毎月、山と道がいま伝えたい製品を取り上げ、その魅力と使い方をじっくり掘り下げていくPRODUCT FOCUS。その起点にあるのはスタッフたちの対話であり、その最初の一歩がこの座談会です。
今回は、寒暖差が激しくなる秋にかけてのハイキングでどんなことに気をつけ、どんなレイヤリングを行っているのか、山と道鎌倉スタッフが語り合いました。
暑がり、寒がり、汗のかき方、歩くスピードも人それぞれ。秋でもショーツで歩く人もいれば、ロングパンツを選ぶ人もいる。着替えを持つ人も、持たない人もいる。自分の体質や経験、歩き方、天候をどう考え、道具を組み合わせているのか。スタッフそれぞれの考え方を紹介します。
話したスタッフ
夏目|山と道 代表
前原|山と道HLCアンバサダー/グループリーダー
おーじ|山と道鎌倉店長/山と道HLCアンバサダー
角ちゃん|山と道鎌倉スタッフ
ジョージ|京都から鎌倉に出向中
おでん君|山と道鎌倉スタッフ
秋のレイヤリングで気をつけていること
夏目 今日は秋のレイヤリングについて、みんなに案を出してもらって、どうしてそのレイヤリングをしたのか、選んだポイントなどについて色々話してもらいたいなと思っています。はじめに、夏から秋に季節が変わっていく中で、秋のレイヤリングのポイントや夏と秋の違いはなんだろうっていうところから入っていきましょう。
前原 肌に汗を残さない、水分を残さないことを、寒くなると一番大事にしています。夏だと、多少濡れてても気温が高いんである程度許容できるんですけど、秋とか、さらに冬になっていくと、やっぱり濡れからくる汗冷えが致命傷になるんで。そこは自分の中ではすごく気にしています。
おーじ 僕は前原くんと同じ考えプラス、やっぱ朝晩の冷え込みが夏と違うというところで、その辺のバランスや考え方が結構重要だなと思っています。あと、やっぱり季節の変わり目の雨対策も想定したいとは思ってます。その時の気温や標高にもよるんですけど、雨が降るっていうことは、最低気温ぐらいになる場合もあるし、その状況にどう対応できるかっていうのもポイントに置いてます。
おでん君 僕は「秋だから寒いんじゃないか」っていう妄想をして失敗したケースが今まであって。なるべく自分は暑がりだってことを忘れない。秋だけど割と夏に近いレイヤリングをするようにして、あとは保温着でカバーしたりっていう。行動中はどうしてもずっと暑いので、寒さを逆に意識しすぎないようにしています。
夏目 なるほど面白い。
角ちゃん 私も比較的おでん君と近くてですね、暑がりの滝汗派なので、基本は夏でもそうなんですけど、1日中通して寒くならないことを意識しています。「暖かい」より「寒くない」ということを考えていつも行動していて。秋は気温差が激しかったり、風で一気に寒くなったりするので、そんな時にも素早く対応できるレイヤリングだけど、基本的なベースは暑がりなので夏っぽい、みたいな感じが多いです。
ジョージ 僕もほぼほぼみんなと同じで、気温差があることで、特に冷え込む最低気温のところだけは常に気を付けています。それはウェアリングだけじゃなくて装備も含めて、やっぱり寒さに関しては一番気にしています。でも同時に、やっぱり歩く時は夏の快適さを残しつつ、っていうのが基本テーマになってるかなと。
秋でもショーツ派のおーじ
夏目 じゃあ、そんな中、秋のそれぞれのレイヤリングを話してもらいたいなと思うんですけど。その際、想定している山と天候を話してもらいつつ、こういうアイテムを選んでますってことを話してもらっていいですか。じゃあ誰から行こう。
おーじ 僕は10月の中下旬ぐらいの信越トレイルの3泊4日想定です。運動強度高め。雨も降る想定です。日中は12℃から15℃ぐらい、最低気温は朝晩で5℃想定ですね。標高が高い場所なので、夏の終わりから秋にかけては、近くで積乱雲が発達すると、雨が降っていなくても風で急に冷え込むことがあります。秋晴れの放射冷却も考えて、気温差をしっかり想定したレイヤリングです。トップスのベースレイヤーがChemical B Pocket T-shirtで、これはポイントは乾きやすさ。雨も想定していることで、メリノよりもChemical Bを選びました。あとは、ミドルレイヤーはKami Shirtを選びたい。雨が降ったらベースレイヤーとレインウェアの間に調湿性のあるKami Shirtを差し込みたいなと。ボトムスは、Light 5-Pocket Short Shorts。これは、僕はやっぱり運動強度が高めなので、行動中はやっぱ快適に歩きたい。で、汗をあまりかきたくない。前原君がさっき言ってた、なるべく汗でウェアを濡らさないっていうことを僕もすごく重要視してます。で、寒くなったらUL All-weather Pantsを穿いて、さらに、例えば怪我をしたり、過酷な状況になって、自分の運動強度が出せない時には中にLight Alpha Tightsを穿く、くらいまでの想定を考えてます。

