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PRODUCT FOCUS 座談会

#11(京都)秋冬の山と道の道具の使い方

みんなのハイキングを変えた道具と、山と道のウルトラライトを感じる道具
2026.10.21
PRODUCT FOCUS 座談会

#11(京都)秋冬の山と道の道具の使い方

みんなのハイキングを変えた道具と、山と道のウルトラライトを感じる道具
2026.10.21

毎月、山と道がいま伝えたい製品を取り上げ、その魅力と使い方をじっくり掘り下げていくPRODUCT FOCUS。その起点にあるのはスタッフたちの対話であり、その最初の一歩がこの座談会です。

前回の山と道鎌倉編に続き、今回も秋冬の山と道製品を、それぞれの「ハイキングを変えた製品」と「山と道のウルトラライトを感じる製品」という切り口で、山と道京都のスタッフが語り合いました。

テーマは同じでも、語り手が変われば話も変わるもの。この対話があなたの秋冬のハイキングのヒントになりますように。

話したスタッフ

夏目|山と道 代表
りょう|山と道京都スタッフ
あやなん|山と道京都スタッフ
マブ|山と道京都スタッフ
アンディ|山と道京都スタッフ
大ちゃん|山と道京都スタッフ

事前アンケートを読んで気になったこと

夏目 今回の座談会の前に、みんなに山と道の秋冬製品についてのアンケートを書いてもらったけど、読んでいると、同じ製品でも使い方がそれぞれ違っていて、面白かったです。特に冬は、行く山や歩くペース、暑がりか寒がりかによって、レイヤリングもかなり変わってくる。今日はアンケートを読んで気になったことや、他のスタッフに聞いてみたいことから話していきましょう。

アンディ 僕たちショップスタッフは、雪山ではベースレイヤーにActive PulloverやDF Mesh Merinoを着て、ミドルレイヤーを着ずにAll-weather Alpha Jacketを着るレイヤリングが多いんです。でもお客様は、ベースレイヤーとAll-weather Alpha Jacketの間に100% Merinoを着る方が多いイメージ。100% Merinoは、雪山をハードに歩く人は着なくて、雪がついていない低山の冬山での使用が多いんじゃないかな。皆さんはどんなレイヤリングで行っていますか?

夏目 All-weather Alpha Jacketの中に何を着るか、だよね。

大ちゃん 今回のアンケートを見ていて、100% Merinoシリーズの良さとして「山と日常でシームレスに着られる」という意見が多かった気がしていて。本来メリノウールって、保温性や防臭性、汗冷えのしにくさで、濡れのリスクが高い山で体温を守る機能的な製品だったと思うんですよね。でも、DF Mesh MerinoやActive Pulloverなど、よりテクニカルな製品が出てきている今、みんなが100% Merinoをどう捉えているのかが気になりました。

マブ 100% Merinoシリーズは行動中はすごく快適なんですけど、汗をかいた状態でテント場に着いた後、僕は冷えが気になることが結構あるんですよね。そういう時にみんな何を着て保温しているのかが気になります。

りょう 僕は個人的に、Merino Knit Capって全くかぶらへんくて。ニット帽っていつ使うのかな、と思うんです。正直、頭が寒いとかなくない? みんな本当に必要で使っているのか、差し色で使っているだけなのか聞きたい。

Merino Knit Capはいつ使うのか

夏目 Merino Knit Capは、寒いところに行ったら僕は使ってるかな。

大ちゃん 場合によっては、Light Alpha Only Hoodとかで代用できたりするかもね。

りょう 僕は、よく行く山域やったら、ウェアについてるフードで賄えてるんで。夏目さんみたいに雪の高山が好きな人はいると思うんですけど、関西の1,000mぐらいまでしか行かへん人にとってどういう位置づけなのかなと思っています。バラクラバをかぶる時は、その上からニットキャップをかぶるんですか?

夏目 そう。でも、僕はあんまりバラクラバ自体を使わないんだよね、めんどくさくて。他の人は、ニットキャップについてどう思ってる? 

Merino Knit Cap |本当に必要だから使っている(あやなん)

Material: 100% Merino Wool
Weight: 86g (Size M)
ニュージーランド産の100%メリノウールを、ヒマラヤの麓ネパールの女性たちがひとつひとつ編み上げるニットキャップ。ローゲージニットならではの暖かさ、100%メリノの優しい肌触りとやわらかなかぶり心地。

あやなん ニットキャップは差し色とかじゃなくて、本当に必要だから使っているなと思います。

りょう あやなんは普通の冬の無雪期の山行でもかぶっているイメージがある。

あやなん え、頭寒いもん。耳、冷たくないですか?

