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台湾通信

2026 夏 山道祭特別号(日本語版)

samplusチームによる過去の山道祭振り返りと、祭りの前後に楽しめる会場周辺のおすすめスポットを紹介
2026.08.18
台湾通信

2026 夏 山道祭特別号(日本語版)

samplusチームによる過去の山道祭振り返りと、祭りの前後に楽しめる会場周辺のおすすめスポットを紹介
2026.08.18

台北に直営店samplusを構え、HLC台灣の活動も行うなど、山と道にとって最も親しい隣人である台湾。その繋がりは10年を越え、現在ではsamplusにも個性豊かな仲間たちが集まり、台湾のハイキングカルチャーのひとつの拠点になっています。

そんな山と道の台湾での活動や、台湾のハイキングカルチャーについて、そしてsamplusの仲間たちのことをもっと台湾や日本や世界中のハイカーたちに伝えたい。そんな思いでスタートした『台湾通信』第5回となる2026夏号では、今年初の台湾開催となる「山道祭」の特集をお届けします。

HLC台灣アンバサダーの林政翰(リン)とsamplus店主のヘクターによる山道祭への意気込みと会場となる台湾・苗栗(ミャオリー)の老官道(ラオグァンダオ)の魅力の紹介、samplusチームによる過去の山道祭を振り返る座談会と台湾をより深く楽しむための苗栗のおすすめスポットの紹介など、盛りだくさんの内容となっています。

今号を通して、山道祭や台湾のことをより知ってもらえると嬉しいです。ぜひ一緒に、ハイカーのための祭典を盛り上げていきましょう。

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①台湾の「山道祭」見どころ紹介

初の海外開催! 山と道「山道祭」が台湾にやってくる!

記念すべき初の海外「山道祭」について、HLC台灣アンバサダーの林政翰(以下、リン)がイベントの見どころを紹介。さらに「samplus」店主のヘクターが会場選びのこだわりについて語ってくれました。

文:林政翰 (John Lin)、ヘクター・ホーム(Hecter)

会場となる老官道休閒農場を下見中。

HLC台灣アンバサダー リン

山道祭は山と道が開催する、ハイカーのためのお祭りです。ウルトラライトハイキングを愛するハイカーたちが、それぞれ自分で計画したハイキングルートを歩き、山道祭の当日に会場へと集まります。

2026年、山道祭は初めて日本を飛び出し、ここ台湾で開催されることになりました。HLC台灣チームが選んだ舞台は、苗栗の「老官道」です。メイン会場となる「老官道休閒農場」が位置するこの場所には、全長約9kmの歴史ある古道「老官道」があります。

トレイルは主に尾根沿いに作られていて、全体的に平坦で歩きやすい山道が中心です。竹林や果樹園もあり、視界が開けた場所からは鯉魚潭(レイユータン)ダムや関刀山(グァンダオシャン)が一望できます。周辺には、馬那邦(マナバン)山、火炎山(ホウイェンシャン)、鳥嘴山(ウーズイシャン)、関刀山、虎加縦走など、初心者から上級者まで楽しめる様々なレベルのハイキングルートがあり、台湾の山の豊かな表情を存分に体験できます。

また、これまでの山道祭には、「ハイキング」「テントサウナ」「マーケット」「盆踊り」という、いくつかのコアとなるコンテンツがありました。それらを通して、みんながそれぞれの経験やライフスタイルをシェアし、心地良い雰囲気の中で自由に交流を楽しんできました。

今回の台湾開催でも、これまでのコアはそのまま引き継がれます。場所が変わっても、変わらない熱気あふれる祭典をみんなで作り上げたいと思っています。

台湾のハイカーの皆さんがたくさん参加して、ハイカーのためのイベントを楽しんでくれることを心から願っていますし、同時に、日本のハイカーの皆さんにも、台湾ならではのリラックスした、自由な空気感をぜひ楽しんでもらいたいです。世界中からやってくるハイカーたちが一堂に会して楽しむあの特別な熱量を、ぜひ肌で感じてください!