Mid Layer: Kami Shirt
Base Layer: Chemical B Pocket T-shirt
Bottoms: Light 5-Pocket Short Shorts
秋でも行動時はLight 5-Pocket Short Shortsが基本。

Outer Layer: UL All-weather Jacket
Mid Layer: Kami Shirt
Base Layer: Chemical B Pocket T-shirt
Bottoms: Light 5-Pocket Short Shorts
Bottoms: UL All-weather Pants
悪天候時の行動着。
おーじ さらに、もっと寒い時を想定して、保温性もあり汗処理もできて速乾性もあるActive Pulloverも入れてます。行動中のもしもの時の保温着としても使うけど、基本は就寝用ですね。で、アウターレイヤーはUL All-weather Jacket。あと、僕は末端冷え性なので、Alpha Socksも就寝時の保温用として最低気温15℃ぐらいから僕は持っていきます。あとは、AW Alpha Mittens。これも気温が15℃ぐらいになると行動中が例えばノースリーブを着ていたとしても手首だけは冷やさないように付けていることが多いです。自分にとっては必須アイテム。僕のレイヤリングはそんな感じです。

Outer Layer: UL All-weather Jacket
Mid Layer: Active Pullover
Bottoms: Light 5-Pocket Short Shorts
Bottoms: Light Alpha Tights
Accessory: Alpha Socks
Accessory: AW Alpha Mittens

AW Alpha Mittenがおーじの秋冬の必需品。つけたまま手指をすぐに出せるので、体温調整もしやすい。また脱いだKami Shirtを体の前で結ぶのも、腹部を冷やさないアイデア。
前原はこうして秋もショーツで過ごす
前原 僕は9月の八ヶ岳全山縦走2泊3日を想像してたんですけど、標高が高いとはいえ9月だったらまだ暖かいし、一般よりは行動スピードが速いので、ボトムスは5-Pocket Shorts。僕は太ももが冷えると足が固まっちゃう感覚があるんですけど、5-Pocket Shortsだと太ももは防風して守ってくれるけど膝下は涼しい、ハイブリッドな印象があって、9月とかにショーツを使う時に重宝しています。トップスはふたつ案があって、行動中の気温が暑そうだったら半袖、寒そうだったらフードとハーフジップ付きの長袖って分けてて、100% Light Merino Half Zip Hoodyで行くんだったら、ミッドレイヤーはAlpha Vestを選びます。Active Pulloverって襟があるんで、フード付きの服だとちょっともたつくんで。でも、例えばChemical B Pocket T-shirtであったり、DF Mesh Merinoとか、100% Light Merinoでもいいんですけど、半袖で行く場合はActive Pulloverを持っていきます。それプラス、シェルにはUL All-weather Jacketを、換気しやすくて汗をかきにくいから使っている感じですね。

Mid Layer: Alpha Vest
Base Layer: 100% Light Merino Half Zip Hoody
Bottoms: 5-Pocket Shorts

Mid Layer: Active Pullover
Mid Layer: Chemical B Pocket T-shirt
前原 ボトムはテン場に着いた時に5-Pocket Shortsの上にLight Alpha TightsとUL All-weather Pantsっていう形で過ごすことが多いんで、自分のレイヤリングは基本そういう感じですね。で、9月でも僕、ベアフットサンダルで歩くんで、夜寒そうな時はAlpha Socksを履きます。基本ソックスはそれだけです。