マブ 耳は結構冷たくなるよね。

あやなん で、Merino Knit Capはすごく柔らかいし。他のメーカーのニットキャップも持っていたけど、これの柔らかさやあったかさはいいなと思いました。冬の低山でも使うし、雪山ではバラクラバの上にもかぶっていたし。その時は、おしゃれさよりあったかくしたいから、がっつり深くかぶってる。

2023年、双子山でMerino Knit Capを着用するあやなん。

りょう ウールの調温・調湿性もあるのかもしれん。熱くなりすぎないとか。

夏目 太いウールの糸で編んでいるからあったかいんだよね。折り返しで2重になっているから、下ろせば耳まで全部覆える。

アンディ 寝る時に深くかぶってアイマスクがわりに使ったりもしますね。

All-weather Alpha Jacketの下に何を着るか

夏目 じゃあ、次はアンディが言っていたAll-weather Alpha Jacketの下に何を着るかについて。

りょう 僕はDF Mesh Merinoですね。フーディーかロングスリーブ。All-weather Alpha Jacketを着る時って運動量が多い場面も想定されるし、汗をかくシチュエーションも多い。それだったら、かいた汗が肌から離れてくれて、なおかつ通気性と保温性もあるDF Mesh Merinoがいいなと思っています。主な活動域の関西の1200m級の雪山くらいであれば2枚で完結できるシンプルさもいい。ちょっとオーバースペックかなとも思うけど。100% Merinoじゃない理由は、汗の乾きがゆっくりな生地を間に挟むと、汗で濡れたウェアが寒さで凍ったりして、より冷えることも全然あるなと想像していて。あと、僕が行く山域だったら、DF Mesh MerinoにAll-weather Alpha Jacketで十分なんで。ベンチレーターやフロントジッパーで換気すれば、割と蒸れずにいけるから、そもそも100% Merinoを挟む必要もない。

2026年、比良山系でAll-weather Alpha Jacketを着用するりょう。この時は下に100% Merino Pulloverを着ている。

夏目 アンディの話は、ベースレイヤーでDF Mesh Merino、ミドルレイヤーに100% Merinoを着て、さらにその上からAll-weather Alpha Jacketを着るお客さんが多いということだっけ?

アンディ 肌に接する部分はDF Mesh Merinoで汗処理して、保温するために100% Merinoを着て、その上にAll-weather Alpha Jacket。このレイヤリングが、おそらくお客さんの中では多いんじゃないかなという印象で。

夏目 みんな汗処理をかなり気にしているんだね。そこは大事だと思う。100% Merinoは、Chemical BやActive Pullover、DF Mesh Merinoと比べると、やっぱり乾きは遅いよね。でも、僕自身は100% Merinoを着て厳冬期にもよく行っていたので、雪山に向かないという感覚はない。結局、行く場所や運動強度、その人の体質によって変わると思う。

大ちゃん それは、素肌に直接着るんですか。僕は、生地の違いだけじゃなくて、シルエットでも体感温度の感じ方が変わるのかなと思っていて。100% MerinoシリーズはDF Mesh Merinoと比べるとゆったりしたシルエットじゃないですか。生地と肌の間に空間ができることで、冷えの感じ方にも影響するのかなと。

夏目 素肌に着ることはあまりないかな。その当時はDF Mesh Merinoや100% Light Merinoの薄手のベースレイヤーを着て、その上に100% Merinoを着ることが多かったね。

あやなん DF Mesh Merino Sleevelessに、100% Merinoの長袖に、All-weather Alpha Jacketだったら、気温が−15〜−20℃くらいで歩く時は、それでもいいかもなとは思いました。

マブ 雪山だと、ゆっくり歩いていても運動強度自体が上がりやすいと思うので、何を着るかだけじゃなくて、自分がどれくらいの運動強度で歩いているのかも、レイヤリングを考える上ですごく大事なところかなと思いました。

夏目 天候や体質、汗処理なんかも考えながら、それぞれ選んでもらえたらと思います。今年発売したChemical Bの長袖もこれからの選択肢に入ってくるんじゃないかな。

2023年、西穂高岳でAll-weather Alpha Jacketを着用するアンディとマブ。

100% Merinoシリーズの今の位置づけ

夏目 大ちゃんの100% Merinoの話、これは僕も気になるな。もう一度質問してもらっていいですか。

大ちゃん 簡単に言うと、アンケートを見ていると、100% Merinoはすごくゆったりとしたハイキングでしか使わないような見え方をしたんです。なんでみんなそういう使い方なのかな、みたいな。

あやなん でも、めっちゃわかる。私は確かに、DF Mesh Merinoと比較した時に、100% Merinoはちょっと重たさもあるから、緩めのハイキングとか、日帰りの冬の低山とかでミドルレイヤーやベースレイヤーとして使ってるかな。100% Merinoをがっつりハードなシチュエーションでも使っている人がいるのかは聞きたい。

2023年、鈴鹿山脈で100% Merino Half Zip Hoodyを着用するあやなん。

大ちゃん 夏目さんがそうやね。昔は100% Merinoの下に他のベースレイヤーを着て雪山へ行っていた。今、DF Mesh Merinoなどの新しい製品がある中で、レイヤリングがどうなっているか聞いてもいいですか。

夏目 しっかり厳冬期の雪山に行こうとすると、汗処理の話で、やっぱりActive PulloverやChemical B、化繊との組み合わせが良いよね。でも、長期で何日間もとなってくると、やっぱりメリノが気持ち良いんじゃないかな。普段から着ている道具でそのまま山に行く気持ち良さってあると思うんだよね。だからその時の気分で、今日はメリノで行きたいなとか、Active Pulloverで行きたいなとか、自分がチョイスできることがいい気がする。100% Merinoでも、僕は十分楽しめるとは思っています。それで楽しんできたし。