林 政翰
林 政翰
John Lin

山と道HLC台灣アンバサダー

カナダの『ヤムナスカ・マウンテンスキル・セメスター』で欧米の登山技術を学び、帰国後『Miasan Outdoor Center』を創立。ハイキングや雪山登山等の講習を行う一方、山小屋等の管理も行っている。20年以上、台湾原住民の布農族からより自然に近い生活を学び続けており、パーマカルチャーや里山生活についての造詣も深い。

samplus店主 ヘクター

前回の山道祭(琵琶湖)の前夜祭で、リンさんと僕は山と道HLCプロジェクトディレクターの豊嶋さんと山と道代表の夏目さんから「次の山道祭は台湾だよ」と伝えられました。そこから僕たちの「台湾のどこでやるのがベストか?」を探す旅が始まりました。

2泊3日のロケハンを組み、ほぼ台湾を1周する勢いであちこちを回りましたが、最終的に僕たちが「ここしかない!」と確信したのが「苗栗・老官道」でした。

一番の理由は、最近増えている高いスペックの近代的なキャンプ場とは違い、ありのままの純粋で自然の姿が残されていることです。過剰に手が加えられておらず、周辺には日帰りから数泊まで対応できるハイキングルートがたくさんあります。これこそが山道祭の核心である「ハイキング好きのための、山を歩くお祭」という価値観を、100%表現できる場所だと感じました。

また、今回はいろんな国からハイカーが参加するかもしれない。そんな場所で、国籍を超えてみんなで一緒に笑い、交流し、お互いの国のハイキングルートをシェアし合う。それこそが山道祭の大きな魅力だと思います。

さらに、老官道はアクセスも比較的便利で、近くには温泉もあります。ハイクアップした後に温泉に入ってリフレッシュする感覚は、日本のハイカーもきっと気に入ってくれるはず。

最初のミーティングでは「台湾開催ならではの特別な企画を入れるべきか?」という議論もありましたが、何度も話し合ううちに、やはり「ありのままの山道祭」をそのまま届けることこそが、正しい選択だと気付きました。台湾らしさを出すために無理に新しい企画を詰め込みすぎると、かえって参加者を困惑させてしまうと思ったからです。

僕とリンさんはこれまですべての山道祭に参加してきました。だからこそ、あの素晴らしい空気感をそのまま台湾で再現し、参加者全員と一緒になって楽しみたいと思っています。皆さん、ぜひ遊びに来てください!

山と道HLCプロジェクトディレクターの豊嶋、山と道代表の夏目と一緒に、会場のレイアウトをどうするか作戦会議中。

ヘクター・ホーム
ヘクター・ホーム
Hecter Home

台北『samplus』『COW RECORDS』オーナー

Patagonia TAIWANでの10年間の勤務を経て独立。台北のセレクトショップ『COW RECORDS』を通じて山と道をはじめとした日本のインディペンデント・メーカーの製品を台湾に紹介している。2018年4月に山と道、実弟・洪 寶弟の『RAYING STUDIO』と共にアウトドアショップ『samplus』をオープン。

②私たちが体験した「山道祭」

山道祭の最高の思い出を語り尽くす

「山道祭」って実際どんなイベント? 今回、samplusのメンバーが集まって、過去3回の思い出を語り合いました。聞き手はケイです。みんな口を揃えて言うのは、とにかく「最高に楽しかった!」ということ。まだ参加したことがない方にも、現地の熱気や雰囲気が少しでも伝わって、「行ってみたい!」と思ってもらえたら嬉しいです!

文:楊凱茵(ケイ)

ケイ  第1回の岩手県ってどんな感じだったの? 当時はまだ規模が小さかったって聞いたけど?

ジャネット  参加者は40〜50人くらいだったかな。岩手県の山は本当に美しくて、すごくのんびり歩いたのを覚えてる。

ヘクター 僕はなぜか、ずっとリンさんを探してた記憶しかないな(笑)。

ジャネット ああ、あの時は会場でアルコールストーブのDIYワークショップがあって、リンさんは確か2〜3時間くらいずっと熱中して作ってたからね。

第1回岩手県山道祭

リー 第2回の石鎚山はどうだった? 修験道を体験する鎖場が多いルートもあったよね。かなりスリリングだったんじゃない?

ヨウホウ 「鎖の試練」はすごく面白かったよ! でも確か体験したのはケイとリンさんだけじゃなかったっけ?

アレン え、鎖の試練? 全員やったでしょ! 記憶喪失になってるよ(笑)! 途中で落ちそうになってる女性に出会って、本当に危なかったんだから。彼女が鎖に掴まって叫んでてさ。足を踏み外しそうになってたから、僕が下からグッと支えてあげたんだよ。

ヘクター 台湾から来た命の恩人だね!

