毎月、山と道がいま伝えたい製品を取り上げ、その魅力と使い方をじっくり掘り下げていくPRODUCT FOCUS。
実際にアイテムをどう使い、どう選ぶのか。季節やスタイルでの使い分けや、長所も短所も率直に語りながら、道具を通して、自分に合う選び方を見つけていきます。その起点にあるのは、スタッフたちの対話。その最初の一歩が、この座談会です。今回は、山と道京都のスタッフが、それぞれ自分の愛用ショーツや山と道のショーツの使い分けについて語り合いました。
PRODUCT FOCUSは、この座談会のような山と道JOURNAL記事や山と道鎌倉店頭での展示、そしてSNS等を通じて情報発信しています。気になる製品があったら、ぜひ店頭で実際に手に取ってみてください。
PRODUCT FOCUS
〜自分に合う道具の機能や使い方を考える〜
山と道の店頭やオンラインショップには、同じような形の製品がいくつも並んでいます。種類が増えるほど、「で、どれを選べばいいの?」と迷いますよね。でも、スタッフに製品ごとに「どんな時に快適だと感じたか」「どう使っているか」を聞いてみたら、答えは人それぞれ。正解はひとつじゃなく、みんな自分の体質と道具の癖をわかったうえで、その日の自分に合うものを選んでいました。
山と道が大切にしているのは自分で選び、自分で背負うこと。何を持つかを自分で決めるほど歩きは軽やかに、自由になっていく。スタッフの話が、あなたの選び方を見つけるヒントになれば嬉しいです。
山と道 夏目彰
山と道ショーツの比較
話したスタッフ
夏目|山と道 代表
りょう|山と道京都スタッフ
あやなん|山と道京都スタッフ
マブ|山と道京都スタッフ
アンディ|山と道京都スタッフ
問い|山と道で一番使っているショーツは? そしてどう使い分けている?
夏目 今日もそれぞれの思いや感じていることを素直に出してもらえると嬉しいなと思っています。じゃあ始めていきましょうか。まず、みんながいま一番穿いてる山と道のショーツについて教えてもらいたいなと思います。
YouTuberりょうのショーツの使い分け
りょう 僕は結構まんべんなく穿いてるんですが、自分の中では役割が結構明確に分かれていて、日常穿きは基本の5-Pocket Shortsで、暑い時の日常はLight 5-Pocket Shorts。暑い時期に走る時はLight 5-Pocket Short Shortsで、アルプスの縦走ならDW 5-Pocket Shortsって感じです。理由としては、普段から結構ポケットに物を入れるので、多いのは一番ブレの少ない5-Pocket Shorts。逆に走る時はポケットに物を入れへんから、より足さばきがしやすくて軽いShort Shortsにしてます。アルプスの縦走の時はスマホだけポケットに入れるんですけど、DWやったら汗かいても張りつかへんし、乾きも遅くない。なおかつ生地のハリ感もほどほどにあるんで、ブレもそこまで気にならへんのですよね。
夏目 ちなみに比良山系とかならどうなの?
りょう 比良山系なら、夏はLight 5-Pocket Shorts、もしくはShort Shortsで行くこともあるんですけど、これも電車移動の時は、丈が短いのが恥ずかしいんでLight 5-Pocket Shortsで行って、車移動の時はShort Shorts。あと、着替えや寝間着として持っていく時も、なるべく軽いShort Shortsが多いですね。5-Pocket Long Shortsはあんま穿いてないです。
夏目 じゃあ、Light 5-Pocket Shortsにはスマホは基本は入れない?
りょう やっぱ普通に歩いてても気になるんで、あんまり入れないですね。
夏目 新しいブレなくなったやつも試してる(※2026年のアップデートでスマホ用ポケットが以前よりブレにくくなった)?
りょう 店頭で試して、確かにブレ感は違うなと思いました。ただ、僕は結構動画撮ったり写真撮ったりするんで、ポケットにフラップが付いていること自体が煩わしく感じるんで、そもそもLight 5-Pocket Shortsにしても、できれば出し入れの早いフロントポケットに入れたいんです。実は僕、スマホをあんまりスマホ用ポケットには入れないですよ。
夏目 マジか。
りょう アルプスの岩場とかで滑落が怖い時は、一旦スマホポケットに入れてスナップボタンを閉じるんですけど、それ以外の平坦な道とかは基本フロントポケット。僕がYouTuberだからかもしれないですけど(※りょうはYouTuber「みそしるえがお」としても活動中)、出し入れのしやすさの方が大事だと思っていて。
夏目 なるほど。びっくり。
りょう 独特ですいません。YouTuberあるあるですかね。出し入れがそんなに必要ない時とかはスマホ用ポケットにも入れるんですけど、そこはちょっとみんなと違うかも。