Outer Layer: UL All-weather Jacket
Mid Layer: Active Pullover
Bottoms: 5-Pocket Shorts
Bottoms: Light Alpha Tights
Accessory: Alpha Socks
夏目 ふたりとも秋口でもショーツ派なとこは共通してるね。
前原 僕もおーじさんほどは速くないけど、大体コースタイムの60~80%くらいのペースで歩いてるんで。まあまあ自分の中で熱が出てるから、そうするとやっぱショーツの方がちょうどいい。
夏目 寒くなったらLight Alpha Tightsとかで暖めることもできるし、防風だったらUL All-weather Pantsとかで、レイヤリングでしっかりサポートできる形になっている。
前原 そうですね。色々な状況に対応できることを考えた上で選んでます。

Outer Layer: UL All-weather Jacket
Bottoms: UL All-weather Pants
ジョージのAlpha Vest活用法
ジョージ 僕も共通点が多いです。僕は9月の北アルプスとかで、気温で言うと、日中が15℃から20℃ぐらい、最低気温は最低でも5℃までいくような状況の想定ですが、トップスはヒデちゃん(前原)と一緒で、100% Light Merino Half Zip Hoody。付け加えるなら、僕は寝袋での就寝時のベタつき防止も含めて、フードっていうものの便利さをすごく推していて。行動中でしたら、やっぱり秋とはいえ日差しは強くて、首回りを日焼けから守りたいし、停滞時も耳とか顔周りの寒さも防げるのがやっぱり大きいなと。就寝時から行動時まで、暑い時から寒い時まで、この1着でいけるっていうところに、ものを減らしてシンプルにレイヤリングするという意味では推しの一品です。

Outer Layer: UL All-weather Hoody
Mid Layer: Alpha Vest
Base Layer: 100% Light Merino Half Zip Hoody
Bottoms: 5-Pocket Shorts
ジョージ で、ちょっと違うのは、僕はAlpha Vestを風の対策として持っていってます。それで保温するというよりは、その上に着るUL All-weather Hoodyとかのシェルに対しての空間を作る、みたいな。体にペタっと付くと、生地の薄いUL All-weather Hoodyはどうしても冷気が伝わるので、ベースレイヤーとの間に空気の層を、ちょっと入れてあげるだけでも全然暖かく感じるっていう保険的な意味で、一応持っていってます。

シェルとベースレイヤーの間にAlpha Vestをかませることで暖かく感じるのだとか。
ジョージ でもふたりとちょっと違うのは、僕、寒さに非常に強くて。基本的には、僕も想定はテント場で最低気温5℃の、行動中は15℃〜20℃くらいなんですけど、基本的にはソックスなどのインサレーションは何もいらないし。寝る時はショーツの上からLight Alpha Tightsのみで全然寝れる。Light Alpha Tightsも保温のためというよりは、足同士のベタつき防止のために穿いているぐらいで。あとはシュラフで調整するっていうイメージ。基本的には周りの人より薄着だと感じてます。

Base Layer: 100% Light Merino Half Zip Hoody
Bottoms: 5-Pocket Shorts
Bottoms: Light Alpha Tights
前原 ジョージさんは寒さに強いっすよね。
ジョージ めっちゃ強い。だから僕も一応Active Pulloverは持っていってるんですけど、大体枕で終わる。夜にテン場でみんなと話す時は着たりするんですけども、いざテントの中に入ったら、大体脱ぐことの方が多い。でも色々試してみて、自分の中で「これでいけるな」って掴めたのは大きな経験ですね。
角ちゃんのHLCプラクティスでの実践
角ちゃん 私は実際に去年の10月10日前後で行ったHLC鎌倉のPRACTICE(※山と道HLCで最も難度の高いプログラム)に参加させてもらった時のレイヤリングなんですけど、場所は、浅間山から四阿山ですね。大体標高的には2,000mちょいでした。1日目は雨で気温が下がって、2日目は雨が上がってちょっと暑くなるっていうような、レンジがすごくある天候が予想されたんですけど、私が使ったのが、まずベースレイヤーはChemical B Pocket T-shirt。その時、DF Mesh Merino T-shirtとすごい悩んだんですけど、やっぱりプラクティスだと私にとっては行動負荷がかなりかかって汗だくになるんだろうなっていうのと、雨から晴れになって気温が上がるっていう予報だったのと、テン場で洗濯ができそうだったので、乾きやすさを取ってChemical Bを選びました。あと、気温が下がることも考えられたので、Alpha Haramakiと、Light Alpha Sleevesっていう、私の必ず持っていくものをプラス。Alpha HaramakiとLight Alpha Sleevesさえあれば、ある程度はいけるっていうのはあって。実際、雨の時はさすがにUL All-weather Jacketをその上に着たんですけど、他はその3つだけで全く大丈夫でした。

