山と道

【ウルトラライト・パッキングのすすめ】

ウルトラライト・パッキングのすすめ
後編:ULパッキングの実践例

山と道研究所を訪れるお客さまや山と道HLCの参加者の皆さまからよく聞くのが、「もっと装備を軽くしたいけれどどうすればいいのかがわからない」という声です。

いまは一般的な縦走登山のスタイルだけどもっと荷物を軽くしたい、けれど装備を簡素化しすぎるのもちょっと不安…という人、多いのではないでしょうか。

そこで、山と道JOURNALS編集長である三田正明が、これまでの山行やアウトドアライターとしての取材経験から学んだ軽量化の方法論を前後編でお伝えする当企画。前編ではウルトラライトなパッキングの基本的なものの考え方をお伝えしましたが、ここからは三田の普段のパッキングを細かく紹介していくことで、ここまで説明してきた考え方をどう現実のパッキングに反映しているかをお見せできればと思います。

これを読めば、あなたの装備はどんどんどんどん軽くなる〜、軽くなる〜!

【前編】

文/写真:三田正明
イラスト:KOHBODY

筆者三田のパッキング実例

まずはじめにお断りさせていただきますが、前編でも述べた通り、本稿はUL装備の正解を指し示すものではなく、あくまで自分にとっての正解をご紹介するものです。まったく意見の異なる人もいる筈ですし、人それぞれ違う正解があって然るべきだとも思います。ぜひ、うるさ型は生暖かい目でツッコミを入れながら、ビギナーの方は行き過ぎたマニアの実例として見ていただけたら幸いです。

今回は前提として、6月中旬〜9月中旬のいわゆる夏山シーズンにアルプスや八ヶ岳のような標高2000m以上のキャンプ地(夜間の最低気温が0°C〜10°Cほど)に宿泊することを想定した装備として考えました。バックパックの容量の関係で3泊4日くらいまでが限界ですが、1泊だろうと3泊だろうと装備は変わりません。また晩春や初秋のやや肌寒い時期においても、無雪期であれば行動中の服が長袖・長ズボンになるくらいで、バックパックの中身はほとんど変わりません。

これが現在、自分がメインで使っているifyouhaveのhugというバックパックです。40Lで650g(実測)。サイズは3サイズあり、これはMサイズにあたるsize2です。ハイキングの他、普段の通勤や出張や旅行でも使っているので、ほぼ365日毎日使っていると言っても過言ではないバックパックです。

「なぜ山と道のバックパックを使っていないんだ!?」というツッコミの声が聞こえてきそうですが、このhugは制作過程でいくつか意見を言わせてもらった経緯からかifyouhaveの山口貴史さんより贈っていただいたもので、その心遣いに応えるべく全力で使わせてもらっている次第です。

素材に厚手のX-PAC VX07やコーデュラナイロンを使用しているので重量はカリカリというほど軽くはないですが、そのぶん頑丈で細かいことを気にせず使える点が気に入っています。そしてhugのいちばんの特徴はその背負い心地で、全体に張り巡らされたストレッチコードがコンプレッションのみならず荷重バランスの調整を行なってくれるので、その名前どおり後ろからハグされているように荷重を体に近く、やや高い位置にピタリと決めてくれます。

このため、ベースウェイト4.5kg+水食料2~3kg程度のULハイキングの装備なら、ヒップベルトを取り外した状態でもストレスなく背負うことができます(ヒップベルトは着脱可能)。

言わずもがな、ヒップベルトがないと腰の締め付け感がなく、体が動かしやすく、バックパックを背負ったり置いたりも非常にラクになります。パックウェイト6-7kgのヒップベルトのないバックパックで身軽に自由に野山を歩く感覚と、パックウェイト12-3kgの腰荷重のフレームザックで歩く縦走登山とは、同じトレイルを歩いても体験の質も大きく変わります。自分の場合は、ヒップベルトなしで歩きたいからこそ荷物を切り詰めて軽量化していると言っても過言ではありません。