シーチー 会場がスキー場だったから、ロープウェイに乗って山に登るっていうのもすごく新鮮な体験だったな。台湾ではなかなかできない経験。

ケイ ロープウェイに盆踊り用の太鼓を搬入するのを手伝ったのも、振り返ると楽しかったね。

ヘクター  僕はやっぱり、その年もリンさんを探してた気がする。見つけたと思ったらテントの中でずっと本を読んでた(笑)。

第2回石鎚山山道祭

ジャネット 天気が最高で、石鎚山は本当にきれいだった。前夜祭もすごく盛り上がったよね。

ケイ 石鎚山で一番印象に残ってるのは、僕たちの登山の時間がどんどん押しちゃって、集合場所にすごく遅れて到着したこと。ステージの上から夏目さんがマイクで「台湾のハイカーはどこですかー⁉︎」って呼んでて、僕たちが「ここだよーー!」って走りながら大声で叫んで合流したんだよね。

アレン 誰か道に迷わなかったっけ?

ヘクター 岳岳(ユエユエ)だよ! 台湾のハイカーは本当に自由奔放でコントロール不能(笑)。

第3回山道祭は琵琶湖畔の近江舞子で開催。山の中ではなく、初の湖畔です。ハイキングを楽しんだあと、ハイカーたちはキラキラと輝く美しい湖畔の景色を楽しみ、お約束の「テントサウナパーティー」へと繰り出す。熱々のサウナから冷たい琵琶湖へ飛び込む爽快感は格別でした。

会場には魅力的な出展ブースが並び、掘り出し物いっぱいのフリーマーケットなど、見るだけでワクワクが止まらない空間でした。

夜には「盆踊り」が始まり、「イマジン盆踊り部」の生演奏が会場の熱気を最高潮へと導きます。息が切れるほど踊っても、不思議と身体が止まらない、そんな祭りの情熱に包まれました。

みんなおいでよ山道祭

リー 山道祭には本当にたくさんのハイカー仲間が集まります。ハイキングジャムのモデルルートで偶然出会う人もいれば、会場で意気投合する人もいる。イベント全体が、登山を終えた後の「巨大な打ち上げ」のようです。面白いブースがあるのはもちろん、最後の盆踊りが会場の一体感を最高潮に引き上げ、あちこちから集まったハイカーたちの出会いを祝福してくれます!

シーチー 山道祭が特別なのは、「ハイキングが好き」という共通の趣味を持つ人だけが集まるコミュニティだということ。一般的な音楽フェスよりも、もっと大きな「同好会」のような温かさがあります。参加者はそれぞれのスタイルで、ギアの話やこれまで歩いたトレイルの経験を語り合います。ただ周りをそっと眺めているだけでも、たくさんのインスピレーションをもらえて、それを自分の次の旅の計画に詰め込みたくなる、そんな場所です。

ケイ 純粋に山の楽しさ、知らないトレイル、美しい景色を味わう。そして山を下りた後は、みんなで集まって全力で踊って楽しむ。そんな純粋なハイキングとお祭りの融合がここにあります。

アレン 山道祭は、ULギアやマーケットだけでなく、日本の伝統的なお祭りの雰囲気が色濃くブレンドされているのが特徴です。会場には提灯が灯り、ステージパフォーマンスや盆踊り、バンドの生演奏があり、みんなで輪になって踊り、語り合い、お酒を飲む。単なるメーカーのイベントではなく、山のカルチャーとローカルなお祭りが融合した山好きたちの集まりで、人と人との深い繋がりを感じさせてくれます。

ヨウホウ 山の中ですれ違わなくても、山道祭に来れば必ず志を同じくする仲間に出会えます。あとは呼吸を整えて、ただ踊るだけ! 盆踊りはあなたを全く新しい文化体験へと連れて行ってくれます。

ジャネット 山道祭に参加することで、日本各地のトレイルや四季折々の美しい景色を体験できます。下山後の会場で体験する最高の盆踊りは、イベントの中で最も忘れられない瞬間になります。「山」を通した交流が、トレイルの外にも素晴らしい思い出をたくさん作ってくれる。本当に最高の体験です。皆さん、一緒に楽しみましょう!