大ちゃん もうひとつ質問していいですか。僕自身はあんまり雪山をガツガツ行くわけじゃないんで、よく行っているあやなんに聞きたいんですけど。雪山のベースレイヤーを選ぶ時、乾きを重視するのか、保温性を重視するのか、どっちなんかなって。乾く=気化熱で体温が奪われる=冷える、というイメージもありますよね。「濡れても保温性に優れる」と言われているメリノウールでも、ウェアが飽和するほど汗をかく状況なら、汗を乾かしていった方が冷えないのかなとは思うんやけど。冬は何かしらのインサレーションを重ねているだろうから、そこで保温のカバーもできちゃうし。

あやなん 私は雪山の方が汗をかくんですよね。全身使うし、夏よりめっちゃ汗をかくのでヌケてほしい。乾きも保温性も、正直どっちも重要視していて選べないけど、ヌケを結構重視するから、しっかり歩く時はヌケもあって冷えづらいという安心感があるDF Mesh Merinoを着ることが多い。100% Merinoだったら汗の乾きが遅い分、汗を保持しちゃうから、やっぱり冷えそうというのはある。だから重要視してるのは保温性があることと、汗や熱が抜けていくことかな。

大ちゃん 抜けを重視しているということは、そもそも汗をかかないようなレイヤリングにしているということ?

あやなん そうですね。汗をかきづらくしたい。そして、汗が溜まらないことと保温性があることを重視している、ということですね。

りょう 汗をかかへんようにしたいし、かいた時もDF Mesh Merinoみたいにある程度乾きが早くて、保温性もある方がいい。

夏目 メリノってやっぱり吸湿発熱性もあるから。化繊単体でずぶ濡れになっている状態に比べると、冷たさが全然違うなと思うんだよね。行動している時は、多少汗で濡れていても僕はそこまで気にならない。気になるとしたら、停滞した時の汗冷え。そういう時は、濡れ具合や状況によって着替えることもあるし、上から保温着を重ねることもあります。なかなか答えは出しづらいけど、僕の実感だと、良し悪しはありつつも、100% Merinoでも全然行けるぞって感じ。多分みんな少しずつ感じ方が違うんだろうなという気はするけど。

大ちゃん 逆に、Active Pulloverを素肌に着て、その上にAll-weather Alpha Jacketを重ねる場合、汗が肌に残っちゃうことはないんですか。Active Pulloverはメリノウールほど汗を吸わないと僕は思っているんで、肌に汗が残りそうだなという印象はずっとあって。

あやなん 私はそのレイヤリングで雪山に行ったけど、汗はあんまり感じなかったですね。でもめっちゃ汗をかいたら、肌に汗が残る可能性はありそう。中央アルプスに行った時は晴れていたから、暑すぎてAll-weather Alpha Jacketを脱いでActive Pulloverだけで歩いてた。

100% Merinoを着ている時の夜の過ごし方

マブ 僕は100% Merinoを行動中だけじゃなく、そのまま夜の保温にも使うイメージがあったんです。でも実際は、汗でちょっと濡れた状態でテント場に着いて、18時とか19時くらいで気温が下がってくると、僕は結構冷えを感じる時があって。そういうとき、みんなはどうしているのかなと。プラスでダウンとかの保温着を持っていっているのか、それともUL All-weather Hoodyとかを上から着てしのいでいるのかが気になります。

りょう 11月に小辺路を歩いた時は、DF Mesh Merinoのロングスリーブに100% Merino Half Zip Hoodyを着ていったんですけど、避難小屋に着いて、その2枚だけだと寒かったけど、上にLight Alpha Vest/Jacketを着たら大丈夫でした。気温も多分0℃ぐらいまで下がった気がするけど、寝袋に入っちゃえば全然平気。

マブ 僕は、100% Merinoをオーバーナイトで選ぶと、夜のためにもう1枚保温着が必要になる感覚があって。だったらAlpha Anorakみたいに、ある程度保温性のあるものを2枚目に持ってきた方が、持ち物がシンプルになるのかなと思っていて。だから100% Merinoがあまり選択肢に入ってこないんですよね。

大ちゃん 100% Merino Half Zip Hoodyを行動着として着るなら、もう寒い季節やと思うから、僕は別に停滞用のインサレーションを持っていくと思う。

アンディ 小辺路を歩いた時は、DF Mesh Merinoと100% Merinoを着て歩いて、テン場に着いたら1回脱いでActive Pulloverに着替えて、その上から100% Merinoを着て乾かしました。背中だけ濡れていたので。

2024年、愛宕山で100% Merino Pulloverを着用するアンディ。

夏目 僕も冬はちゃんと保温着を持っていく。100% Merinoを着たままAlpha AnorakやLight Alpha Vest/Jacketを重ねることもあるし、状況によってさらに防寒着を持っていく。汗で濡れている時は、濡れ具合や気温、風なんかを見ながら、着替えるのか、上に保温着を重ねるのかを考える感じだね。

「これでハイキングが変わった」道具

夏目 じゃあ質問を変えて、今回の製品の中で、自分のハイキングを変えたような製品と、それはどんな体験だったかを教えてもらえますか。

AW Alpha Mittens| 意外と普段使いでも使い勝手がいい(りょう)

Facing: Pertex®︎ Shield Air, 58g/m², C6 DWR
Lining: Polartec®︎ Alpha Direct, 136g/m²
Weight: 84g (Size M)
アクティブインサレーションの発想で開発した、冬の山をアクティブに行動する人のためのミトン。つけたまま手指をすぐに出せるので、ジッパーの開閉やスマートフォンの操作もストレスなく行える。従来の中綿入りミトンに比べて圧倒的に軽く、通気性に優れ、どんな時も快適。