2026年、北アルプスでのりょうとDW 5-Pocket Shorts。フロントポケットにスマホを入れている。
あやなんは5-Pocket ShortsとShort Shortsがあればいい
あやなん 私が一番穿いてるのは山ならLight 5-Pocket Short Shortsですね。テント泊縦走は長ズボンを穿くので、山でショーツを穿きたいのは、だいたい走る時だから。でも、普段穿きとかゆるい日帰りハイクとかは基本的に5-Pocket Shortsを選んでます。ただ、山と道のスタッフで製品をいろいろ持ってるから山行スタイルによって使い分けていますけど、自分がお客さんで1着選ぶんやったら、私の山の遊び方的にはShort Shortsです。それがあればトレランも山もいけるし、普段穿きでもいけるから。DWはバランスがいいけど正直どっちつかずな感じもするので、私的にはLight 5-Pocket Short Shortsと5-Pocket Shortsがあればいいかなって。

2025年、名田庄で水浴びするあやなん。Light 5-Pocket Short Shortsなら濡れてもあっという間に乾く。
夏目 じゃあ、山でDWを選ぶことってあんまりないの?
あやなん でも今夜、六甲山を40kmくらい走るんですけど、そこはDWで行こうと思って。
夏目 そのわけは。
あやなん やっぱり夜間で、まだこの時期で標高1,000mぐらいってなったらちょっと寒いやろなっていうところで、Short ShortsとDWを持ってるから、選べるならじゃあDWで行こうかなっていう感じで。かつ、今日は走り終わった後にお風呂に行く予定で、お風呂の着替えを持っていくってなった時に、DWを持つよりShort Shortsの方が軽くてコンパクトなのでトレランザックに入れやすいっていうのもあって。今晩はShort Shortsを着替えに入れて、DWで走ろうって考えています。だから、Short Shortsの持ち運びのしやすさもいいなって。
夏目 もう少し今の話で。六甲山の40kmを夜間みんなで走るって話だよね。Light 5-Pocket Short ShortsとDW 5-Pocket Shortsを比較した時に、DWを選ぶ理由は保温の部分?
あやなん 保温の部分もあるけれど、正直どっちでも良かったです。全然Short Shortsでも良かった。
りょう でもさ、Short Shortsやったら、今って夏で、トレランで汗だくになる可能性があるやんか。そん時にShort Shortsで汗だくになると肌に張り付くし、張り付いた時に風とか吹くと、やっぱ水分含んでる方が熱伝導率が上がるから、冷えやすい気がして。肌離れがいいDWの方が、汗をかいた時はより快適な気がするというか、寒く感じにくいショーツな気がする。