ちなみに、もっと食料を背負う4~5泊のハイキングや装備が増える積雪期のハイキングでは、hugよりもひと回り大きい山と道のTHREEを使っています。

ベースウェイトについて

ではまず、ベースウェイトを計ってみましょう。このベースウェイトという概念はULパッキングを語る上で非常に重要なのでぜひ覚えておいてください。

これまで何度も計ることの重要性を語ってきましたが、装備一式の重量を計るときは、水、食料、燃料などハイキング中に消費する消耗品を除いた重量=ベースウェイトを基準にします。水、食料、燃料などの消耗品を含めた重量=パックウェイトで装備の重さを語っても、それは時と場合によって増減するので意味がないからです。ちなみにベースウェイト4.5kg以下、そこに水、食料、燃料を加えてパックウェイト6kg〜8kg程度というのがULハイキングの装備重量の基準になっています。

計ってみると、約4.3kg。ギリギリULでした。今回はダウンパンツやビビィも持っている豪華仕様なので、場所と季節と天気が特定できたら更なる軽量化も可能です(すべての装備の重量の入ったギアリストは記事末尾に掲載しています)。

フロント/サイドポケットに収納するもの

ではバックパックの周囲からパッキングを見ていきましょう。まず、ULバックパックのデザイン的特徴とも言える大型のフロントポケットには、フロアレスシェルター、ペグ、グラウンドシート、レインウェア、ビビィ等、雨が降ったら必要なもの、もしくは雨に濡れても大丈夫なものを入れています。

フロントポケットにフロアレスシェルターやタープ等を収納できると、雨の日に幕の下でメイン気室のパッキングを済まし、最後にさっと幕をたたんでフロントポケットに入れ出発でき、撤収が非常にスムーズな点が魅力です。また濡れたものもちょっとした晴れ間にさっと出して乾かすことができるので、大変便利です。

シェルター

それでは、フロントポケットに入っている道具をひとつづつ紹介していきましょう。

シェルターは長いことシックスムーンデザインズのゲイトウッドケープを愛用しています。たった360gしかなく、ひとりで寝るにはギリギリにして必要十分なサイズ感とスタッフサックのいらないパッカブル仕様であること、ポンチョとしても使えること(使ったことないけど)、元祖ULハイカーとも言われるエマ・ゲイトウッドから取られたネーミングなどが気に入っています。

ゲイトウッドケープのようなフロアレスのテントやシェルターに抵抗のある人も多いと思いますが、個人的にこれまで削ってきた中でいちばん良かったと思う装備はテントのフロアです。

前編でもお伝えしましたが、数ある装備の中でもテントはもっとも大幅に軽量化できるアイテムのひとつです。1.5kgのテントが400gのフロアレスシェルターになるだけで、装備はグッと軽くなりバックパックの容量もワンサイズ小さくできます。

テントを使っていると新品の上等なテントが汚れたりフロアが破れたりすることが大きなストレスになりますが、そもそもフロアがなければそんなストレスもありませんし、前述の通り雨の日の撤収のスムーズさも大きな魅力です。ほんと、フロアがなくなってめちゃくちゃせいせいした!

耐候性と寒さが気になる方は多いと思いますが、僕は雨や寒さが予想されるときはビビィ(寝袋カバー)を持っていきます。SOLのエスケープライトビビィならば重量147g(実測)なので、360gのゲイトウッドケープと組み合わせるなら1kg程度の軽量テントと比べても重量的にアドバンテージがかなりあります。

ドームテントに比べ風に弱いのも事実ですが、そもそも強風でテントが飛ばされることが予想されるような日の稜線のテント場には、ドームテントでも泊まらない方が賢明です。そんな日のそんな場所に張るやつが悪い。

