ごした。

おやすみ。

100kmを超える旅の終わり

山での最後の夜は風がそれほど強くなかったものの、寒さは前夜よりもさらに厳しく、冷え込みで何度も目覚めた。翌朝目覚めると、テント全体が霜で覆われていた。

もちろん、荷造りをしている間、指先も足先も冷え切っていたので、目的地である都市ペンリスに向けて走ることにした。ロードポット・ヒルからペンリスまでランニングとウォーキングを合わせて、わずか2時間余りで到着。山での最終日に、野生の馬や鹿に出会えたのは嬉しいサプライズだった。

予定より早くペンリス駅に到着。

キムさんは電車が到着するまでの時間をやりくりして、荷物を乾かしていた。

イギリスのトレイルを存分に楽しんだ後の、満足気な集合写真。

ウルバーストンからペンリスまでの自作ハイキングコース

イギリスでの100kmを超えるハイキングを振り返ってみると、キムさんと一緒に旅ができたことを心から嬉しく思う。ハイキング中の深い交流はもちろんのこと、キムさんの的確なアドバイスも大変参考になり、かけがえのない経験となった。

素晴らしいハイキング仲間に恵まれただけでなく、イギリスの山々は本当に美しく、地元の人々は信じられないほど親切で温かいもてなしをしてくれた。今回の経験を通して、山と道の製品がイギリスでの長距離ハイキングに最適であることを改めて確信したため、後日開催したポップアップイベントで、イギリスのハイカーたちと、この体験を共有した。

ロンドンに戻り、山と道のチームメンバーと合流した後、イェンスさんおすすめのレストランで夕食。左から順に、samplusのヘクター、筆者、山と道のキムさん、イェンスさん、夏目さん、前原さん、そしてモス君です。

情熱を注いでくれた友人たちへ

趣味を仕事やキャリアに繋げることの素晴らしさを、今回の旅を通して深く実感することができ、本当に楽しかったです! 招待してくださった夏目さん、そして夏目さんをはじめ、イェンスさん、ヘクターさん、キムさん、前原さん、モス君といったチームの皆さんの温かいおもてなしに、心から感謝申し上げます。

皆さんが毎日一生懸命働き、その後はお酒を飲みながら語り合う姿は、今でも鮮明に記憶に残っています。特にイェンスさんには、彼のおかげで、イギリスの3都市で素晴らしい人々や物事に出会うことができたことに、深く感謝しています。

アウトサイダーズストアのチームの温かいおもてなしのおかげで、またイギリスでハイキングをする計画を立てることができました。皆さんのウルトラライトハイキングコミュニティがさらに拡大していくこと、そして次回は皆さんを通してイギリスの美しさをもっと体験できることを楽しみにしています!

アウトサイダーズストアのチームメンバーと乾杯。左からイェンス、ロブ(アウトサイダーズストアの創設者の一人)、チー、夏目さん、ヘクター、チャーリー、そしてトム。

リバプール・アウトサイダーズ・ストアのチームとの集合写真。左からハンナ、イェンス、キーガン、ダン、ミック、夏目さん、ヘクター、前原さん。

最後に、イベントにご参加いただいた皆様、特にイギリス在住の香港の皆様に感謝申し上げます。イギリスの環境に溶け込み、イギリスの山々や田園地帯からエネルギーを得ようとする皆様の努力を目の当たりにし、皆様の素晴らしさを実感しました。これからもイギリスの美しさを発見し、ウルトラライトハイキングを通して自分だけの自由を見つけてください!

イギリスでの各イベントでお会いした香港からの友人やお客様に感謝いたします。

イギリスの皆さん、お元気で! また近いうちに会いましょう!