2024年、カナダのレースにDW 5-Pocket Pantsで参加するあやなん。
あやなん たぶん今日は、走りながらも途中で立ち止まるシチュエーションもあるし、ずっと動き続けるわけではないから肌に張り付きにくいDWでいいなって。これがずっと動き続けるレースとかであればたぶんShort Shortsだけど。あと、Short Shortsは腰がヒモなところも好きで、軽いし、柔らかいし、上から長ズボン穿くのもヒモの方が穿きやすい。ぎゅって縛ることもできるし、保水もしづらいからめっちゃ汗かいても乾きが早くて、ストレスがない。だから私は(腰がテープ&アジャスター式の)Light 5-Pocket Shortsは穿いてないです。
りょう そもそも、5-Pocket Shortsも途中からテープ&アジャスター式になったじゃないですか。僕も結構ヒモが好きやって。自分が締めたい位置で緩まんように締めれたり、テープのねじれも気にならないというか、そもそもねじれっていう概念がなかったり。よりシンプルだし、最悪、切れても自分で直せるし。テープ&アジャスター式も便利やけど、どっちがより好きかって言ったら、僕もヒモかな。
夏目 なるほどね。
あやなん でも、普通に山を歩くだけやったら、5-Pocket Shortsが一番好き。
マブは5-Pocket Shortsがあれば事足りる
マブ 僕も5-Pocket Shortsを一番穿いてますね。それは日常も含めて、どんなシチュエーションでも何も考えずに持っていけるから。僕はあんまりランはしないので、そういう人にとっては1本あればそれで事足りる。家の物も減るし、それ以上必要と思ったことがあまりないです。あとは僕、汗かきなので、DWとかLight 5-Pocket Shortsを穿いてると、もうべっちょべちょになって汗染みも目立つんですよ。で、5-Pocket Shortsは多少濡れたテカリ感は出るんですけど、汗染みがあんまり目立たない。そういうところも含めて、日常から山から帰宅時まで、シームレスに何も気にすることなく繋いでくれるのが5-Pocket Shortsなので、一番気に入ってます。あとはポケットに物を入れた時のブレなさっていうのも、僕の中ですごく快適に使えている部分。生地が丈夫でガシガシ使えるし、細かいこと考えなくてよいし、1枚あったら安心して山に行けるのが、僕にとってはすごく良い道具です。

2023年、北アルプスでのマブ、後ろのジョージも5-Pocket Shortsを穿いている。
夏目 ちなみに、Light 5-Pocket ShortsとかDW 5-Pocket Shortsを穿く時もあるの?
マブ 去年から走り始めたんですけど、そういう足を大きく常に動かすようなシーンでは使います。あとは体温が上がって、ちょっとでも涼しくしたい時。でもLight 5-Pocket Shortsは岩稜帯とかで腰かけた時とかに岩のトゲトゲがお尻に伝わってくる感じがちょっと心配なんで、比べても5-Pocket Shortsが好きだなって感じますね。
距離でショーツを選ぶアンディ
夏目 じゃあ最後、アンディはどうですか?
アンディ 僕はハイク、トレラン、基本的に全部DW 5-Pocket Shortsです。僕の場合、ショーツとバックパックが連動していて、例えばバックパックがMINIだとスマホを入れる場所がないのでDWか5-Pocket Shortsを選ぶんですけど、(ポケットの多い)トレランザックであればスマホを入れる場所があるのでLight 5-Pocket Shortsっていう感じです。主に5-Pocket Shortsはハイキングや冬のトレランで、DWはミドルからロングの30km以上のトレランまたはハイク、Light 5-Pocket Short Shortsに関してはショートのトレランレースで、日帰りの時は正直、気分ですね。僕のこだわりは、Size Sを選ぶこと。パンツに関してはSize Mなんですけど、ショーツはSize Sってのが僕の決まりで。短ければ短いほど足上げした時に裾の動きが少なくなるっていうところと、小さいぶんスマホのブレが少なくなる。あと、新しくなったLight 5-Pocket Shortsのスマホポケットは、縦ブレが少なくなったぶん横ブレするっていう感覚が、若干あります。