あやなん じゃあ、私はAW Alpha Mittens。積雪期の手袋選びをすごく変えてくれました。雪山に行く時、指先の冷えがすごくあって。今までは、ウールの中厚手の手袋の上に、雪山用の保温材入りの防水シェルグローブを重ねていたんですけど窮屈で、指を曲げられへんぐらいだったんですけど、それでもめっちゃ冷えていて。どうしたものかと思っていたところで、AW Alpha Mittensをつけたら、最初は薄いと思っていたけど、5本指の保温材入りのものより、AW Alpha Mittensの方があったかくて。ミトンという形だから、自分の指同士のあったかさで保温ができるということももちろんあるけど、アルファのあったかさもあるし、結露や濡れも気にならなくて全然冷えへんなという感覚があって。雪山のミトンで、なんで今までこういうのがなかったんやってすごく思いました。

2025年、北八ヶ岳でAW Alpha Mittensを着用するあやなん。

大ちゃん 指が分かれていないのもいいのかもね。5本指でグローブを重ねると窮屈で、血行が悪くなって冷えちゃうとかはありそうだね。

あやなん AW Alpha Mittensはちょっとゆったりしているから、どうしても寒かったら、中で指先まで伸ばさずに、手をぎゅっと握ってますね。そしたら結構大丈夫なので、それもいい。あと手首まで隠れたり、コードをワンタッチで開け閉めできるのも言わずもがな、いい。そして手袋が結露でびちゃびちゃになってしまうシチュエーションがない。これ重要!

大ちゃん 柔らかいのもすごくいい。雪山のグローブって硬いですよね。存在感があるというか、ストレスが大きいものが多いような気がする。

マブ 雪山ではグローブもレイヤリングして使うから、それがシンプルになるのは大きいよね。

あやなん 冬に街でこれ1枚で使っていると、指が汗をかくぐらいあったかい。自転車を漕いでいても大丈夫やし、しっかり風は止められているなと思う。

りょう 僕も関西の1,200mくらいの雪山で、薄手のメリノのインナー手袋や指出し手袋と合わせて使ってますね。あやなんと一緒で、冬の通勤で自転車に乗るときも素手につけてる。柔らかいし、普段使いもしやすいよね。あと個人的に、指の出し方がいいなと思っていて。他社のジッパーで手が出せるミトンをずっと使っていたんですけど、指を出した後、チャックを閉める時に手を使ったり口で噛んだりして閉めていて。あれが結構手間やったんやなと気づいた。ワンアクションで指を出せるのは大きい。かといって、雪がめっちゃ入ってくることもないから。

あやなん 入ってこないですよね。

りょう あの作りはすごくいい。故障しやすいパーツもジッパーもないし。そんなにガンガン雪山に行く方じゃないけど、意外と普段使いでも使い勝手がいいから、使っている回数は多いかな。

大ちゃん 接客していて「ピッケル持てるんですか」とかたまに聞かれるけど、操作のしやすさはどう?

あやなん 私的にはちょっと怖いなと思う。ピッケルは5本指で持ちたい、指を出したいな、みたいなのはある。夏目さんはどうしているのか、そこは気になる。

夏目 僕はAW Alpha Mittensのままで大丈夫。ピッケルもそのままガシガシ使ってる。あと、やっぱり蒸れにくいというのも結構大きいかな。気持ちよさという意味でも。「ハイキングを変えた道具」、他の製品もありますか? 

100% Merino Half Zip Hoody |道具選びって理屈だけじゃない(大ちゃん)

Material: 100% Merino Wool, 200-205g/m²
Weight: 348g (Size M)
中厚手のメリノのフーディ。100% Merino Pulloverと同様の100%メリノウールの機能性はもちろん、換気性を高める胸元まで開くジッパーと腹部の保温性を高めるカンガルーポケットも備えている。

大ちゃん 体験談がめちゃくちゃ薄いんですけどいいですか。僕は100% Merino Half Zip Hoodyなんですよね。初めて買ったメリノウールのウェアで、臭いの出なさとか着心地の良さにシンプルに衝撃を受けた覚えはあります。山と日常、どちらでもシームレスに使える感覚もすごく良かったし。シルエットがミドルレイヤー寄りなので、肌寒い時はミドル、その他はベースって感じで使ってますね。今って、Active Pulloverとか「理屈としていい道具」がめっちゃ出てきていると思うんやけど、耐久性の観点から「ここぞ!」という時以外は、個人的にActive Pulloverを着たくない。そんな中で、僕は100% Merinoが山と道の道具の中で一番、感覚的に好きやねん。言語化できない心地よさがある。だから店に来てくれるお客さんにも「1回着てみてくださいよ」ということがすごく多いし、それで実際いいなと感じてくれている人も多い。道具選びって理屈だけじゃないなと改めて思わせてくれる道具ですね。

2024年、京都一周トレイルで100% Merino Half Zip Hoodyを着用する大ちゃん。

あやなん ミドルレイヤー、ベースレイヤーどっちでも使えるのいいよね。私はミドルレイヤーにするときは、100% Light MerinoやDF Mesh Merinoを組み合わせて使ってます。 ハーフジップにカンガルーポケットっていうカジュアルなデザインも好きだし、脱ぎ着もしやすいよね。