虫を気にされる方も多いと思いますが、夏の低山でもない限り、ある程度標高をあげれば虫もそれほど気になりません。まあ、気にする/気にしないは人それぞれですが…。

スリーピングパッド

フロントポケット下のストレッチコードに、クローズドセルタイプのスリーピングパッドを外付けしています。

前編で紹介したようにULハイキングではクローズドセルのパッドを本体に筒状に入れてフレームがわりにするのが定番テクニックですが、hugには背面パッドが入っているし、パッドを中に収納してしまうと容量もかなり食われてしまうので自分は外付け派です。

スリーピングパッドについては近年エアマットが急速な進化と軽量化の時代を迎えていますが、パンクのリスクがあること、膨らませたり畳んだりが面倒なこと、袋・ポンプ・リペアキットなど付属品が多いこと、そして依然としてクローズドセルのスリーピングパッドに重量的なアドバンテージがあることなどを考え、自分は半身用で113gと軽量で十分な暖かさと耐久性を持つ山と道のUL Pad 15+を愛用しています。

レインウェア

そしてレインウェアは山と道のUL Rain Jacket(PU Sosui)とUL Rain Pants(PU Shinsui)を使っています。手前味噌ですがシンプルで軽量で透湿性に優れたおすすめのレインウェアです。上下で228gと超軽量ですが、レインウェアの軽量化の恩恵はむしろ収納のコンパクトさにあると感じています。これだけ小さくなるとバックパックのどんな隙間にも入ってしまいますから。

レインウェアはできればずっとバックパックに入っていてほしい装備なので、背負っている間はその存在を忘れるくらい軽く小さくなってくれるのが理想です。

水筒

そして右側のサイドポケットには水筒として1Lのペットボトルを入れています。ちなみにこのペットボトルはアメリカのハイカーに人気のスマートウォーターというミネラルウォーターのもの。細長いデザインがサイドポケットに収納しやすく取り出しやすく非常に良いのですが、日本だとこの形状のペットボトルがあまり出回ってないのが残念。コンビニで手に入りやすいものだとポカリスエットの900mlサイズくらいでしょうか。

重量を考えると、水筒はやはりペットボトル一択という話になります。

上の写真で、左からスマートウォーターのボトルが容量1lで40g、左中の一般的なサイクリングボトルが容量700mlで約80g、シグのアルミボトルが容量700mlで107g、そしてナルゲンの1lボトルは、なんと182gもあります。ボトルをナルゲンからペットボトルにするだけで140gの軽量化。さらに写真にはありませんが軽さがウリの「いろはす」のボトルなら、容量500mlで12gしかありません!

ナルゲンはさすがに重すぎですが、他はたったの数10gの違いなのでどれを使っても良いとも思います。けれど、これだけペットボトルがどこでも簡単に手に入る環境があり、清潔で値段も安く(てか0円のようなもの)、重量も軽いとなったら、わざわざ専用のボトルを用意する意味が見出せないのも事実です。

たしかにゴミ問題の観点からいえばペットボトルは使わない方がよいですし、自分も普段はペットボトル飲料をなるべく買わないようにはしていますが、普通は1度飲んだら捨てられるペットボトルを数日間使い倒すんだけでも十分エコなんじゃないの? と思います。

メイン機室に収納するもの

3つのスタッフサックに荷物を集約

ではメイン気室を見て行きましょう。自分はパックライナーやザックカバーは使用せず、軽量で防水性の高いDCF(キューベン)素材のスタッフサック3つに装備を用途ごとに集約して入れています。これによりメイン気室内のパッキングが大幅に簡略化され、荷物へのアクセスも容易になりました。

DCF素材のスタッフサックは表面がツルツルで滑りやすいのでパッキングもしやすく、高価ですが使い始めるとやめられなくなりますね。次にこのスタッフサックの中身をひとつづつ見ていきましょう。

まず、いちばん上はZ-PacksのLarge Food Bagという大きなスタッフサックで、ロングディスタンストレイルを歩くスルーハイカーが無補給で歩くワンセクション5-6日ぶんの食料を入れるために14リットルもあります。