2025年、ナタショウトレイルランニングレースをDW 5-Pocket Shortsで走るアンディ。
りょう 合ってんちゃう? 前まではポケットの袋が固定されてなくて、縦にも横にも360°回ってたけど、上がウエストに縫い込まれて補強されたぶん、横はやっぱブレるやろうし。
夏目 なるほど。詳しくありがとう。距離で使い分けるとか、すごい面白かった。
問い|あなたにとって良いショーツとは?
夏目 じゃあ次は「あなたにとって良いショーツとは」という問いを、また答えを回していきたいなと思います。まず、りょう君はどう?
ショーツは足さばきが一番大事?
りょう 僕はやっぱ、動きやすさが一番やなと思ってて。山と道に入る前に、滋賀一周トレイルを24日間歩いたんすけど、そん時は前半5-Pocket Shorts穿いてたんですよ。滋賀の県境の山を時計回りに歩いて、途中でトレイルを降りて三重県のモデラートさんに寄って、Short Shortsを買って穿き替えたら、「今までのが不快やったんや!」と思うぐらい快適やって。それぐらい生地が変わって、丈が短くなったことで足さばきがラクになって、改めてショーツは足さばきが一番大事だなって。
マブ 僕は、あれこれ考えずにパッと手に取ったやつで、どこにでも行けるっていうのが良いショーツかな。全ての道具においてそれはあるかもしれないけど。
夏目 「それさえあればどこに行っても安心だ」って思えるようなシンプルさであったり?
マブ はい、そうですね。頭の中がどんどんシンプルになっていくようなもの。
アンディ 僕にとっては、せっかくショーツ穿いてるんだから、やっぱりヌケが良くて、肌のベタつきが少ない、肌離れが良いショーツが一番だと思う。トレラン用のインナーが付いているショーツも穿いてるんですけど、すっごいベタつくんですよ。それだとショーツの良さをあまり活かしきれてないんじゃないかなって思って。それに比べて、5-Pocket Shortsはそもそも素材のタスランナイロンがハリがあってくっつきにくいので、すごくいいなと思いますし、DWも生地に凹凸があることで張り付かないので、すごく満足しています。Light 5-Pocket Shortsに関しては、ショートレースだったら我慢できる張り付き具合かな。この辺がやっぱり山と道のショーツの、僕は良さだとは思ってます。
夏目 やっぱ張り付かないとか、ヌケ感があるものが良いショーツってことだよね。アンディにとっての良いショーツって、解放感を感じられるショーツなのかなって感じたんだけど、どう?
アンディ その通りです。
あやなん 私は軽やかで、とにかく涼しいショーツ。基本、夏のアルプスも長ズボン派なので、ショーツを穿きたい時は、より軽やかに動きたい、涼しさがほしい時。だから私にとっては、より動きやすさと軽さに特化してるのが良いショーツですね。
夏目 いつもパンツ穿いてるからこそ、それを求めるってことだよね。
あやなん はい。だからショーツを穿きたいシチュエーションは、そういう柔らかくて動きやすいのがとにかくほしい時。
夏目 いいですね。すごく分かりやすい。皆さんありがとうございました。
一同 ありがとうございました!
道具の選び方に、正解はひとつじゃない。だからこそ、問いを持ち寄り、人の選び方を知ることが面白い。この座談会は、次回は山と道鎌倉編へと続きます。
参加スタッフプロフィール

夏目 彰|山と道 代表
2011年に妻とふたりで山と道をはじめる。今も新しいメーカーのあり方を模索中。

久保田 稜(りょう)|山と道京都スタッフ
滋賀を愛する2児の父。滋賀1周トレイルを24日かけて歩く、限られたモノの旅が好き。YouTuber「みそしるえがお」としても活動。

永井 絢菜(あやなん)|山と道京都スタッフ
学生時代からのバックパッカー。ジョン・ミューア・トレイルやチリのパタゴニアなど海外の山を歩いてきた。トレイルランニングも好き。

馬渕 亮太(マブ)|山と道京都スタッフ
元プロミュージシャン。子どもの頃に親しんだ山へ。2023年からウルトラライトを実践中。

安藤 優作(アンディ)|山と道京都スタッフ
メインはランニングとトレイルランニング。ウルトラライトは日々勉強中。




















