山と道

HIKERS’ CLASSICS #12
黒澤雄介(RIDGE MOUNTAIN GEAR)

誰にでもある、ずっと使い続けている道具や思い出の道具、どうしても捨てられない道具。

この『HIKERS’ CLASSICS』は、山と道がいつも刺激を受けているハイカーやランナー、アスリートの方々に、それぞれの「クラシック(古典・名作)」と呼べる山道具を語っていただくリレー連載です。

久々となる今回は、スモールメーカーRIDGE MOUNTAIN GEARの黒澤雄介さん。何を隠そう、RIDGE〜の活動の傍らこの10月まで山と道でも営業・生産管理として働いていた元スタッフでもあります。

「ULブロガー」→「個人メーカー立ち上げ」→「山と道スタッフ」→「スモールメーカーとして本格始動」と、ある意味この10年の日本のULシーンのど真ん中を歩いてきた黒澤さん、いや、クロちゃん。山と道を卒業して大海原へと漕ぎ出すクロちゃんに幸あれ!

NOTE

文/写真:黒澤雄介

「おしゃれ」から出会ったハイキング

自分がハイキングに出会ったきっかけは、2010年にメレルの『ウィルダネス』というブーツを購入したことでした。当時アパレルメーカに勤務してハイキングとは無縁の生活を送っていた自分が、「おしゃれ」として購入したメレルのブーツ。せっかくならこれを履いて実際に山を歩いてみようと筑波山に出かけました。

ロープウェイは使わずに山頂まで登り、その達成感と見晴らしにやられ、そこから毎週末、関東近郊の山へ日帰りで出かけました。

ハイキングにハマる前から写真にハマっていたので、ハイキングと写真はセットでした。山へ出かけて山を撮りまくる。折角なのでその写真を誰かに見てもらいたいと『Ridge』というハイキングブログを始め、それがRIDGE MOUNTAIN GEAR誕生のきっかけになりました。

当時は今のようにSNSも盛んではなく、情報交換もちょっとアナログで、誰かのブログを読んだりBBSをのぞいてみたり。海外通販も今ほど一般的ではなく、ドキドキしながら購入したのを覚えています。

道具選びも楽しみのひとつで、まだ誰も紹介していなそうな製品を探して購入するのが好きでした。もちろん失敗もたくさんありましたけれど。

山と道からRIDGE MOUNTAIN GEARへ

2011年に山と道主催のイベント『鎌倉ハイカーズミーティング01』に参加したことは、僕の人生の重要なターニングポイントになりました。(よくよく考えると設立2年目にしてあの規模のイベントを開催していたのか…)。そこで見たONEとYamatomichi Sacocheはとてもコンテンポラリーな印象でした。

クラシカルなベースは残しつつもあれだけ現代的なデザインの製品は他にはなかったし、それが今も古くないのだから、まさに“Hiker’s Classics”です。僕のClassicは全て山と道製品でも埋め尽くせるくらいです。

アパレルメーカーで悶々とした日々を過ごしていた自分が憧れだった山と道に誘ってもらい、2015年の11月に入社しました。それからは山と道とRIDGE MOUNTAIN GEARの2足の草鞋で、怒涛の日々でした。今年10月31日いっぱいで山と道を卒業しましたが、丸4年間は今思うとあっという間でした。

山と道では、道具が生まれるプロセスの重要さを一番学んだと思います。これから本格的にRIDGE MOUNTAIN GEARがスタートしますが、山と道の卒業生という名に恥じぬようなもの作りを心がけていきたいです。

長く使えるシンプルな道具

僕が好きなのはシンプルな製品です。過剰なギミック、デザインが施されていない物が好みです。ガンダムで例えると『Zガンダム』や『ZZガンダム』は変形もするし派手で華やかだけど、結局いちばん格好いいのはシンプルな『νガンダム』でしょ、みたいな?

せっかく取捨選択して手に入れた道具ならできるだけ長く使いたいし、自分の装備のレギュラーメンバーであって欲しい。軽さはもちろん重要だけど、僕にとっての最重要決定事項はいかにシンプルであるか、長く付き合えそうなデザインかどうかです。

なので、今も気に入って使っている道具はかなり以前から使用している物が多く、なかなか入れ替わりません。

Yusuke Kurosawa's CLASSICS