この大きさがキモで、自分はここの食料、調理器具、燃料、予備の水、エマージェンシーキット、バッテリーやヘッドライトなどの小物類等々、トレイルで使う可能性のあるものほぼすべてをここに入れています。

歩きながら探し物があるときは大抵この中に入っているのでバックパックをひっくり返す必要がなく、個人的には非常に気に入っているパッキングです。また、テントから少し離れた場所で調理をしたり宴会するときもこれひとつを持ち運べばいいので非常にラクです。

ストーブ&クッカー

では、このいちばん上のスタッフサックに入れているものを紹介していきます。

まず調理器具はこの山と道JOURNALSでの自分の連載『チープ・ハイク』でも紹介した中華製BRS社のたった28gの超小型ストーブと100円ショップのマグカップを改造した(といってもハンドルを外しただけですが)クッカー、そしてフォールディングスプーンのセットです。ハイキング中はとくに凝った調理はせずお湯を沸かすだけなので、自分はこれで十分です。

このセットのよいところは、クッカーに110サイズのガス缶がぴったりと収まるためクッカー用のスタッフサックがいらないこと。さらにクッカーの中にストーブとフォールディングスプーンも収まるため、収納が非常にすっきりすること。とにかく自分は装備をできるだけ少なくシンプルにしたい人なのです。

  • クッカーには断熱効果の高いカーボンフェルトを巻いて火にかけて熱くなっても直接手で持てるようにしている。蓋はないけれどガスストーブのパワーがあればお湯は十分沸く。BRSの超小型ガスストーブ3000Tの軽さとコンパクトさには驚くばかり。2年ほど使っているが性能は問題ない。

  • ガス缶、ストーブ、スプーンがすべてここにピタリと収まる。これだけでどこでもお湯が沸かせるって、ちょっとロマンじゃないですか?

ULハイキングではアルコールストーブや固形燃料ストーブがメジャーですが、風防やそれを止めるピン、ゴトクなど細かい付属品が多く、使い方も繊細なので、僕はガスストーブ派です。お湯を沸かしたいときにパッと沸かせるのはやはりガス。もちろん、アルコールや固形燃料も否定はしません。おのおの好きなものを使えばよいと思います。

ウォーターキャリー

予備の水を持ち運ぶためのウォーターキャリーには、ハイドラパックのシーカー2lにカタダインの浄水器ビーフリーを取り付けて使っています。

ビーフリーに付属のボトルは自分の購入時は600mlのモデルしかなく(現在は1lのモデルもあり)ウォーターキャリーとして使うには容量不足だったのですが、キャップのサイズがまったく同じシーカー21を発見して付け替えました。軽量感という意味ではあまり意味はないですが、ひとつの道具にふたつ以上の役割を持たせ荷物を減らすという意味では気に入っているアイデアです。

エマージェンシーキット

ついつい中身が増えがちなエマージェンシーキットですが、中身は自分が使いこなせるものだけにしておくべきです。包帯やテーピングも知識があれば大いに役立ちますが、ないのなら単なる荷物になってしまいますから。自分もその辺には疎いので、キットには絆創膏、痛み止め、解熱剤など自分の取り扱いできるものしか入れていません。

トイレットペーパーは芯を抜いてエマージェンシーキットと同じくロックサック(耐久性の高いジップロックのようなもの)に入れています。

ヘッドライト&モバイルバッテリー

ヘッドライトはもう長いことペツルの名品、イーライトの旧モデルを愛用しています。何と言っても26gと軽量なことと、ベルトが巻き取り式ワイアーになっていて収納も非常にコンパクトな点がとても気に入っています。ライトとしては最新型と比べるべくもない明るさですが、キャンプだけならギリギリOKですし、自分は夜間行動はしないのでまあこれでいいかと思っています。

