毎月、山と道がいま伝えたい製品を取り上げ、その魅力と使い方をじっくり掘り下げていくPRODUCT FOCUS。
今回、山と道京都のスタッフが持ち寄ったのは、それぞれの秋の山行を想定したレイヤリング。11月の小辺路、九州自然歩道、10月の北アルプス。それぞれの経験をもとに、何を着て、何を持っていくのかを話しました。
「それでは寒くない?」「ダウンの方がいいんじゃない?」「自分ならこっちを選ぶ」。お互いのレイヤリングについて話していくと、それぞれの汗や寒さへの向き合い方、道具の使い方の違いも見えてきます。
話したスタッフ
夏目|山と道 代表
りょう|山と道京都スタッフ
あやなん|山と道京都スタッフ
マブ|山と道京都スタッフ
アンディ|山と道京都スタッフ
アルファとメリノを駆使するマブ
夏目 じゃあ、ゆっくり始めていきたいと思うんですけど、今日は秋のレイヤリングについて、みんなからどんなレイヤリングをしてるかっていうことを話してもらって、どうしてそのレイヤリングを選んだかっていうポイントを話してもらいたいなと思ってます。
マブ じゃあ、僕からいいですか。想定する季節は11月頃の、日陰に入ったらひんやりするし、日向にいたらポカポカするような低山で考えました。具体的には熊野古道の小辺路で、標高が大体1,000mから1,500mいかへん位で、集落と山を繋ぎながら歩くみたいなイメージ。公共交通機関で行って帰ってくる想定ですね。で、レイヤリングはベースレイヤーが100% Light Merino Sleevelessで、ミドルがAlpha Vest、その上にMerino Shirt、ボトムスが5-Pocket Pantsで、アクセサリーとしてLight Alpha Sleevesです。

Mid Layer: Merino Shirt
Mid Layer: Alpha Vest
Base Layer: 100% Light Merino Sleeveless
Accessory: Light Alpha Sleeves
Bottoms: 5-Pocket Pants
夏目 この組み合わせのポイントは?
マブ メリノを多く使っているところですかね。僕は公共交通機関を使うんで、帰りにも臭いたくないっていう部分で、ベースもシャツもメリノの製品っていうところ。あとは、人里をつなぐ山行っていうことで、シャツっていう、街との親和性も高いデザインのもので気兼ねなく歩きたいっていうのがあったりしましたね。あとは、日向は暖かいけど日陰に入るだけで5℃ぐらい寒くなる環境をイメージしたんですけど、Light Alpha Sleevesが、バックパックを下ろさずにさっと温度調整ができるのがすごく気に入っていて。とはいえ僕は暑がりなので、脇の下はちゃんと換気しながら歩きたいんですよ。100% Light Merino SleevelessとAlpha Vestで体幹は暖かくしつつ、Light Alpha Sleevesで腕の保温を調整する。脇の下は熱を逃がせるようにして、暑くもなく寒くもない、ちょうどいい塩梅をキープしながら歩き続けることを狙ったレイヤリングですね。

Mid Layer: Alpha Vest
Base Layer: 100% Light Merino Sleeveless
Accessory: Light Alpha Sleeves
Alpha Vestで体幹を保温しつつ、Light Alpha Sleevesで上げ下げして体感気温をコントロール。
夏目 ちなみに、Light Alpha SleevesはMerino Shirtの下に付ける感じなの? どんな感じ?
マブ 歩き出しとかで寒い時は下に忍ばせてましたね。日が出てきて暖かくなってきたタイミングでMerino Shirtを脱いで、Light Alpha Sleevesで温度調整をしながら歩いていくっていうのを、その時はずっとやってました。