りょう 僕も100% Merino Half Zip Hoody。同じのを2着持っていて、秋冬の普段着から無雪期の汗だくになりにくいような山行までよく着ている。初めて買ったのはスペシャルオファーで安くなってた時だったんですけど、着てみたら、すごく着心地がよくて。フードの中にゴムが入っているからしっかり顔に密着させてかぶることもできるし、ゆったりリラックスしてかぶることもできる。中でもHalf Zip Hoodyが好きな理由は、カンガルーポケットが中で繋がっているんで、手を突っ込んだ時に手と手が握手できて安心感があるんですよね。腹部にジッパーがあると隙間から風が入ってくる感じがするけどそれもないし、我が家は冬コタツなんですけど、ジッパーがついていると座る時にむにゅって浮き上がってくるんですよ。それもない。「もうずっとこれ着といたらええやん」ってなる。そのまま山に行って、汗をかかんかったら着っぱなしで布団に入ったりもしているんで。どんどん劣化してきて、一昨年ぐらいに新しいのを買ったんですけど、ずっと同じのをぐるぐる着ている感じです。

2022年、八ヶ岳で100% Merino Half Zip Hoodyを着用するりょう。

Alpha Anorak |お腹のポケットで全部完結できる(あやなん)

Facing: Pertex®︎ Quantum Air, Titanium Coated, 40g/m², C0 DWR
Lining: Polartec®︎ Alpha Direct, 136g/m²
Weight: 409g (Size M)
雪山を快適に行動できるアクティブインサレーション(保温行動着)。サイドポケットと別気室の大型フロントポケットにはすぐ取り出したい道具を入れられる。脇下にベンチレーションと脱着用サイドジッパーを配置。どちらも大きく開くので体温調整がしやすく、脱ぎ着もスムーズ。

アンディ 僕は100% Merinoじゃないんですけど、Alpha Anorak。雪山は正直怖くて、あんまり行きたくないんですけど、天気がいい時はちょっと行ってみたいとは思う。All-weather Alpha Jacketじゃなくても、Alpha Anorakでも全然いけると思うんですよ。僕もすっごい汗っかきなんで、ベースレイヤーにしっかり汗処理がいいのを着て。Alpha Anorakは汗をかいても、両脇をガバっと開けて換気できるのがすごく効いていますよね。もし天候が荒れても、UL All-weather Jacketでカバーできますし。お客さんで、天気がいい日に雪山をやってみたいなという方がいたら、Alpha Anorakはおすすめしたいなと思います。

2023年、半国山での山と道京都スタッフ(右端がAlpha Anorakを着用するアンディ)。

大ちゃん All-weather Alpha Jacketほど防風性が高くないからこそ、通気しながら使えて融通が利く、というところが好きなんやね。

りょう 初めてAlpha Anorakを着た時に、僕は全然あったかくないなと思ったんです。見た目のイメージ以上に風がめっちゃ抜けるやんと思って。でも逆にそれが、アンディが言っていたみたいに、天気がいい日でも快適に着られるし。天気が良すぎて霧氷が溶けて上から水が落ちてくるとかやったら、UL All-weather Jacketを羽織れば済む話やから。正直似たシチュエーションだとAll-weather Alpha Jacketが出てからは出番は減ったけど、極端に寒い場所に行くとかじゃなければ、かなり活躍すると思う。あとは、ドラえもんみたいなフロントポケット。あれ、めっちゃ好きで。雪山に行く時の移動で、フロントポケットに車の鍵とか全部入れておいて、コンビニに寄る時も手ぶらで行って、ここから出して。ポケットを開けたところにさりげなくロゴがあるのもかわいい。あとは、サイドのベンチレーションかな。ガバッと開くのは換気や脱ぎ着の時にも助かるから、冬の普段着としても着用してます。

あやなん お腹のポケットで全部完結できるぐらいの容量があるのがいいよね。

マブ 僕もAlpha Anorakがすごく好きで、雪山だけじゃなくて、11月後半〜2月くらいの低山や京都一周トレイルでもよく使っていました。Chemical Bとの組み合わせがすごく好きで。Chemical Bが濡れて、乾く時に感じる冷えを、Alpha Anorakの保温性がうまく中和してくれるんですよね。ベンチレーションでウェア内の湿度をコントロールできるし、冷えも気になることなく乾くのも早いので、このシンプルなレイヤリングが結構気に入ってます。プラスで風を防ぎたい時はUL All-weatherをその上に重ねる感じかな。泊まる場所に着いてハンモックを張って、ご飯を食べる前にUL All-weather Hoodyを上から着るだけで、簡易的なダウンみたいになって、すごくあったかい。そうすると、保温着をそこまで増やさなくてもよくなるので、装備全体がすごくシンプルになる。そのシンプルさが、山に行こうと思える理由にもなっていました。退勤してそのまま山に入って、ハンモックを張って泊まって翌日そのまま出勤する、みたいなこともよくやっていたんですけど、そういうことが気軽にできたのも装備がシンプルだったからやと思います。行動中だけじゃなくて、夜の過ごし方まで含めてシンプルにしてくれる。

AW Hike Pants |雪山パンツを普段も穿けるって、なくないですか(あやなん)