Base Layer: Chemical B Pocket T-shirt
Bottoms: Light 5-Pocket Wide Pants
Accessory: Alpha Haramaki
Accessory: Light Alpha Sleeves

Alpha HaramakiとLight Alpha Sleevesさえあれば、大抵は大丈夫と角ちゃん。
角ちゃん シェルにUL All-weather Jacketを選んだのは、やはり暑がりなので換気しやすいように。雨の日でも、前から風や雨が吹き込まなければダブルジッパーを真ん中でとめて開けてる状態で歩くことが多いので、汗をかくことが予想される状況には、大抵UL All-weather Jacketを選んでいます。

Outer Layer: UL All-weather Jacket
ジッパーを真ん中だけとめて歩くのがお気に入り。
角ちゃん で、ボトムスはLight 5-Pocket Wide Pants。ショーツをやめた理由は、気温が下がるのが予想されたので、ショーツだとちょっと寒そうだったのと、Light Wideだったら、気温が上がっても風が通れば気持ちいいっていうのは感じていたので。もし本当に寒かった時に、持っていったLight Alpha Tightsを中に穿いたとしてもLight Wideなら動きやすいので、何があってもどう転んでもうまくいきそうかなっていうことを考えて選びました。
夏目 なるほどね。考えてるね。

Bottoms: Light Alpha Tights
Bottoms: Light 5-Pocket Wide Pants
Light 5-Pocket Wide PantsとLight Alpha Tightsは相性抜群。
汗かきおでん君の着乾かし術
おでん君 いま角田さんが僕が言いたかったことほとんど語ってくれたんで、もう、ずっと聞きながらニヤけてました(笑)。9月末ぐらいの北アルプスを想定してるんですけど、僕もボトムスはLight 5-Pocket Wide Pantsで、就寝時はその中にLight Alpha Tights。で、トップスはベースがChemical B Pocket T-shirtで、寒くなってきたらActive Pulloverで、悪天候になってきたり、もっと寒い時はUL All-weather Jacketを重ねるっていうレイヤリングですね。僕は汗をかきすぎるので、DF Mesh Merinoとか100% Light Merinoのフーディーも大好きなんですけど、行動が終わった時点で100パーセント濡れてる状態なことが結構あって。テン場で日が暮れると、乾くよりも冷えの方が上回っちゃうことが秋は特に多いので。

Base Layer: Chemical B Pocket T-shirt
Bottoms: Light 5-Pocket Wide Pants
暑がりなので行動中は基本半袖。

Outer Layer: UL All-weather Jacket
Mid Layer: Active Pullover
行動着を最大限重ねた状態。
おでん君 で、Active Pulloverをまず素肌の上に着て、その上にChemical Bを着て、それで着乾かししながらテントを張って、落ち着いてご飯を食べる頃には全部乾いてるっていう状態にするのが最近好きで。そうすると、汗かきでもちゃんと寝るまでに全て乾いてくれます。

Active Pulloverをベースレイヤーの乾燥機として使うアイデア。ただ単にアクティブインサレーションとしてだけ使うのはもったいない!
おーじ 僕、Alpha Vestでもそれするんですよ。行動後はバックパックを背負ってるので背中の方が濡れてることが多いんで、テン場に着いてすぐ、Alpha Vestを前後ろ反対にしてベースレイヤーの上から着ると、Alpha Vestの毛が汗を吸い上げてくるんです。メリノでも早く乾くっていうのは、自分の中ではある。本当はAlpha Vestの上にメリノを着た方が早く乾きますけど。