Merino Shirtの下にもLight Alpha Sleeves
りょう この小辺路、僕も歩いたことあるんすけど、かなり気持ちよく歩ける系のトレイルで。難しいとこがないというか、淡々と歩くうちにゾーンに入っていくようなセクションが多いんで、やっぱ脱ぎ着するのが煩わしく感じるなとは僕も思いました。11月で、峠を3つ越えて、村にも何回か降りるんで、そういう意味ではメリノも含まれてて、アームスリーブで微調整しつつっていうのは、すごいわかるなって感じ。
あやなん 私も11月の九州自然歩道の福岡・大分セクションを歩いた時、季節的にはマブさんと近いけど、小辺路ほどアップダウンがなくって、ずっと町歩きみたいな感じだったから、ヒートアップする瞬間がそんなになくて。歩いてる時に、DF Mesh Merino Long Sleeveで、Merino Shirtを着て、その上に、Light Alpha Vest/Jacketを着て、Light Alpha Only Hoodも一緒に組み合わせたんですね。歩いてる分にはそんなに暑くなりすぎず、でも熱も逃がしつつ、ずっと心地良くて。だから、マブさんのこの小辺路やったら、確かに、登って下りてを繰り返すから、脱ぎ着できるLight Alpha SleevesとかAlpha Vestとか調整しやすいんやろうけど、なんか私の場合、Light Alpha Vest/Jacket 1枚がちょうど良かったから、なんとなく似てるなって。

Outer Layer: Light Alpha Vest/Jacket
Mid Layer: Merino Shirt
Base Layer: DF Mesh Merino Long Sleeve
Bottoms: 5-Pocket Pants
Accessory: Light Alpha Only Hood
夏目 それって、気温がちょっと違うのかな。あやなんが言ってた時って、雪も少し降ったりとかしなかった?
あやなん 降ってるタイミングでした。気温は低かったですね。0℃から10℃ぐらいかな。
マブ 11月の熊野の方が暖かったと思う。
あやなん で、さっき「町に馴染みやすいMerino Shirt」って言ってたじゃないですか。私もそれすごくいいなと思ってて。Merino Shirt、街歩きにも自然歩道歩きにも、ずっと気持ちいい。普段の暮らしでも進んで着たい。本当に街から山までずっと着れるから、すごい心地良かったですね。秋の季節、いいですよね。
マブ めっちゃいいよね。

Merino Shirtがお気に入りのあやなん。
寒がりあやなんのレイヤリング
あやなん 今のが私の秋の低山タイプで、でも高山でもLight Alpha Vest/Jacketは結構重宝してて。10月のアルプスに行った時も、寒さに弱いっていうのもあって、夜の保温着がActive Pulloverだけじゃちょっと不安なので、Light Alpha Vest/Jacketでした。それにUL All-weather Jacketを上に足して防風性をしっかり担保して、ベースレイヤーはDF Mesh Merino Long SleeveにプラスしてAlpha Vestをお守りに持っていくんですけど、なんだかんだ毎回着てますね。

Outer Layer: UL All-weather Jacket
Mid Layer: Light Alpha Vest/Jacket
Base Layer: DF Mesh Merino Long Sleeve
Bottoms: 5-Pocket Pants
Bottoms: UL All-weather Pants
夏目 Alpha Vestはどういうタイミングで着るの?
あやなん 朝の動き出しの時も着てるし、夜、なんか他にもあるんやったら着たいってくらい寒がりなんで。だからやっぱり、Light Alpha Vest/Jacketがあっても、Alpha Vestも結局着て、保温の足しにしてます。ダウンまではまだいかないですけど。