Facing: Pertex®︎ Shield Air, 198g/m², C6 DWR
Weight: 371g(Size M)
Winter Hike Pantsからクランポンガードやシューフックを取り除き、秋冬の生活から低山、雪山までを快適に過ごせるように再構成した全天候型パンツ。

あやなん 私、ちょっとだけ言いたい。AW Hike Pantsもハイキングを変えたひとつですね。シンプルで、シャカシャカ感やごわごわ感もなくて。雪山パンツなのに普段も穿けるって、なくないですか、今まで。

2026年、京都北山でAW Hike Pantsを着用するあやなん。

夏目 今まで多分なかっただろうね。

あやなん それってすごいことやなと思っていて。家を出て電車に乗って、そのまま雪山に行って家に帰ってくる中で、違和感がないんですよね。そこに私は感動しているし、自分の冬のハイキングを変えてくれているなと思います。山で使うときは、天気や風によるけど冬の低山から−5℃くらいまでの雪山なら単体、もっと冷え込みそうなときはLight Alpha Tightsと重ねてるんですけど、無雪期の冬山から雪山まで興味があるお客様にもいいかも。無雪期の冬山で使いやすくて、雪山にも行けるし街でも穿きやすい。冬の幅広いシチュエーションで使えるのがいいなって感じ。逆に、「がっつり雪山パンツを探しています!」ってお客様にはWinter Hike Pantsをおすすめするけど。

Winter Hike Pants |ほんまにこれでゲイターいらんの?(りょう)

Facing: Pertex®︎ Shield Air, 198g/m², C6 DWR
Weight: 416g(Size M)
雪や風雨を防ぎながら通気するソフトシェル生地で抜群の「ヌケ感」を持ち、優れたストレッチ性とジャージー素材の裏地の肌触りは、寝袋の中でも穿けるほど。ゲイターをしなくとも裾のフックで雪の侵入を防ぎ、クランポンガードが爪から守ってくれる。

りょう 僕は、Winter Hike Pantsを初めて穿いた時に、「ほんまにこれでゲイターいらんの?」とちょっと半信半疑で、最初の方はゲイターを持っていったんですけど。何回行っても、Winter Hike Pantsだけでも裾がずれへんし、雪が入ってこない。それまでゲイターをつけて行っていたけど、脛のあたりがちょっと蒸れたりしていたんで。足回りがシンプルになって、ハイキングを変えたかと言われたらそこまでかはわからへんけど、雪山の体験をもっといいものにしてくれたのはWinter Hike Pantsかなと僕は思っています。

2023年、八ヶ岳でWinter Hike Pantsを着用するりょう。

山と道らしいウルトラライトを感じるもの

夏目 じゃあ最後の質問。今回の製品の中で、山と道らしいウルトラライトを感じるものは何でしょう?

Light Alpha Only Hood |使ってみないとわからない系のいい物(あやなん)

Facing: Pertex® Quantum Air, Titanium Coated, 40g/m², C0 DWR(耐久性撥水加工)
Lining: Polartec® Alpha Direct, 85g/m²
Weight: 51g
Only Hoodに保温性と通気性に優れたポーラテック®アルファダイレクトをプラス。わずか51gとニットキャップよりも軽量で、首元まで覆われるので暖かく、ネックウォーマーとしても、簡易的なバラクラバとしても活用できる。

あやなん 私はLight Alpha Only Hoodです。あったかいフードだけの製品って面白くない? ユニークだけど、実際めっちゃ使える。そういうところが山と道っぽいなと思います。冬のハイキングはもちろん、私は7月のアルプスのテント泊でも持っていっているし、9月後半以降、10月のテント泊でも持っていくんですよ。実は使うシーンがすごく幅広い。夏のOnly Hoodに比べると口元の生地がちょっと長くて、寒い時に口元まで覆えるような違いもある。これは使ってみないとよくわからない系のいい物な気がしています。

大ちゃん 魅力はすごく伝わったんやけど、この設問にある「ウルトラライト」を、どういうところに感じている?

あやなん 私、結構シャツを着たり、フードなしの100% Merino Pulloverを着たりするし。寒がりやから、首回り・頭回りを足すだけでも全然変わるから。いろんなウェアと組み合わせられる、多用途なところかな。

大ちゃん 個人的には、Light Alpha Only Hoodが使える場面って、あやなんが言ってくれたようにすごくあるとは思うんよね。でも、俺の頭が固いのか、ピンポイントの用途で持っていく道具ってウルトラライトを感じにくい。もっと1個山に持っていくだけでいろんな用途に使える方が、道具の数も少なくシンプルで、僕はウルトラライトやなって思う。これって本当に、ものの捉え方次第だとは思うんですけど。

あやなん これは「1個でめっちゃ使える」というより、1個でいろんなものに合ってくれる感じ。フードのある服を着ていてもフードを足したりするから。

2024年、木曽駒ヶ岳でLight Alpha Only Hoodを着用するあやなん。

大ちゃん これで効果が全然違うもんな。俺も、この質問はあやなんと同じようにLight Alpha Only Hoodかなと、なんとなく思っていて。「山と道らしい」で言ったら、自分たちが思う最高の道具を作るというところには直結している気はする。これが出た当時、こういうものってあんまりなかったと思うのよね。そういう意味では山と道らしさを感じつつも、ウルトラライトかどうかというところですごく迷った。