そしてバッテリー。電話、インターネット端末、カメラ、オーディオ機器、GPS、地図等々、ここまでスマートフォンの役割が増えてしまうと、モバイルバッテリーも強力なものを持たざるをえません。3日以上の山行になるなら自分は10000mApのものを持って行きますが240gもあります。この分野は日進月歩で進化しているので、現在ではもっと軽くて強力なものがありそうですね。10000mApのパワーをせめてもっと有効活用しようとキャンプ用としてUSBライト(7g)も携行するのですが、最近のモバイルバッテリーには最初からライト付きのものも多いようです。

着替えについて

次は2段目のスタッフサックを紹介します。ここには着替え一式と手ぬぐいを入れています。この着替え用のスタッフサックは山と道の元スタッフ黒澤くんのブランド、リッジマウンテンギアのその名もスタッフサックという製品で、ハンドルがついていてトートバッグのようにも使えるので、下山後に温泉にいくときに重宝します。また就寝時の枕としてもちょうど良いサイズです。

この中には次のものを入れています。

  • 山と道 メリノプルオーバー 244g
  • 山と道 ライト5ポケットパンツ 140g
  • サーモヘア レギュラーソックス 109g
  • モンベル スーパーメリノウールLWトランクス 58g
  • 手ぬぐいx2 38g+40g

着替えを多く持たないのはULパッキングの重要なポイントであると前編で述べました。なので、自分は行動中のベースレイヤーは非常に高い防臭効果でたくさん汗をかいても2〜3日は問題なく着用を続けられるメリノウール一択です。

なので自分は着替えの半袖Tシャツは持たず、長袖Tのシャツとしてもミッドレイヤーとしてもパジャマとしても、下山後のリラックスウェアとしても着用できるメリノプルオーバー(写真の茶色のシャツ)を持ちます。こうすれば、半袖のTシャツやミッドレイヤーを携行するよりもより幅広いシチュエーションに対応できます。

次にパンツ。基本、ハイキングはショーツで歩くのが好きなので、朝夜の寒冷時、強風時のウインドパンツ、就寝時のパジャマ、下山後のリフレッシュウェアとしてロングパンツを着替えに持つのですが、そんなとき大変役に立つのが山と道のライト5ポケットパンツです。

なにせ軽くて(140g)畳むと非常に小さくなるので、持っていることがまったく苦になりません。さらに同素材の5-Pocket Shortsとの組み合わせなら、2本合わせても一般的なジップオフパンツ(300g前後)よりも軽いし、寒さを感じたらショーツの上からサッと履けるので、ジップオフ/オンするよりも断然ラクなのです。ただ、前述の山と道のULレインパンツをショーツの上から履いても意外と履き心地が良くてそのまま寝れるかもと思うレベルなので、もっと荷物をカリカリにするならこれは省いてしまっても良いかもしれません。

靴下は洗いたてを卸してもどのみちすぐに汗をかいたり濡れたり汚れるので、薄手でメリノ系のものを選び、通気性の高いメッシュのトレランシューズを履いていれば毎日履き替える必要はないと自分は思っています。

なのでハイキングの行動時は基本的に同じものをはき続ける(3日くらい)のですが、行動を終えたら手拭いで足を拭き、キャンプ用の靴下に履き替えてリフレッシュすることにしています。

そんなときに暖かさと幸せを約束してくれるのが、サーモヘアの靴下。一部でダウンソックス並と言われる暖かで、自分も非常に信頼している道具です。やや重い(110g)ですが、この暖かさは110gなら軽い! 行動用の靴下が何らかの理由ではけなくなった場合はこの靴下を行動用に回す計画ですが、ちょっと暖かすぎるかも。

そして2枚の手ぬぐい。1枚は行動中に汗や結露を拭き、もう1枚は温泉でタオル代わりに使うために最後まで死守用です。手ぬぐいは非常に軽量(約30-40g)で乾きも非常に早く、1枚でギリギリ体を拭くことができます。吸水性の高い高機能タオルを何枚か試しましたが、使い勝手や速乾性、軽量性で結局手ぬぐいが最強という結論に現在は至っています。