Mid Layer: Alpha Vest
Base Layer: DF Mesh Merino Long Sleeve
アンディ Light Alpha Vest/Jacketはずっと着続けてるの?
あやなん いや、テン場ですね。
アンディ かさばるなとは思うけど、それでもお守り的な?
あやなん Active Pulloverの方がかさばらないかもしれないけど、保温性的にLight Alpha Vest/Jacketがいいなって。
りょう 最低気温は何℃ぐらい?
あやなん うーん、0℃〜5℃以下になるやろうなっていう時は、Light Alpha Vest/Jacketがいいかなっていう感じ。最低気温が5℃以下だったら、持っていきたい。
マブ ダウンの代わりに持っていく感じ?
あやなん ダウンでもいいですけどね。でも、Light Alpha Vest/Jacketの方が朝そのまま着て動いてもいいし、っていうところはありますね。で、軽いし、濡れても大丈夫だし。
夏目 なんか5℃以下だったら、もう普通に9月の北アルプスでも最低気温が8℃とかいく時あるから。天気によっては日中でも5℃以下とかも普通にあると思うんだけど、そういう時はもうずっと着っぱなしみたいな感じ?
あやなん 行動してる時に着る想定ではないですね。5℃以下でも行動してると暑くなるので、最初ちょっと寒くても我慢して、DF Mesh Merino Long SleeveにAlpha Vestで。もし寒かったら、その時持ってるシャツ系かミドルレイヤーを着て歩くかなって思います。それで歩いていけば、5℃以下でも多分暑くなると思うので。
マブ Light Alpha Vest/Jacketの袖を外してベストモードで歩くっていうのはないの?
あやなん あんまないな。結局、わざわざ付けて取ってみたいなの、あんまやってないですね。
夏目 やってよ(笑)。
あやなん やらなあかんですね。でも、ちょっと時間取るやん(笑)。
りょう でも、行動中あんま着いひんそうってやったら、ダウンの方がいざという時はやっぱ着てすぐ暖かいし、安全面的にはいいかなと思ったけど。例えば、Alpha Vestを抜いて、Light Alpha Vest/Jacketを袖なしで着といて、テン場についたら袖を付けてとか。ミドルレイヤーを1個減らせるし、その分でダウンを担いだ方が保温性は上がりそうな気はしたけど。個人的な意見として。
あやなん それもそう思う。朝一に着て歩くこともあるはあるけど、ダウンでもいいんかもしれんね。
りょう でも、あやなんが快適なんやったらいいと思う。
あやなん 雨対策というか、「濡れても大丈夫やろうな」みたいなところはある。ちょっとそこは考えようですね。
りょうの「汗かかへん」レイヤリング
りょう 僕は10月中旬から下旬にかけてぐらいのアルプスを想定しました。テーマとしては、なるべく汗をかかずに歩きたいけど、汗をかいても不快にはならないレイヤリング。ベースがDF Mesh Merino Half Zip Hoodyで、パンツがDW 5-Pocket Pantsで、ミドルレイヤーはAlpha VestかActive Pulloverかで迷ったんですけど、今回はAlpha Vestで。DF Mesh Merino Half Zip Hoodyのジッパーを活かすならActive Pulloverなんすけど、袖が2重になってごわつくのでAlpha Vestを選びました。もうひとつ、Alpha Haramakiも僕は好きなんで、ここはAlpha Vestとダブるんで、めっちゃ迷いました。迷って両方持っていったこともあります。

Mid Layer: Alpha Vest
Base Layer: DF Mesh Merino Half Zip Hoody
Bottoms: DW 5-Pocket Pants
それとUL All-weather JacketとUL All-weather Pantsを、寒い時とか天候が悪い時用に持っていきます。基本的な行動着はさっき言った、ベースにDF Mesh Merino Half Zip Hoody、DW 5-Pocket Pants、あとAlpha Haramakiを付けるか付けないかで歩いてます。で、秋は汗をかくとあんま乾かないんで、運動量とかレイヤリングで、なるべく汗をかかへんように歩くんですけど、DFがベースやと、万が一汗をかいてもやっぱ肌離れがいいんであまり寒く感じないのと、かいてもすぐ乾くんで。汗をコントロールする重要性が上がる季節やなと思うんで、その辺を意識したレイヤリングを結構してます。で、特に稜線とかだと風が強かったり寒かったりするんで、フードをかぶって調整できるように、特にアルプスではフーディーを採用してます。

Base Layer: DF Mesh Merino Half Zip Hoody
Accessory: Alpha Haramaki
あやなん これは想定は10月上旬? それとも下旬?
りょう 中旬から下旬やけど、そんな寒くない日のイメージ。
あやなん DW 5-Pocket Pantsだと寒くないかなと思ったけど。
りょう 経験上そんなに寒くなくて。「汗かかへん」っていうのをテーマにした時に、登り基調でもそんなかかへんし、登ってからも、寒かったらUL All-weather Pantsを履けばいいかな、と。Light Alpha Tightsも持ってるから、動き出しとかはタイツも仕込めば、割と悪天候でも対応できると思ってて。あとは化繊ダウンのパタゴニアのマイクロパフフーディを持っていって、ほんまに寒い時はマイクロパフを着て、UL All-weather Jacketとか羽織れば、濡れてもすぐには冷えず大丈夫だろう、と。