Alpha Vestを前後逆に着て背中を急速乾燥!
前原 生地の表面の方に水分がつかないぶん、早く乾くのかな。
おーじ かもしれない。
夏目 うんうん。Active Pulloverの方が早く乾くだろうけどね。
ジョージ 着乾かしという意味で、僕も面白い体験があって。ちょうど四国愛媛での山道祭の時に、会場に向かって山を歩いていたんですけど台風で一度中止になって、小屋でみんな一緒になった。その時京都スタッフのりょう君と僕が汗や雨でメリノがべちゃべちゃになって、僕は着替えを持ってきてたんで、「もうこれ乾きようもないから着替えるわ」と言って服を小屋の中に干したのね。で、りょう君は着乾かししてみると。で、りょう君のは確か3時間ぐらいで乾いたんだけど、一方僕のは次の日までずっとべちゃべちゃで。水分を含んだベースレイヤーが荷物になると思ったら、やっぱり全然違うなと思って。もう本当に何にも乾いてなくて、重いままだったんで。ああ、着ることで全然乾くし、その後にも色々影響出るんだなっていうのは、その時知りました。
着替えを持っていく? いかない?
夏目 なんか、秋って濡れたらなかなか乾きづらいってみんな話してたけど、着替えって夏と比べて変わったりする?
前原 着替えは増えないけど、やっぱ保温着が増えるんで、そのぶん着るものは増えるって感じですね。濡れても保温着を着て乾かすことが多い。
おーじ 基本的には保温力を高めて、自分の体温で着乾かししたいよね。
前原 ですね。よっぽどびしょびしょになったら、パンツは絶対持っていくんで、下着は替えるんすけど。あと、普段から長袖のベースレイヤーも1着、もしテン場で寒い時用と帰りの着替え用に持っていくんで、特に夏とあんまり変わんないかも。
おーじ 僕は着替えを持っていってない。
ジョージ 僕もそうです。
前原 僕は絶対持っていく。
おーじ 行動中にびしょびしょになってしまったらやばいけど、何かの保温着で代用できる備えがしっかりあれば。あと、僕、帰りの着替えとかも下は、UL All-weather Pantsとか履いて、なんて言うんすか、ノーパンで帰ることとかもあるんで(笑)。最終的にはあるもので着替える、みたいな。