ヘクター 山道祭は僕にとって本当に特別なものです。なぜなら、主役はあくまで「ハイキング」だから。これほど多くのハイカーと一緒にフェスティバルを楽しめる機会は他にありません。3回参加した僕でも、毎回新しくて面白い発見があります。皆さん、ぜひ遊びに来てください。

③山道祭会場周辺のおすすめスポット

台湾・苗栗の老官道休閒農場の周辺案内

今回の山道祭の舞台となる「老官道休閒農場」とは、一体どんな場所なのか? 周辺にはどんな魅力的なスポットがあるのか? samplusのメンバー全員でご紹介します。

文:samplus メンバー全員

ありのままの自然の魅力を残した老官道休閒農場。

台湾の歴史を感じられる古道

山道祭の会場である老官道休閒農場が位置する老官道(旧称:老官路)は、全長約9kmの深い歴史を持つ古道で、かつては大湖と卓蘭(ジュオラン)を結ぶ主要な道路でした。往時の住民や運送業者、役人たちはみんな、この尾根沿いの道を歩き、日用品や農産物を運んでいました。

19世紀、台湾の樟脳(しょうのう)生産量は世界第1位を誇っていました。このエリアはかつて広大な天然のクスノキ林であり、台湾初期の樟脳採取と精製の歴史を間近で見てきた場所でもあります。時代の流れとともに交通の要所としての役割は終えましたが、原始的な山林の地形で、美しい竹林の風景、豊かな動植物の生態系がそのまま残されました。現在では、台湾の7大国家グリーンウェイのひとつである「樟之細路(Raknus Selu Trail)」*の一部に組み込まれています。

*台湾北部を横断する国家級の自然歩道。かつて樟脳産業道路だった古道で、豊かな原始林と原住民や客家文化の歴史が残る「台湾版サンティアゴ巡礼路」とも呼ばれるトレイル。

魅力はトレイルだけではありません。老官道が位置する苗栗の大湖は、山々に囲まれ、太陽の光に満ちた活気ある客家(ハッカ)*の山街であり、台湾随一の「イチゴの故郷」としても有名です。農業の魅力だけでなく、深い客家の生活文化が根付いていて、近くには隠れ家のような癒やしの「泰安(タイアン)温泉」や、原住民文化の特色を持つエリアもあります。本場の客家料理に舌鼓を打ち、山林の秘境を探索し、極上の温泉に浸かって癒やされる。そんな台湾の「スローライフな山街」と豊かな人情を体験するのに最高の場所です。

*台湾の原住民ではなく、数百年前に入植し、独自の言語と深い山林開拓の歴史を持つ漢族のコミュニティ。

苗栗周辺を楽しむ「山道祭」おすすめ旅プラン

11月の山道祭の時期は、台湾では心地良い涼しさを感じる秋の季節です。1泊は苗栗にある泰安温泉エリアの温泉旅館で温泉に浸かり、早朝には美しい山の景色を眺める——。異国の地での温かい時間の流れを感じながら、ハイキングの疲れを癒やし、エネルギーをチャージするのがおすすめです。

もっと気軽にローカルな雰囲気や歴史を楽しみたいなら、ノスタルジックな山街の魅力が残る「勝興(シェンシン)老街」がおすすめ。ここは台湾でも数少ない山間の鉄道歴史、客家文化、自然景観が融合した老街(古い街並み)のひとつです。賑やかで騒がしい観光地化された老街とは一線を画し、線路沿いをのんびり歩きながら歴史を感じたり、客家の伝統的なドリンク「客家擂茶(レイチャ)」を味わうのもいいでしょう。

もし、もう1日スケジュールに余裕があるなら、事前にネットで予約して卓也小屋(ジュオイエ・コテージ)の「客家藍染(インディゴ染め)」のワークショップに参加するのも、面白い文化体験になるはずです。

もちろん、がっつりハイキングを楽しみたいハイカーには、会場周辺に日帰りや1泊2日で挑戦できる魅力的なルートがたくさんあります。馬那邦山、火炎山、鳥嘴山、関刀山、虎加縦走など、台湾の山林ならではの濃厚なハイキングの魅力をぜひ体験してください。