Bottoms: DW 5-Pocket Pants
Bottoms: Light Alpha Tights
Bottoms: UL All-weather Pants
夏目 なるほどね。でも、10月の中旬から下旬のアルプスって言ったらさ、もう初冠雪もしてて、寒い時はかなり寒いから、「ちょっと寒い」っていうレベルじゃない時の方が多いかなって気はするけど、そこはどう?
りょう 今んとこ、その天気に当たったことがなくて。大体そんなに寒くない、悪天候でもないっていうのが多いんですよ。特に、なんか秋は割と天気が安定してる気がしてて。あと、この季節だと2泊3日ぐらいしかしたことなくて、あんまりめちゃくちゃな悪天候に当たったことがないんで、もしかしたら想定しきれてない何かがあるかもしれないです。
夏目 でも最近は秋冬も暖かいもんね。
りょう そうなんですよね。去年も10月中旬ぐらいに行ったけど、朝方でマイナス4℃ぐらいあったんで、意外と暖かいなっていう感じです。なんで、ちょっとあったかめ想定だと思ってもらえればいいかなと。なんで10月上旬ぐらいって言ってもいいんかな。一般的なレイヤリングとしては。
あやなん うん。私、11月とか10月のアルプスやったら、DW 5-Pocket Pantsで行くの怖いもん。
マブ DWを選んでる一番のポイントって何なの?
りょう バランス。前もショーツ編で喋ったけど、僕はフロントのポケットにスマホを入れたりするんで。5-Pocket Pantsでも正直いけますけど、ここはあんまり変わらん感じがして。UL All-weather Pantsがあるんで、寒かったらそれを着ればDWでも確実に暖かいと思うから、それを見越して、どっちかというと通気性を取ってDWにしました。
夏目 ちなみに、あやなんは自分だったら何を履いていく?
あやなん 5-Pocket Pantsですね。10月だったらもう気温もかなり低くなるなっていうのは思うので。でもMerino 5-Pocket Pantsだとやっぱりその重さがちょっと気になるので、動きやすさで5-Pocket Pantsかなっていうところです。
アンディの10月北アルプスのレイヤリング
アンディ 僕は2024年の10月上旬に行った北アルプスが結構バッチリはまったので、それを紹介したいなと思うんですけど。気温は日中10℃〜20℃ぐらいで、最低気温が0℃前後でした。で、ベースレイヤーにDF Mesh Merino Half Zip Hoodyで、これは夏山でも僕は選んでて、夏の場合は日よけとして長袖とフードを使いたいっていう感じです。夏は若干暑いですけど、秋に関しては汗処理の良さを重視して選びました。ミドルレイヤーと就寝着としてActive Pulloverを持っていったっていう感じですね。基本的に僕は汗っかきなので、その2枚で基本十分いけるかなっていう想定だったんですけど、もしものために、フーディニのオールウェザーTネックっていう半袖の化繊ダウンをお守りとして持っていきましたが、結局着ることはなかったです。天候的には良かったので、荒れたら着ようかなっていう感じでした。パンツはOne Tuck 5-Pocket Pants(※現在は販売を終了)を穿いています。

Base Layer: DF Mesh Merino Half Zip Hoody
Bottoms: One Tuck 5-Pocket Pants
夏目 DF Mesh Merino Half Zip HoodyとActive Pulloverって、両方合わせて着ることってあった?
アンディ 実際に着ましたね。
夏目 それはどっちを下にして、どういう風に着てるの?
アンディ 稜線歩きで、やや風を入れたい時に、DF Mesh Merino Half Zip Hoodyの上からActive Pulloverを着ました。
夏目 じゃあ、基本ベースレイヤーがDF Mesh Merino Half Zip Hoodyで、その寒さに応じて上からミドルとしてActive Pulloverを着るみたいな感じ?
アンディ そうです。