Merino 5-Pocket Pants |めっちゃウールのパンツっていいやん(りょう)

Material: 97% Merino Wool, 3% Cordura Nylon, 236g/m²
Weight: 452g (Size M)
普段の生活から山まで、冬を気持ちよく過ごせるウールのパンツ。裏面にはナイロン・リップストップを織り込み強度を高めてあるから、山でもトレイルでもどこでも使えるタフさもある。

りょう 僕は2製品あります。Merino 5-Pocket Pantsと、さっき言った100% Merino Half Zip Hoodyで。山と道らしいなと思うのは、やっぱり、そこまでしてウール着たいんか、みたいな(笑)。山と道を知った時に、パンツでウールってあんねやと思って、それで自分で穿いてみると、めっちゃウールのパンツっていいやんと思った。あとは、ウールが対応できる温度域がやっぱり広いなと思っていて。気温20℃のポカポカの秋の山でMerino 5-Pocket Pantsを穿いた時があって、予想では絶対暑くなるやろうと思ったんですけど、全然暑くならなくて、終始快適に歩けたんで。1本で幅広い気温に対応できるパンツやなと感じました。

あやなん うんうん。

りょう さらに山と道ってハイキングだけじゃなくて、ライフもコミュニティも大事にしてるじゃないですか。その「ライフ」という面で僕は結構インパクトを受けていて。Merino 5-Pocket Pantsは冬、これ1本で1週間ぐらい過ごしているんですけど、出勤して、家に帰って風呂に入って、風呂上がりもそれを穿いて、そのまま布団に入るんですよ。で、結構奥さんに嫌がられます(笑)。それぐらい、もうこれ1本でいいやんって気持ちになるんです。1本で幅広くいけるのと、穿き替えなくていい快適さ。洗濯して干すとか生活の手数が減るのもウルトラライトかなと僕は思っていて。それは100% Merino Half Zip Hoodyも一緒で、どっちも好きやなと思います。

2026年、大文字山でMerino 5-Pocket Pantsを着用するりょう。

あやなん しかもMerino 5-Pocket Pants、ちょっといいレストランにも行けるからね。5-Pocket Pantsだとちょっとカジュアルかな、というぐらいのレストランでもMerino 5-Pocket Pantsなら行けて、しかもそのまま山に行けるから、私も本当に冬は毎日穿いてる。山だと無雪期のゆるめハイキングの時に使ってるかな。自転車を漕ぐとスースー寒いくらいに通気性があるから、そりゃハイキングにもいいんよね。上品で、穿き心地も良くて、機能性もいいって、山と道だからこそだと思う。穿いていて気分が上がる。

りょう いいレストランはなかなか行かないけど。入園式、入学式にMerino Coach Jacketを着て、Merino 5-Pocket Pantsを合わせて出たことはある。マジでスーツを手放せるかもと思った。

大ちゃん ご近所さんでMerino 5-Pocket Pantsを穿いてくれている人も結構いて、その人たちも、割とフォーマルな場所でも行けるというのが高評価ポイントで使ってくれていたりはするよね。僕も山や街関係なく、秋冬のパンツはほぼこれ。蒸れの不快感が少ないのに暖かいから不思議。冬の低山や凍える自転車通勤でも意外といけちゃうんよね。

2024年、京都一周トレイルでMerino 5-Pocket Pantsを着用する大ちゃん。

All-weather Alpha Jacket |脱がずに行動し続けられる、というこだわりにウルトラライトを感じる(大ちゃん)

Facing: Pertex®︎ Shield Air, 58g/m², C6 DWR
Lining: Polartec®︎ Alpha Direct, 136g/m²
Weight: 523g(Size M)
防風・耐雪性能を持ちながら、通気性と保温性に優れた生地を使用することで動いていても熱くなりすぎない真冬の全天候型行動着。ヘルメット対応のフードや換気性を高めるピットジップを備え、頭や腕の動きを妨げず快適に行動できるパターンにこだわっている。

大ちゃん 僕は「お前がこれ出すんかい」という感じやねんけど、僕が一番ウルトラライトを感じるのは、All-weather Alpha Jacket。厳冬期に「脱がずに行動し続けられる」というこだわりに、ウルトラライトを感じる。ベンチレーションや通気性の高い生地で換気性と保温性を両立させているから、幅広い状況に対応しながら1枚で行動し続けられるし、脱ぎ着が減れば、荷物を増やさずに済む。換気でウェア内の温度調整ができれば、ベースレイヤーの濡れをある程度防げて、着替えなくていいということにも繋がってくるかもしれない。ウルトラライトって重量で考えがちやけど、もう一歩先の「着続けられる」というところに一直線に行っている感じが山と道らしいし、ウルトラライトをめちゃくちゃ感じる。

2024年、比良山系でAll-weather Alpha Jacketの大ちゃん。

りょう 厳冬期でもやろうという意思が製品に現れているよね。

アンディ シェルにインサレーションの生地をくっつけたものは市場に出回っているけど、いわゆるレインウェアにインサレーションを組み合わせたものはあまり聞かない。そういうところが、雪山をこよなく愛している夏目さんらしさ=「山と道らしさ」かなと思います。