下山後の温泉を出たおーじはこんなスタイル。でも安心してください。写真ではパンツ穿いてますよ。
前原 僕も帰りの電車はUL All-weather Pantsを履いて帰ることが多いです。一番臭わない。
おーじ 行動中に使ってないことも多かったりする。でも、乾きも早いから行動中に濡れてても、帰る頃には乾いているんですよね。
角ちゃん 私は下はあんまり気にせず、そのまま穿いてたものを穿いて帰るパターンもありますし、汚れてたらUL All-weather Pantsを穿いたりもしますね。京都スタッフの大ちゃん(伊東大輔)が100% Light Merino Half Zip Hoodyを寝間着として着るのがすごい好きだって言って、必ず1枚、着替えも兼ねて持っていくっていうのを聞いて、たまにはそういうこともしてみようと思って試したんですけど、確かにすごい気持ち良かったんですけど、それよりも私はやっぱり軽さを取りたいなと思ったので、その1回限りでそれは終わりました(笑)。
前原 涸沢小屋で働いた時に、やっぱ秋の紅葉シーズンってめっちゃ人多いんですけど、土砂降りでずぶ濡れになって上がってくる人とか、みんな小屋でもガタガタ震えているんで。そういうのを見ていると、着替えはパンツとベースレイヤーは1着ずつあった方がいいなってことで、夏でも絶対持ってます。ただ、それが秋だから増えるわけではないんですけど、より秋の方が気温も下がってくるんで、より役立つというか、お守りになるっていうのは、これを聞いてる人みんなに伝えたい。
おーじ まず、ズブ濡れになったことがない人は、これのことあんま分かんないです。僕は高山でズブ濡れになった経験たくさんしてきたから分かります。
前原 自分を暖める方法とか、服を乾かす方法とかを知っていたらいいですけどね。
おーじ そうじゃなければベースレイヤーや下着の着替えは絶対に必須だと思う。
前原 夏の夜も冷える時はあるけど、秋以降は本当に冷えた時、もう体がどうしようもできない。そうなったら着替えちゃった方が絶対いい。
角ちゃん 結局、なんかそれもあって、私、朝から1日中雨の日に例えばUL All-weather Jacketの下にActive Pulloverを着たりとか、Light Alpha Tightsを穿いたりも、冷たくならなくて気持ちいいんですけど、1日中雨に降られたらびしょびしょになるじゃないですか。で、テン場に着いた時にこの乾いた暖かいものを着たいがために、これを着て行動するかどうかめっちゃ悩んだりしちゃって。着て快適に歩くことを取るのか、ちょっと耐えられそうだから頑張って、で、テン場に着いてあったかいものを着て「うわ、最高」って思うのを取るのか、すごい考えますね。結構、ギリギリまで悩んでます。
夏目 でも、着替えは持っていかないんだ。
角ちゃん そうですね。下着のショーツと靴下だけ。着替えを持っていく時は半袖かスリーブレスを追加します。
前原 予想以上にみんな着替えを持っていってない。
角ちゃん 基本、着乾かしのパターンが多いですね。
本当に冷え切った時はどうする?
夏目 でも、本当に体が冷えてしまった時は、サバイバルシートやMinimalist Padを体に巻くと暖かい。そういうことをやった経験は?
ジョージ あったけど、正直そこまで秋の山って感じじゃなかったから、寒い思いはしたことあるけど、本当に行動できないほどはないですね。実際、もし自分でテントを建てることもできないぐらい低体温になったら、怖いですよね。その想像はできるけど経験はないから、それに近いものとかをやってみたい。もう本当に安全なシチュエーションで。
夏目 本当に体が冷え切って、自分で十分な熱をつくれなくなったら、ダウンなどを着てもなかなか暖かくならないこともあるんだよね。
前原 そういえば、みんなダウンジャケット持ってかないっすね。
おーじ 9月〜10月だから。Active Pulloverが生まれてからダウンを持っていかないことが多くなったね。0℃前後になるとまた違うけど。
角ちゃん そうですね。行動中も使えるっていうところがやっぱ大きくて。ダウンだと「行動中はちょっと」って、考えちゃったりもするので。それが使えるタイミングとか気温とかであれば、なるべくActive Pulloverを使いたいなって思ってますね。
夏目 着乾かしもできるしね。
Light Alpha Vest/Jacketが活躍する場面は?
夏目 レイヤリングの話でLight Alpha Vest/Jacketは出てこなかったけど、Light Alpha Vest/Jacketが活躍する季節とか天候だと、どんなとこだと思う?
前原 僕は10月下旬から11月くらいの奥多摩とかの縦走とかは、寒い時が多いけどやっぱ歩いてると暑くなるんで、ジャケットにもベストにもできるから、長袖の100% Light Merinoか、100% Merino Pulloverと合わせてよく使ってます。