Mid Layer: Active Pullover
Base Layer: DF Mesh Merino Half Zip Hoody
りょう 最高気温20度ぐらいの時に、One Tuck 5-Pocket Pantsは暑くない?
アンディ 正直、日中は暑かったですね。その時は裾をふくらはぎまで上げて、太ももに生地をもたつかせて、くっつかないように歩いてたっていう感じですね。
りょう 今回、その実際の経験を元にしたレイヤリングやけど、もしこのパンツを入れ替えるなら入れ替えたいとか、DWの方がもっと快適やったかもとか、Lightでもよかったかも、みたいな「かもしれない」ベースでは?
アンディ その日の天候だったら、DWでも良かったかも。でもこの時のOne Tuckの太もも回りのゆとりが足上げにすごい良かったので。DWだとそこがやっぱストレッチ性でカバーされるんですけど、One Tuckだったら足上げにほぼ関与せずに、タックが入っているぶん涼しい空気がちょっと回ってくれて、すごい快適だったなと。今だったら5-Pocket Wide Pantsを穿くのかちょっとわかんないですけど、One Tuckが僕は好きで、勝負パンツになっています。

タックのおかげで足上げ良好なOne Tuck 5-Pocket Pants。
夏目 One Tuck 5-Pocket Pantsは今は販売してないから、なんて言っていいか(笑)。
アンディ 次は5-Pocket Wide Pantsを穿いてみます。
あやなん 個人的には20℃でも湿度がそんな高くなければ、5-Pocket Pantsはさらっとしてるし、全然暑くない。私、スイス行った時も20℃から25℃とかやけど、湿度が高くないから、One Tuck 5-Pocket Pantsで全然大丈夫やった。私が暑さに強いっていうのもあると思うけど。
マブ 0℃付近で夜寒くなかった?
アンディ 大丈夫でしたね。寝る時もオールウェザーTネックは着ずに、ちょっと背中部分に掛けるくらいでカバーできたんで。
マブ アンディが持ってる寝袋が快適温度5℃だったっけ?
アンディ 快適温度が4℃、リミットがマイナス1℃ですね。
マブ それやったら着込んだら大丈夫か。
アンディ あんまりテン場でゆっくりしないタイプなんですよね。着いたらすぐテントを張って、ご飯食ったら寝るタイプなので。
ポイントは汗・湿度・気温差
夏目 じゃあ一通りみんなにレイヤリングについて話してもらって、改めて最後に、秋のレイヤリングのポイント、特にどういう所を気にしているとか、ここが夏と違うよねとかをみんなに話してもらえたらいいなと。で、ちょうどあやなんからも湿度の話が出ましたね。夏は湿度がすごい高いけど、秋になると湿度が低いから、だから着るものが変わるみたいな話だし、そこをもう少し深掘りしながら回していきたいと思うんですけど。
あやなん はい。夏に比べて秋は汗をかいたら乾きづらいから、結構その辺を意識してますね。縦走だったらメリノを着ていって、汗冷えしない、かつ気持ちよくずっと歩けるもの、っていう意識。夏だったらどんどん乾いていくし、より涼しいものがいいからChemical Bを優先的に選ぶけど、そういう視点じゃなくなってくるなっていうのは思います。で、私は寒さに対して弱いっていう自覚もあるし、寒かったらどうしようって不安がいつもあるので、メリノ系の保温性もあるものを選びたい。なので、「これやったらいけるかな」っていうよりか、ある程度しっかりと寒さ対策をしていくのは、秋口とかの高山は特に、それを無意識下で考えながらやってます。「大丈夫やろう」ではなく、ちょっと多めに持っていく。
夏目 それが先ほどのレイヤリングと繋がるってことですかね。
あやなん そうですね。なんで、Alpha VestとかAlpha Haramakiも予備的に持っていくとか、そういう点で、何か安心材料にもなるものを足していますね。
夏目 じゃあ次、レイヤリングのポイントで、「秋はこうだからこれを選ぶ」みたいなことを話せる人はいますか。
マブ 僕は気温差が結構ポイントかなと思います。日中は暖かいし、行動中も体が暖かくなる一方で、日陰に入ったら一気に寒くなったり、夜は0℃付近、場合によっては0℃以下になったりもするので、そこに対応できるように、より少ない道具で工夫するっていう部分は大事かなと思います。湿度については、夏よりも秋の方が低いので、その状態で「乾きにくい」というのは、僕の中ではあまり感じていなくて。どちらかというと、乾くのは早いと思っているんですよね。湿度が低い状態で、そもそも汗もそんなにかかへんし。僕が一番警戒しているのは、汗冷えの部分です。湿度が低かったり風に吹かれたりすると、汗が蒸発しやすくなって、気化熱で体の熱が奪われて冷えていくので、そこをどうカバーするか。アクティブインサレーションでどう補うか、あとはシェルやフードでいかに風の影響を受けにくくするかっていうところが、割と僕の中ではポイントかなと思いながらウェアを選んでますね。
夏目 じゃあ、さっきは言ってなかったけど、やっぱりUL All-weatherは持ってくみたいな?
マブ そうですね。アルプスではActive PulloverとUL All-weather Jacketに、プラスAlpha Haramakiを使いながら温度調整をしながら歩くことが、僕の中ですごく心地良くてはまっています。さっき話した11月の小辺路とかやったら、UL All-weather Hoodyとメリノ製品合わせて、ウェア内の湿度をコントロールしながら心地よく歩き続けるっていうのがはまってるレイヤリングなので。それで対応してますね。