山道祭前後を楽しむスケジュール例

  • Day 1: 老官道休閒農場に到着 → 周辺ハイキング or 泰安温泉エリア(温泉旅館に宿泊)
  • Day 2: 老官道・山道祭(イベント1日目)
  • Day 3: 老官道・山道祭(イベント最終日・解散)→ ハイキング or 勝興老街観光 or 泰安温泉エリア(温泉旅館に宿泊)
  • Day 4: ハイキング or 卓也小屋リゾートで客家藍染体験

台湾の風情と歴史を知れる周辺スポット

山道祭前にしっかりと観光したり、山道祭の後にのんびり羽を伸ばしたいハイカーのために、さらにローカルな雰囲気と台湾の歴史を体験できる周辺のおすすめスポットを紹介します。

清安豆腐街(チンアンドーフージエ)

泰安温泉エリアの駐車場から清安豆腐街まではクルマで約15〜20分。歩く場合は公道に沿って約2時間ほどです。山を下りた後、会場へ向かう途中の立ち寄りスポットとしてもぴったりです。

清安の一帯は、かつて原住民のタイヤル族と客家人が共に暮らしてきた歴史ある集落です。規模は小さめですが、こだわりの豆腐料理や客家のローカルフードのお店がずらりと並んでいます。昔ながらの製法で作られた豆腐は、地元の洗水渓(シエンシュイシー)の清らかな水を使用しているため、食感が驚くほど細かく滑らか。親しみを込めて「豆腐街」と呼ばれています。

山道祭の前後にもう1泊して、ゆったりと泰安の美しい自然を満喫したい方は、周辺のキャンプ場やゲストハウスを選択肢に入れるのもおすすめです。

古い街並みの風情とローカルグルメを楽しめる豆腐街

揚げ豆腐とワンタン麺

勝興駅(シェンシン駅)

勝興老街にある勝興駅は、1906年に建てられた歴史ある木造駅舎であり、1999年に苗栗県の「県指定史跡」に登録されました。台北から高雄までを結ぶ西部縦貫鉄道の最も標高が高い地点に位置しています。現在は廃駅となった駅構内には、かつて隣の泰安駅との間で列車の通行証として使われていた「タブレット閉塞器」など、日本統治時代の貴重な設備が多く残されています。現在は中央制御システムに移行されたため、これらの設備は歴史の証人として大切に保存されています。

龍騰断橋(ロントンドァンチャオ)

勝興駅と同じく日本統治時代に建てられた赤レンガのアーチ橋です。1935年の新竹・台中地震によって崩落し、現在は遺構となっていますが、残された赤レンガの橋脚と周囲の豊かな緑が美しいコントラストを描き出し、独特のノスタルジーを感じられます。苗栗を象徴するランドマークです。

台鉄旧山線鉄道6号トンネル

1908年に開通した旧山線は、1935年の新竹・台中地震により、3号から6号トンネルが甚大な被害を受けました。現在残っているトンネルの多くは、地震後に再建されたコンクリート構造のものです。現在は整備され、トンネル内は海底を思わせるプロジェクションマッピングが投影されるなど、美しい観光スポットとして生まれ変わっています。

鯉魚潭(レイユータン)

苗栗県最大のダム湖で、大安渓の支流に位置しています。美しい山々に囲まれた静謐な湖はまさに絶景です。最大の目玉は、台湾で唯一のギザギザ状の洪水吐。満水時に水が溢れ出す様子は、息をのむほどの迫力です。

旧山線レールバイクで観光地巡り

廃線となった旧鉄道をリノベーションして、レールバイク(電動アシスト付きの自転車)で走る大人気のアクティビティです。フルアシストなので体力に自信がなくても楽々移動でき、勝興老街をはじめとする、これまでに紹介した歴史スポットを一気に巡ることができます。

Cルートの終点である「鯉魚潭」から山道祭の会場である「老官道休閒農場」までは、公共交通機関がありませんが、徒歩約3時間でアクセス可能です。山道祭へ向かう、ハイカーならではの特別なアプローチルートとして選ぶのも面白いかもしれません。レールバイクを利用する場合は、大変人気のため2ヶ月前からの早期予約をおすすめします。

・臺鐵舊山線鐵路自行車 公式サイト

山道祭への台湾チームの意気込みと盛り上がりをお届けした夏号。ぜひ山道祭までの道中に、台湾のハイキングや観光も楽しんでください。次回もお楽しみに!