Mid Layer: Light Alpha Vest/Jacket
Base Layer: 100% Merino Pullover
角ちゃん 私は11月以降ですね。低山だともう12月とかですね。
前原 それって僕らがやっぱ行動負荷高く歩けるっていうのがあると思ってて。逆にお客さんで、僕らが「これ着ると暑いよ」って言った時も、「全然そんなことないよ」って人もいたりするんで。それってやっぱ使う人のスピードによって実はもっと9月から着れる人もいるかもしれない。スタッフは結構みんな行動負荷高く歩けて、かつ、ちょっと発熱しやすいからその時期に使ってるけど、シチュエーション的にはもっと早くから使える人が多いんじゃないかな。
おーじ 雪が降る前ぐらいの10月の中旬の南アルプスで着た時があって。標高3,000m前後の稜線歩きとかはちょうどよかった。
前原 もうあの時期は意外と寒いっすよね。風が冷たい。
おーじ 冷たいから風を適度に防いで、かつ適度に保温と通気してくれるんで、ちょうど良く着続けられる。雪が降る前の高山には結構使えるんじゃないかなって思う。
ジョージが感動したUL All-weather Pants
夏目 なるほど。大体出たかな。話し足りてない人っていますか。
ジョージ 僕が山と道に入って、一番「この製品すごい!」と思ったのが、UL All-weather Pantsで、僕は山と道に入るまで登山歴7〜8年あったんですけど、レインパンツは初年度に買ったものをずっと使ってたんですよ。でも雨の日にあえて行くことも少なかったり、ほぼ使ってなかったんですよね。レインパンツっていうもの自体、お守りぐらいの感じだったんですよ。でも、僕がこのパンツに出会って一番大きかったのは、朝寒いから長ズボンを履いていこうかなと思ったら日中めちゃくちゃ暑くて結局後悔するとか、中にタイツを履いちゃって、暑いけど行動中に脱げないみたいな時に、UL All-weather Pantsをシェルとして考えれば、これを穿くだけでショーツを選べるっていう。この発想に僕、本当に感動して。これをみんなに広げたい。「ウィンドシェル的なボトムス」みたいなイメージをみんなに認知してもらえると、停滞中にそれを穿くだけでも全然寒さをしのげるっていうことを知ってもらったら、みんなのレイヤリングが変わるんじゃないかなって。おかげで僕はショーツで秋山をすごく快適に歩けるので、良いものに出会ったなっていうのがありました。

Bottoms: 5-Pocket Shorts
Bottoms: UL All-weather Pants
夏目 風はちゃんと防げるしね。
ジョージ あと、やっぱりUL All-weather Pantsは通気するってことは大きいし、脚周りがバタつかない。一般的なレインパンツは、穿いた瞬間から「もう脱ぎたいな」って思うことが多いと思うんですよ。熱がこもるってことも含めて。でも、このパンツで歩くと、雨が止んでももうそのまま穿いて帰ってもいいかな、と思うほどストレスがない。そういった意味では、UL All-weather Pantsとの出会いは僕の中で大きかった。
100% Merinoを使う場面
夏目 僕はLight Alpha Vest/Jacketとか色々と出す前は、100% Merino Half Zip Hoodyを一番着てて。最近、100% Merinoの製品を使ってる人っている?
前原 日帰りとか家族や友達と行くみたいな、結構緩やかに歩く時は、化繊のChemical B Pocket T-shirtを下に着て、上に100% Merino Pulloverを着たりとかするんですけど、それは化繊を下に着て汗をMerino Pulloverに吸わせてあげるっていうのと、あとは、電車に乗ったりとか、街に降りても、そのまま普通に過ごせるというか、着てられるから使うことが多いですね。自分だと、行動負荷が高くなると100% Merino Pulloverってこの時期は熱くなっちゃうんですけど、そういう、ゆっくり歩いたりとか、街も楽しみましょうみたいな時は、こういうレイヤリングで行って、下山しても着替えないとか、そういう使い方をしています。

Base Layer: Chemical B Pocket T-shirt
Mid Layer: 100% Merino Pullover
メリノの下にChemical Bを重ねるのも相性が良い。
角ちゃん みちのく潮風トレイルだと100% Merino Zip Hoodyを使っていることが多かったです。海沿いだと、場合によっては暑かったりとかするので、前を全開放できて換気できるってことと、山着と街着がシームレスって感じがすごく私は好きです。あとはMerino Shirtもすごい好きで、臭いも気にならないので何も考えずにそのまま着て帰ってこれるので、低山の日帰りとかではよく着ます。

Mid Layer: 100% Merino Zip Hoody
Base Layer: Chemical B Pocket T-shirt
前原 100% Merino Half Zip Hoodyは、僕はジッパーが下までいらないんで、これがちょうど良くて。あと、ポケットが中で繋がってるのが好きで、お腹に手を入れながら歩きます。Merino Pulloverと同じで、ゆっくり歩く時とかに使いますね。