Active PulloverとAlpha Haramakiの組み合わせがお気に入りなマブ。
アンディ 秋は気温差が大きいので1着で温度域が広いものを積極的に使うべきかなとは思います。換気ができる100% Merino Half Zip Hoodyであったり、100% Merino Zip Hoodyなんかは結構推していけるポイントなんじゃないかなと思いますね。それにプラス、しっかり汗処理ができるベースレイヤーが1枚あること。ベースレイヤーでしっかり汗の対応をして、ミドルレイヤーで換気ができたり保温ができたりっていうのが、秋としては重要なのかなって思います。
夏目 じゃあ最後、りょう君に締めてもらわないと。
りょう いや、難しいです(笑)。僕は秋でも汗をかくとやっぱあんまり乾かないイメージの方が強かったんで、なるべく汗をかかないようなレイヤリングと運動量の調整とか、あと背中に汗かかないようにバックパックを肩掛けにしたりとかでやってるんですけど、さっきのマブさんの話を聞くと、確かに湿度が低いとそのぶん乾きやすいのかもなとも思ったりして。それに合わせて「気化熱で熱が奪われる」っていうのも、乾きが早いとやっぱ起こりやすいと思うんで。じゃあ、早く乾きすぎると寒いし、汗を大量にかくと、そこに風が当たって冷えたりするんで。やっぱりそういう時にUL All-weatherは微調整というか、風をブロックしつつ湿度は逃がしていくことが結構大事なんかなって、改めて感じました。そこにActive PulloverやAlpha Vestをかませたり、Alpha Haramakiで調整したり、UL All-weatherとベースレイヤーの間に着る何かっていうのが重要な季節ですよね。やっぱそこはさっきアンディが言ってた幅広い温度帯で使えるミドルレイヤーとか、例えばあやなんやったら、そこにLight Alpha Vest/Jacketを持っていったりとか。やっぱ秋は特に、そこの調整が大事なのかなっていう気がして。で、あと個人的にやったことがあるのが、Light Alpha Vest/Jacketをバックパックを背負ったまま後ろ向きに着るっていうのを3年前ぐらいのOMMの時に1回やって、アクシーズクインのクナドっていう背中が開いてるシェルみたいに着たんですけど、割と良かったりもしました。