寝袋/ダウン

そして3段目のいちばん下のスタッフサックには、行動中はほぼ使うことがない寝袋とダウンジャケットとダウンパンツを入れています。

寝袋やダウンジャケットにもそれぞれスタッフサックが付属することが多いですが、ひとつひとつ単体で小さなスタッフサックに収納するよりも、大きめのスタッフサックにまとめて収納してしまったほうが出し入れもラクだし、装備品の数も少なくなり、モノも見つけやすくなります。また防水性の高いスタッフサックにひとつにまとめてしまえば、湿気に弱いダウンを濡らしてしまうリスクや不安から解消されます。

  • 嵩張るダウン類も…

  • コンプレッションすれば小さくなる。どうせテン場でしか使わないダウン類は防水性の高いスタッフサックひとつにまとめてしまうのがラク。

寝袋はハイランドデザインのサブSキルト。フードと背面のないキルト状です。重量360gと超軽量ながらダウン量200gと、背面やジッパーがないおかげで重量の多くをダウン量に費やせています。しかも湿気に強い撥水ダウン! 

キルトは正直、完全に覆われていないぶん寝相によってコールドスポットができやすいのも事実ですが、これひとつで10°C-5°Cくらいまでは行けます。そしてさらに寒くなる場合は、シェルターの項でも言いましたがこれにプラスして保温性を上げるためにビビィ(SOLエスケープライトビビィ147g)を持っていきます。ビビィに入ってしまえばキルトのコールドスポット問題もかなり改善されます。

寒いなら5-600gくらいのもっと暖かい寝袋を持っていく、という選択肢もありますが、ビビィ+サブSキルトなら耐水性も上げられ、重量もあわせて507gなので、シェルターの耐候性が低いぶん有効な組み合わせかなと思っています。

  • High Land Designs Sub S Quiltの背面。ジッパーやフードのないキルトは重量的は寝袋よりアドバンテージがあるが、使用には工夫や割り切りも必要。

  • 寒かったり雨が降りそうならSOL Escape Lite Bivvyを併用する。

そしてダウンはウエスタンマウンテニアリングのフーデッドフラッシュジャケットとモンベルのULダウンパンツ。両者ともここでは語る必要がないほどの定番です(ULダウンパンツは廃版となりましたが現在は後継にスペリオダウンパンツがあります)。

自分は夜は酒を飲みながらウダウダするのが好きなので、ちょっと標高の高い場所に行くときは季節は問わずダウンパンツは持っていくことが多いです。ダウンパンツはUL的には贅沢品ですが、そのぶん寝袋を軽量なキルトにして辻褄を合わせているのかもしれません。

以上、自分の普段の装備をひと通りご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。とりあえず、ヒップベルトのない40lクラスのバックパックにもキャンプ泊の装備が収納できることはお判りいただけたかと思います。

最後に自分なりのパッキングのポイントをまとめれば

  • 装備品の数を減らす
  • ひとつの道具に複数の役割を持たせる
  • 割り切る部分と贅沢する部分をはっきりさせる


といったところでしょうか。

もちろん、個々の道具が軽量であることも重要な要素ですが、そこは焦らず、ゆっくりと時間をかけて自分の装備を吟味していってください。装備についてああでもない、こうでもないと考えている時間は、とても豊かで楽しい時間です。それをあっという間に「正解」にたどり着いて終わらせてしまうのは、あまりにもったい無い。

自分はそうやって時間をかけてたどり着いたパッキングはとても格好良いし、美しいと思います。そこにはきっとあなた自身が投影されているはずですから。そしてそんなハイカーがたくさん日本中の野山を歩き回っていたら、この社会はきっともっと良い場所になっているはずだと信じています。

本稿があなた自身のパッキングを確立する一助になれば、こんなに嬉しいことはありません。

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