Mid Layer: 100% Merino Half Zip Hoody
中で繋がったカンガルーポケットがお気に入り。
夏目 じゃあ、今日はこんな感じですかね。秋、またいい山をみんなで楽しみましょう。ということで、感想を1言ずつ回していこうか。
おーじ みんなのレイヤリングは想像通りというか、よく一緒に登ってるんで「なんかそうだな」っていう感じと、普段の接客でみんなその話をしてるなっていうのもある。ジョージも、女性のお客さんに接客してる時に、今日言ってたUL All-weather Pantsとショーツの話をずっとしていて、「熱いな、こいつ」て思いながら聞いてたりする時もあるし。みんなもそうやって日々感じていることを考えながら接客してるんだなって、なんかそういう意識で聞いちゃいました。
おでん君 ひとつは前原さんの話を聞いて着替えを持っていこうと思ったのと、あとは角田さんの話を聞いて、汗かきの人あるあるというか、やっぱいつも感じてることが確信に変わった感じで面白かったですね。秋の山に行くのがより楽しみになりました。
ジョージ 聞いてて思ったのは、やっぱり僕自身が寒さに強いし、内臓もなかなか壊さないので、逆を言えば、接客でお客様と共感できないこともあったりするのかなって。だから冗談ではなく、安全マージンがある中で本当に冷える経験をしてみたいなって。たとえば手が冷えることでどこまで行動に影響があるのかとか、わかんないんで。そういったことも含めて、道具とその人の相性があるってことも、ちょっと理解したいなと思います。
角ちゃん 結局、「自分の体質だとこう」っていうのがあるから、自分が考えるといつも同じような形になってしまうので、逆に今度、行動負荷をかけないで新しいレイヤリングに挑戦してみたりとか、お客様により寄り添うじゃないですけど、その気持ちを理解することを試すようなハイキングをしても面白いのかな、なんてことを色々話を聞きながら考えてました。あと、単純に秋山に行きたくなりました。夏、まだ終わってないけど(笑)。
前原 僕らは止まらずに歩ける術とか経験値を持ってるんで、やっぱりレイヤリングも似てくると思うんですけど、それぞれの体質や道具の特性の違いで合う合わないは絶対あるんで、僕らが今日熱く語ったことだけが全てじゃなくて、各製品それぞれ、使い方によって際立つ部分がすごいあるはずだから、今日語りきれなかった部分も、お店でぜひ話したいなって思いました(笑)。
夏目 今日の話で面白いなと思ったのが、みんな体質も歩き方も違うし、選んでいるものも違うけど、状況が変わった時にレイヤリングでちゃんとカバーしていくことを考えているところ。秋でもショーツで行く人は、寒くなったらUL All-weather Pantsを穿くとか、もっと寒かったらLight Alpha Tightsを穿くとか、「何か起きたらこうしよう」っていう次の一手まで考えてる。初めての方やまだ慣れていない方も、自分の体質や歩き方に合わせて、そういう視点で組み合わせを考えていけば、安心して山に行けるんじゃないかなと思いました。ということで、お疲れ様でした。
一同 お疲れ様でした!
道具の選び方に、正解はひとつじゃない。この座談会は、山と道鎌倉ではPRODUCT FOCUSの展示やSTORE PROGRAMへと続いていきます。山と道鎌倉・京都で、お待ちしています。
参加スタッフプロフィール

夏目 彰|山と道 代表
2011年に妻とふたりで山と道をはじめる。今も新しいメーカーのあり方を模索中。

前原 秀則|山と道HLCアンバサダー/グループリーダー
元理学療法士。ニュージーランドの長いトレイルを歩いて、ウルトラライトハイキングに夢中になった人。

苑田 大士(おーじ)|山と道鎌倉店長/山と道HLCアンバサダー
編集に農業に狩猟と多彩。ウルトラライトのスタイルで山を歩いて10年以上。

角田 裕子(角ちゃん)|山と道鎌倉スタッフ
北アルプスに惹かれて山の世界へ。エベレスト街道もカミーノも歩いたロングトレイル好き。

山本 暁洋(ジョージ)|京都から鎌倉に出向中
家族の日帰りハイキングから山へはまる。イラストレーターの顔も持ち、長期テント泊や雪山、バイクパッキングにも挑戦中。

横井 雄飛(おでん君)|山と道鎌倉スタッフ
釣り一筋から鎌倉のハイキングで山に目覚めた人。装備も身体も、ウルトラライト化に挑戦中。




