意外とはまってるLight Alpha Vest/Jacketの前後逆パターン。
夏目 これって、普通にバックパックを下ろして着ればいいだけの話ではなく?
りょう 僕、背中の汗を結構かくんで、背中に保温性の高いアルファの生地を持たせたくなかったってことですね。どっちかっていうと背中の生地がいらなかったんで。
夏目 なるほどね。
りょう そんな感じで、汗をかかへん方が快適やなっていう気持ちが強い。秋こそそういうことをやったりするんで。今回は山のテーマもそれぞれが設けたんで、それぞれ全然違うスタイルで、僕も再発見があって面白かったです。
あやなん 前回のこの座談会でMinimalist Padの可能性を感じて、今更ですけどこの前のテント泊の時に、Minimalist Padをお腹に巻いてご飯を作って食べてたら、めっちゃあったかくて「ええやん」ってなったので、次はLight Alpha Vest/Jacketの袖を、ちゃんと取り外して使ってみようと思います。

Minimalist Padは体に巻いたり寝袋の中に入れたりすると意外なほど暖かさを感じる。
夏目 前に巻いて着るとか(笑)。
あやなん 新しい可能性が知れるかもしれませんね(笑)。
りょう 僕、前回の座談会で、5-Pocket Shortsとかのフロントポケットにスマホを入れてるっていうのを言ったら結構みんなに驚かれたんで、じゃあ1回開けづらくてもフラップ付きのスマホポケットに入れてみようと、あれから1ヶ月ぐらい結構意識してたんですけど、全然違いますね。こっちの方がやっぱいいなと思って(笑)。 頻繁に動画とか撮る時はフロントポケットの方が出しやすいけど、やっぱ行動に集中する時はこっちやなって再認識できたんで。この座談会で「人とずれてることを1回見直そう」とか、逆に「ちょっと人とは離れたことをやってみよう」みたいなのが出てくるのは、いろんな引き出しを開けてくれていいなと改めて思いました。
マブ 気候の感じ方とか、汗の乾きの早さみたいな話も、人それぞれの感じ方があるんだなっていうのを改めて思ってます。自分の中の感じ方だけじゃなくて、そこも含めてお客さんとすり合わせていくのってすごく大事だなと思いました。自分のベストっていうのも持ちつつ、お客さんにとってのベストというか、そのお客さんにとっての問題解決がちゃんと会話の中でされるのも、改めて大事なことやなと思ったので、すごく実りのある座談会でした。ありがとうございました。
アンディ もちろん僕のレイヤリングが100%正しいわけじゃないので、アルプスに行く機会が今年あるので、夏のアルプス、秋のアルプスで、みんなが「いい」って思ってるレイヤリングをちょっと試してみて、より勉強をしていきたいなと思いました。
夏目 今日も面白かった。特にみんな汗を結構意識してるんだなっていうのは改めて感じましたね。で、湿度の話になったりとか、それぞれの選んでるポイントっていうのも見えてきて。これ、ちゃんとまとめて共有することによって、「こういう時にこういうのを選ぼう」とか、色々と感じてもらえたら嬉しいなって思いました。京都でも鎌倉のお店と同じような展開ができるように考えていきたいと思うので、よろしくお願いします。じゃあ、お疲れ様でした。
一同 お疲れ様です!
道具の選び方に、正解はひとつじゃない。この座談会は、山と道鎌倉ではPRODUCT FOCUSの展示やSTORE PROGRAMへと続いていきます。山と道鎌倉・京都で、お待ちしています。
参加スタッフプロフィール

夏目 彰|山と道 代表
2011年に妻とふたりで山と道をはじめる。今も新しいメーカーのあり方を模索中。

久保田 稜(りょう)|山と道京都スタッフ
滋賀を愛する2児の父。滋賀1周トレイルを24日かけて歩く、限られたモノの旅が好き。YouTuber「みそしるえがお」としても活動。

永井 絢菜(あやなん)|山と道京都スタッフ
学生時代からのバックパッカー。ジョン・ミューア・トレイルやチリのパタゴニアなど海外の山を歩いてきた。トレイルランニングも好き。

馬渕 亮太(マブ)|山と道京都スタッフ
元プロミュージシャン。子どもの頃に親しんだ山へ。2023年からウルトラライトを実践中。

安藤 優作(アンディ)|山と道京都スタッフ
メインはランニングとトレイルランニング。ウルトラライトは日々勉強中。




