あやなん 軽い中でもディテールがすごいじゃないですか。袖のカフス部分だったり、フードの形状だったり、フードのコードをワンタッチで戻せたりとか。ディテールのひとつひとつにめっちゃこだわっていて、全部説明したくなるぐらい。生地が柔らかくて体の動きを邪魔しないから、ラッセルしたり、手をついて登ったり、寒い中でもタフに動くシチュエーションと相性がいいようにできてるし、脇にベンチレーションがあったり保温着を着込めるゆとりのあるシルエットも好き。そのこだわりはすごく山と道らしいし、それでいてめっちゃ軽くて柔らかいから。All-weather Alpha Jacketが山と道のウルトラライトらしいというのは、すごく共感です。

2025年、北八ヶ岳でAll-weather Alpha Jacketを着用するあやなん。

大ちゃん Alpha Anorakも、サイドジッパーで換気できるようにするんやったら、フロントを全部開けられるようにしろよという人もいそうやけど。そこは多分、腹部の保温とか色々考えた上で、ハーフジップにした強い意志が感じられる。

マブ 僕はやっぱりAlpha Anorakかな。理由は、レイヤリングがすごくシンプルになるところ。寒い季節でも2枚くらいで行けるって、あんまり想像つかへんというか。セオリーでいうと、汗を肌から遠ざけるためにレイヤリングを重ねて、次のレイヤーに汗を移していくと思うんですけど、それが2枚で済むというのが僕はすごく好きで。雪山だけじゃなくて冬の低山でも、レイヤリング次第でヒートアップしすぎず、そのままずっと歩き続けられる。持ち物もレイヤリングもバックパックの中もシンプルになるから、何かを探したり、「次、何着よう」と考えたりすることも減るので、頭の中までクリアになる感じがあるんですよね。Light Alpha Vest/Jacketも同じような理由で好きです。冬は、シェルと保温をひとつにしたようなアクティブインサレーション系がすごく好きですね。

チェックアウト

大ちゃん PRODUCT FOCUSの座談会は初めて参加させてもらったんですけど、自分のアクティビティ自体が春・夏寄りで、ロングトレイルは雪がないんで、そっちで戦いたかったな。冬は冬眠しているかもしれんけど、今後も楽しんでいきたいなと思っています。

マブ 今日はすごく緊張していたんですけど、結果いつも通り楽しかったです。みんなのレイヤリングとか、製品に対してどこまで深く考えているかを聞いて、すごく感化されたところがいっぱいありました。次のPRODUCT FOCUSも楽しみにしています。

りょう 夏山って、みんな似たような体験をしていて「こうですよね」という話が結構できるんですけど、冬山は、高山に行く人、低山に行く人、雪山には行かないけど無雪期なら行く人と、人によって全然違う。だからこそ、いろんな人の意見が大事なんやと思いました。「あの人の場合はこう」という話が記事にあることで、自分に近い人の情報を見つけられる人もいると思う。自分は冬の高山に行く方じゃないけど、高山に行く人はこう考えているんや、とわかったのも良かったです。あとは、やっぱりみんなメリノが好きなんやなと思いました。

アンディ 冬の登山はやっぱり命に関わってくるものになるので、そこをしっかり理解して、お客様にしっかり提案ができるようになればいいかなと改めて思いました。それには自分で体験すること。ゆっくりめのペースで歩いてみたり、逆にちょっと速く歩いてみたり。いろんなペースで行って、どんな方にも対応できる提案ができたらいいかなと思います。

あやなん 冬は低山か高山かでも気温帯が全然違うし、シチュエーションの幅が夏よりすごく広いから、レイヤリングも変わってくる。だから私たちスタッフも幅広い視点を持たないといけないし、今日いろんな人の意見を聞けたのは良かったです。100% Merinoも、今までとは違う使い方をしてみようと思えたし、これから冬が始まって実践できるタイミングで、この座談会ができて良かったなと思いました。

夏目 ありがとうございます。開発者として、涙が出そうになるような瞬間がいくつかありました。100% Merino Half Zip HoodyもAlpha Anorakも、自分自身が秋から冬の山で、本当に相棒のように使ってきた道具です。そういう製品に、みんなからいろんな愛ある言葉をもらえたのは本当に嬉しかった。それをお客様にも伝えていけたらと思います。ありがとうございました。

参加スタッフプロフィール

夏目 彰|山と道 代表
2011年に妻とふたりで山と道をはじめる。今も新しいメーカーのあり方を模索中。

久保田 稜(りょう)|山と道京都スタッフ
滋賀を愛する2児の父。滋賀1周トレイルを24日かけて歩く、限られたモノの旅が好き。YouTuber「みそしるえがお」としても活動。

永井 絢菜(あやなん)|山と道京都スタッフ
学生時代からのバックパッカー。ジョン・ミューア・トレイルやチリのパタゴニアなど海外の山を歩いてきた。トレイルランニングも好き。

馬渕 亮太(マブ)|山と道京都スタッフ
元プロミュージシャン。子どもの頃に親しんだ山へ。2023年からウルトラライトを実践中。

安藤 優作(アンディ)|山と道京都スタッフ
メインはランニングとトレイルランニング。ウルトラライトは日々勉強中。

伊東 大輔(大ちゃん)|山と道京都スタッフ
カナダやアラスカでの旅を経て、PCT、CDT、カミーノ巡礼を踏破。自分らしい旅を求め続けている。

連載「PRODUCT FOCUS 座談会」